文と写真●Believe Japan まるで歩くように、身体を行きたい方向に向けることで移動する「OMEO(オメオ)」は、これまでの電動車いすにはない、新しい体験を与えてくれた。 ドイツのデュッセルドルフで開催された世界有数の規模を誇るリハビリと福祉・介護機器展「REHACARE(リハケア) 2019」には、イノベーティブな福祉機器が数多く展示されていたが、「2KERR(ツーケアー)」(https://www.2kerr.com)の「OMEO」は、そのなかでも非常に目を引く存在だった。 「OMEO」は、セグウェイ社からライセンスを受け、供給されたプラットフォームを使って開発された電動車いす。そのポイントは、ジョイスティックを使わずに、上半身を希望の方向に向けることで操縦するという独特のシステムにある(ジョイスティックによる操作も可能)。 これにより、利用者はハンズフリーで、より自然な感覚で移動できる。そのフィーリングは非常にスポーティで、身体感覚に沿ったもの。 さらに走破性の高さも特筆すべきもので、取材に応じてくれた創始者でディレクター&デザイナーのKevin Halsall氏は、会場に用意された玉砂利の道をいとも簡単に走破するデモンストレーションを披露してくれた。氏によれば、「OMEO」は実用的であるだけでなく、楽しくてスポーティでユニークであることを大事にしたのだとか。 実際に会場を走らせてもらったが、軽快でスピーディに走りたいと思えば、そのとおりに動いてくれる。設定により最高速度を落とすことも可能で、慣れるまではゆっくりとした動きにもできるから安心だ。 会場には「OMEO」のほかにも、身体の状態や使用環境に合わせたバリエーションモデルが展示されていた。また、将来的には、独自プラットフォームに進化させるべく、現在も開発を続けているという。 重心移動によりスピードや進行方向をコントロールする「OMEO」は、電動車いすの世界にファン トゥ ドライブという体験を与えてくれる乗りものだった。 「OMEO」をデモンストレーションする「2KERR」社の創始者でディレクター&デザイナーのKevin Halsall氏 砂浜のような不整地であってもスタックせずに走れ、なおかつコントロールしやすい... ...
On 2019年12月27日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan ドイツのデュッセルドルフで開催された世界有数の規模を誇るリハビリと福祉・介護機器展「REHACARE(リハケア) 2019」から、イノベーティブな福祉機器を紹介する。 ヨーロッパでは、できることは自分でやりたいという自立心が強く、そのため車いすユーザーが自分で運転するための福祉機器が充実している。また、専門の福祉車両よりも、既存の普通車を福祉車両へと改造するコンバージョンタイプが多いのも特徴。一方で、これまでの機器はシンプルな手動式が多く、安価で頑丈というメリットはあったものの、体力の衰えたユーザーや小柄な体格のひとにとっては、大きな力が必要というデメリットもあった。しかし、そんなヨーロッパの状況も近年変わりつつあるようだ。 長年、油圧シリンダーによる車いすリフトを手がけてきた「WEERSINK(ウィーシンク)」(https://www.weersink.nl)が提案するのは、車いすの出し入れと車両への乗り込みを劇的に快適にしてくれる「ミニリフト&回転リフト」システム。 これは、運転席に移乗するリフトと車椅子を収納するリフトで構成されるもので、後席スライドドアを持つ車両に取り付け可能。ヨーロッパの15カ国以上とアメリカで特許を取得しているという。従来では乗車するのに非常に時間のかかったミニバンのようなクルマであっても、非常に短い時間で、なおかつ力を必要とせずに乗降できるのが特徴だ。同社のYouTubeアカウント(https://www.youtube.com/channel/UCrPhJuLe7HAWytLNTmvEKXQ)では、わずか30秒以内で乗降する模様が公開されている。 実際に、同社の代表を務めるRené Weersink氏自らが実演してくれた。 まずは車いすからミニリフトへ移乗し、車いすを回転リフトにセット。そしてリモコンのスイッチを押すと、車いすは自動的に車内に入り固定された。続いてミニリフトをリモコン操作で持ち上げる。すると運転席と同じ高さになるので、力をほとんど使わずに、座る位置を少しずらすだけで運転席への移乗が完了した。これまで腰掛けていたミニリフトは折り畳まれ、シート下部のヒンジで固定され、邪魔になることもない。ここまでの動きがスピーディでじつに滑らかなことに驚いた。 「ミニリフトによって、運転手はまるで座席に吸い込まれるように、運転席のよい位置に収まります。ミニリフトは不安定に見えるかもしれませんが、座席の前端にはかなり大きな曲線があり、ドアとBピラーをしっかりと握っていれば、実際には快適に座ることができる状況です。2〜3回練習する必要がありますが、すぐに慣れるはずです」。 車いすユーザーからは、車いすの収納は身体への負担が大きく、また心理的にもあまりその姿を長く見られたくないという声をよく聞くが、このシステムにはそのどちらも解決してくれる革新性がある。費用は工賃込みで約100万円とのこと。日本での展開はまだ未定とのことだが、ミニバン王国の日本にこそ、「ミニリフト&回転リフト」システムは受け入れられるニーズがあるに違いない。 車いすを収納する回転リフトのユニットは、およそシート1座席分のスペースを使う。 操作はリモコンで完結。車いすを車内に収納する負担と時間が節約できる。 ミニリフトによって、ドライバーズシートの高さまでスムーズにアプローチ。 スロープを使わずに車いすを収納する「ロールポール」は「WEERSINK」の看板商品。 油圧シリンダーによる車いす収納システムなどこれまで数多くのイノベーションを実現してきた「WEERSINK」代表のRené Weersink氏。 ...
On 2019年11月29日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 日本の福祉機器は世界的に見ても非常に機能的だが、それでもまだ世界には学ぶべきことはたくさんある。とくに中小企業やスタートアップ企業が生み出すイノベーティブな機器は、これまでにない発想と斬新なアイデアで障がい者の暮らしを豊かにしてくれる可能性を秘めている。 世界有数の規模を誇るリハビリと福祉・介護機器展「REHACARE(リハケア)2019」で発見した、イノベーティブな機器を紹介していく。 ドイツのデュッセルドルフで毎年秋に開催される「REHACARE」は、国際リハビリテーション・福祉・介護機器展で、世界有数の規模を誇るイベント。2019年は小規模開催年だったが、それでも43カ国から751もの出展者が集い、会場を訪れたビジターの国籍は世界80カ国に及んだというから元気だ。近年では中国や韓国といったアジア諸国からの出展者も増加傾向にあるという。「REHACARE」は、機器の作り手やその買い手といったビジネストレード的な側面に加えて、行政や利用者とその家族たち、支援グループも積極的に参加。ブースでは活発な意見交換が行われていた。 こちらは、車いすユーザーのためのキャンピングカー「HRZ Reha Camper(HRZリハキャンパー)」シリーズで、メルセデス・ベンツのスプリンター VS30(日本未導入)がベースの「HRZ Reha Camper 2+」というモデル。車いすユーザーがだれの手を借りることなく、車いすのまま乗車し、運転や車中泊を楽しむことができるのが特徴で、車内のスペースもすべて車いすを基準に設計されている。取材に対応してくれたのはHRZ REISEMOBILE GmbH(https://www.hrz-reisemobile.de)のマネージングディレクター ビジネスエコノミストであるElia Akkawi氏。 「このモデルは当社の車いす用キャンピングカーのなかでもコンパクトなモデルですが、それでも十分なスペースを確保しているのが特徴です。車内はフラットで車いすが転回できる余裕を持たせています。運転席は回転式で、その後方に設けられた車いす固定スペースから楽に移乗できるようにしました。もちろん、運転にまつわるすべての操作は手だけで行えるよう改造されています」。 車体後方には折り畳み式のベッド(一人用)とシンク、ストーブ、クールボックス、キッチンと引き出し、ランドリー、シャワーそしてトイレを設置。もちろん、そのすべてが車いすユーザーが使えるように設計されている。 「さらに見ていただきたいのが天井のスペースです。ここにはルーフベッドが設けられており、同伴者も快適に眠ることができます。また、日中はルーフベッドを押し上げることで、車内をより広く使えるようになっています」。 連れて行ってもらうのではなく、一人で出かけられ、大切なひとともいっしょに過ごせる。福祉キャンピングカー「HRZ... ...
On 2019年11月26日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●内藤敬仁 ご存知のように、日本は世界一の高齢化国で、現時点での65歳以上の人口割合は28%に及んでいる。この状況は2050年になると約40%になると予想され、すでに年金問題も含め日本に立ちはだかる大きな課題となっている。つまり、約30年後には6人の現役側が4人の高齢者を支えるというイメージだ。そんな状況のなか、自動車メーカーの開発者として、日々奮闘する人がいる。トヨタ自動車で15年間ウェルキャブ(福祉車両)事業をとりまとめる、中川茂氏だ。 そんな中川氏がいま取り組んでいるのが、「福祉車両ではない福祉車両」。それは、新型ヤリスをベースにした「運転席回転シート車」(プロトタイプ)で、運転席が回転することで、乗り降りを手助けしてくれるというもの。我々も福祉車両の取材を続けてきて、常々疑問に思うことがあった。それは、助手席回転シート仕様が「福祉車両」であり続けていること。いちど試すとわかるのだが、この回転シートは非常に便利で、障がいをもった方だけでなく、単純にクルマの乗り降りがおっくうに感じるようになったひとにも、とても助かる装備なのだ。 新型ヤリスは来年2月の発売予定。今回の運転席回転シートはウェルキャブ(福祉車両)ではなく、通常のカタログオプションとなるという。 「できるかぎりドライバーの自立を支える、これがこのシートのコンセプトです。歳をとると筋力が落ちるので、普通のシートだと片足に全体重をかけて降りなければなりません。そして、この右足が着地できる位置は運転席から遠く、上半身も45度ほど傾ける必要があります。とくに腰の痛い方はこれが辛い。運転席回転シート車の場合、まず両足で立ち上がれるので、足の筋力は半分ほどですみますし、足が着地したところと身体の位置関係が近く、上半身も20度くらい傾ければ大丈夫。乗り降りの負担が半減します(中川氏)」。 このシート、我々も試させてもらったが、とても楽に乗り降りができることに、ちょっとした感動を覚えた。また、興味深い話だったのが、筑波大学の市川教授が発表した(日本疫学会誌)データ。高齢者の運転と要介護になるリスクを比較したデータで、運転を継続した高齢者が要介護になる数値を「1」とすると、運転をやめた高齢者が要介護になる数値が「2.2」となるという。自動車で外出することが、健康寿命を延ばすということを証明しているというのだ。いうまでもなく、健康寿命が延びることは介護期間を減らすことにもつながってくる。 「約4割が高齢者の時代になって、それぞれの高齢者がみんな介護を受けるとすると、現役側(支える側)の負担はものすごく大きなものになる。そのときにあまり介護を受けずにいたほうが、ご本人も幸せだし、その親御さんを介護する子供たちも助かるし、国も助かる。自動車がそういうところでお役に立てる可能性を、これからも模索していきたいですね(中川氏)」。 回転シートを装着することを前提に、ドア下部の角を落とす設計がなされ、ドアが半開でも足が当たらず乗り降りできるよう考慮されている。 「4リンク」という新たな機構を使用することで、シート高は標準モデルと同等となっている。 車いすを寝かして搭載する電動収納装置も新たに登場。こちらはウェルキャブとなる。 話を伺ったのは トヨタ自動車株式会社 CV Company、CV 製品企画、ZU 主査、トータルソリューション事業室... ...
On 2019年11月15日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 1995年から軽福祉車両をラインアップし、1999年にはインライン生産化。現在では軽福祉車両を6車種(車いす移動車、昇降シート車)展開するダイハツ。今回DNGA第一弾としてフルモデルチェンジしたタントは、標準モデルの魅力を大幅にアップしていることはもちろん、新たな試みとして、標準モデルと福祉車両の間にある「福祉車両は必要ないけれど、高齢者の乗り降りなどで、もう少し便利なクルマがあれば」という需要に注目。すでに超高齢化している日本の現状への回答となる仕様を送り出してきた。 おもしろいのは、この「標準車と福祉車両の垣根をなくす」というコンセプトを実現するにあたり、徹底した「介護予防」を観点にしているところ。従来の福祉車両が比較的介護レベルの高い要介護のユーザーが中心だったことに対し、新たに、フレイル高齢者(加齢とともに運動機能や認知機能が低下してきた状態。要介護にいたる前の状態)、要支援者、軽介護度のユーザーに便利に使ってもらえるような仕様を目指している。これを実現するにあたり、2017年から産学共同研究を実施。理学療法士や大学教授に加え、実際に多くの高齢者の方の協力を得て、下に紹介する仕様のモデルが誕生した。 【ミラクルオートステップ】 助手席と後席両方の乗降性を向上する「ミラクルオートステップ」は、ステップ耐荷重100kgのロングタイプ。ステップ非装着車に比べ股関節の屈曲角度が小さくすみ、高齢の方はもちろん、小さな子供にも便利。ミラクルオープンドアとの組み合わせは、乗降時の負担の少なさでは最高レベルと言える。 【ラクスマグリップ(助手席・運転席/助手席シートバック)】 たかがグリップと侮るなかれ。一度この装備に慣れてしまうと、手放せなくなりそうなのが「ラクスマグリップ」。位置と形状にとことんこだわったというこのグリップは、手を伸ばしたところに自然にある感じで非常に使い勝手がいい。握りやすく滑りにくいといったグリップ形状にもしっかり気が使われている。こちらは乗降時に加え、シートの移動(後席の左シートから右シートへ)にも便利だ。 【ウェルカムターンシート】 助手席ターンシートは、一人での乗り降りをサポート。シートを30度に回転させると、ラクスマグリップ(助手席)を正面でつかむことができ、足腰に不安がある方でも安心して乗り降りができる。 【パワークレーン】 ワンモーションで車いすをラゲッジスペースに収納できるパワークレーン。こちらはクレーン本体が天井部分に装着されるため、ラゲッジの床面部分は標準車と同じように使え、後方視界も妨げない優れもの。当然、クレーン装着部分はボディの剛性も高くなければならず、車両設計の段階からメニューに組み込まれたものだ。また、このクレーンはタント専用のものとなる。 【スローパー】 車いすをそのまま載せられるスローパーも、今回大きく進化している。まずは新開発となるリトラクタブルスロープ。新たにワンタッチでスロープの前傾が可能となり、車いす乗車がない場合はフラットなラゲッジスペースとして活用できることになった。また、車いす乗車スペース幅も20mm拡大し、車いす固定ベルトも操作が少なくてすむように改良が施されている。さらにリヤバンパー部分にはプロテクターモールを装着。こちらはスロープを展開するときにつく傷を防止するもので、万が一傷がついてしまっても、安く交換できる部品となっている。 ... ...
On 2019年9月16日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 世界的に見ても、日本の自動車メーカーがラインアップする福祉車両(ビリーブカー)は非常に数が多い。しかし、実際に福祉車両が必要になったとき、これまで輸入車に慣れ親しんできたひとなら、「福祉車両でも輸入車を選びたい」と思うことは想像に難しくない。今回取材したヤナセオートシステムズの福祉車両は、そんなユーザーの夢を実現してくれる。 ご存知のように、ヤナセは日本における輸入車市場拡大のきっかけとなった老舗中の老舗で、その歴史は、なんと100年以上におよぶ。その間、数多いブランドの輸入車を取り扱い、現在に至っている。ヤナセで新車、中古車を購入した、あるいは整備をお願いしたなど、お世話になったことのあるひとは思いのほか多いはずだ。 福祉車両への本格参入を発表したのは、2017年9月。それまでは個別にユーザーと相談しながら車両を架装するスタイルをとっていたが、すでに始まっている超高齢化の現状や問い合わせにも対応しやすいように、「バリアフリーな輸入車で、車のある人生をもっと長く」というコンセプトのもと、全国の販売店でサービスを展開している。 今回は、すでに全国の福祉機器展で展示実績のあるデモカー2台を借り出し、実際の使い勝手をチェック、Vクラスは試乗も行った。 1台目はメルセデス・ベンツ Vクラスに車いす用の昇降リフト(イタリアのフィオレラリフト社製)を装着した車両。このクルマのポイントは、耐荷重が360kgあるリフト。国産メーカーの福祉車両では対応しきれないことの多い、重量級の電動車いすをストレスなく載せることができる。 操作方法はいたって簡単。テールゲートを開け、ユニット本体のボタンを押すだけ(詳細は動画にて確認してほしい。また、この仕様は一部手動での作業が必要だが、完全電動のタイプもある)。こちらは付属のリモコンを使って操作することも可能。車いすが入ったら、固定金具で車いすをしっかり固定するだけ。このリフトのいいところは、横に回転させることができ、車いすを載せないときなど、荷物の出し入れが手軽に行えるところが便利。 リフトの使い勝手のよさに加え、このクルマの美点はやはりドイツ車らしい走りだろう。速度無制限区間のあるアウトバーンを連続走行するためには、そもそもクルマがタフでなければ話にならない。筆者も同じVクラスで現地を数千km走りまわった経験があるが、フロア剛性の高さくるしっかり感は、安心感に直結する。それは車いすに乗っていても同じことで、リラックスして乗り続けられることができた。車いすに乗車したスタッフの184cmという身長でも、頭上スペースは問題なし。カップホルダーに加え、エアコン吹き出し口が側にあるのも嬉しいポイントだろう。 続く2台目はメルセデス・ベンツ Cクラス ステーションワゴンに、車いす自動収納装置(イスラエルのTMN社製 R11ロボット)を装着した車両。この装置は運転席からトランクへ、車いすをワンタッチで運んでくれるというもの(こちらも詳細は動画で確認してほしい)。まさに現代のロボット技術がなせる装置で、その華麗な動きに思わず見入ってしまうが、車両の改造範囲が少ない点、後席をそのまま使える点などメリットも大きく、欧州ではすでに2000機の販売実績をもつという。 操作は運転席に移乗し、車いすをアームにセットしたら(少々慣れが必要)、手元のスイッチを押すだけ。この装置は汎用性が高く、車いすを収納できるスペースがあれば装着可能だが、取り付けには詳細な現車確認が必要となる。 こちらは自操式装置(イタリアのKivi srl社)。リング&レバータイプの手動運転装置で、リングでアクセルをコントロール、右のレバーを下げるとブレーキがかかるというもの(実施の商品は黒色)。 今回紹介した2台の仕様以外にも、吊り上げ収納用リフトや着脱式スロープ、補助ステップ、回転シートなどが用意されているヤナセの福祉車両。かつては「いいものだけを世界から」。現在は「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている」というキャッチフレーズのヤナセ。ヤナセの福祉車両は、たしかな商品を厳選し、それを好きなクルマに装着するという、これまで培ってきたグループの強みが発揮されている。新車はもちろん、ヤナセで販売されている中古車でも装着の相談ができるというから嬉しい。また、上記の車両はH.C.R.2019(第46回... ...
On 2019年8月30日 / By wpmaster介護経験があり、自身も福祉車輌取扱士スペシャリスト資格を持つ、タレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭のビリーヴカー インプレッションがスタート。介助する側、介助される側、双方の立場になってインプレッションするので、ぜひビリーヴカー(福祉車両)選びの参考にしてください! 関連記事:ホンダ ステップワゴン福祉車両の優れた機能性を実感する ...
On 2019年8月12日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 車いす乗車が可能なホンダの福祉車両は、現在N-BOX、フリード、ステップワゴンの3車種がある。どれも標準車がユーティリティに優れたモデルとして人気を博しているが、今回はそのなかでもっとも大きなステップワゴンにスポットを当ててみたい。試乗したのは専用エクステリアを持つ「スパーダ ホンダセンシング 車いす仕様車(FF) 2列目乗車タイプ」。スパーダは2017年9月のマイナーチェンジで、新しく採用したLEDヘッドライトによりシャープさが増し、フロントグリルもより存在感のあるデザインに一新。テールゲートスポイラーもさらにスポーティになり、現在高い人気を誇っている。 ステップワゴン/ステップワゴンスパーダには、車いす仕様車、サイドリフトアップシート車、助手席リフトアップシート車の3タイプの福祉車両が設定されているが、車いす仕様車に実際に触れて感じるのは「自然な感覚」だ。優れたスペース効率によって広々とした室内空間を持ち、ストレスの少ない車いす乗車を実現している。 秀逸な使い勝手に注目 細部も、ユーザーの使い勝手を重視した工夫が随所に見受けられる。車いす仕様車でもっとも力を要するスロープの展開も、ダンパーアシストによって手軽に行えるようになっている。また今回試乗した2列目乗車タイプは、3列目シートの収納もショルダー部にあるベルトを引くだけで、自動で床下に収納されフラットなフロアとなる。跳ね上げて両サイドに固定するタイプと比べ、スペース効率はもちろん、使い勝手のよさに大きく貢献している。本来は面倒な作業だったことを忘れさせてくれる機能だ。 スムーズな乗車ができるので安心 ここではステップワゴンスパーダの2列目シートへの乗車手順を解説していこう。まずはバックドアを開け、ロックを解除。そしてグリップを持ってアルミスロープを車外へとセットする。この際、ダンパーが付いているので軽々と操作できるのがポイントだ。次に主電源スイッチをオンにし、ベルトフリースイッチを長押ししてウインチベルトを引き出す。続いてリモコン電源をオンに。車いすを押しながら、リモコンの「入」スイッチを押し続けながら電動ウインチを作動させ、車内に引き上げていく。ウインチは力強く静かに作動する。そして、ベルトにたるみがないかをチェックしたら、シートベルトを着用する。手順さえ理解すれば、一連の作業はだれでも簡単に行うことができる。 車いすを載せるときに、介助者が頭をぶつけないような工夫もこらされている。また、大きめの車いすも積載可能だ。 3つの乗車タイプを設定 ステップワゴンの車いす仕様車は、ホンダセンシング標準装備の1.5Lターボ車となり、標準タイプには「2列目乗車タイプ」「3列目乗車タイプ」「2列目&3列目乗車タイプ」の3タイプを、スパーダには小児介護に人気の「2列目乗車タイプ」を設定している。 マイナーチェンジで「歩行者事故低減ステアリング機能」が加わったことで、安全運転支援システムの「ホンダセンシング」が大きくレベルアップした。福祉車両を含めた全グレードに標準装備されることになったのも見逃せない。まさにホンダ福祉車両のベストコンフォートといえる快適さが印象に残るモデルだ。また、今回の「2列目乗車タイプ」の大きな特徴のひとつに、介助者と車いすが横並びで乗れることが挙げられる(左上写真参照)。介助者、車いすの乗員どちらも、安心かつリラックスした移動ができるだろう。 価格 Gホンダセンシング 車いす仕様車 FF... ...
On 2019年8月9日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan ハンドリムをこぐ力をモーターがアシストすることで、移動の可能性を広げてくれるのが、ヤマハ 電動アシスト車いす「JWスウィング」、そして車いす用電動アシストユニット「JWX-2」だ。 ヤマハといえば、電動アシスト自転車PASでお馴染み。ギヤ付き自転車でも躊躇するような坂道をスイスイと登る姿を見たことがあるだろう。この電動アシスト車いすにも、PASで培った技術を投入することで、スムーズなこぎ出しや上り坂、下り坂での適切な制御を実現。こぐ力が弱い人でも、自分の力で気軽に移動できると高評価を集めている。2017年9月には現在発売されている改良モデルを発表。従来の利用者の声を反映させて開発した走行制御システム「JW Smart Core」を搭載した。これにより、利用者の身体に合わせてアシストする力を調整する「アシスト距離制御」や傾斜した道でも真っ直ぐに走れる「片流れ制御」が追加され、より幅広い人々が安全かつ快適に使えるように進化している。 今回の展示では、「JW Smart Core」の制御を実際に体験できる試乗コーナーも用意されていた。とくに印象的だったのが「片流れ制御」の体験。平地と同じような感覚でこいでいるのに真っ直ぐ進むのは心身ともに負担が少ない。 「JWスウィング」は、ヤマハが独自開発したフレームに「車いす用電動アシストユニット「JWX-2」を搭載したモデル。スポーティタイヤやホイールキャップなどのオプションパーツも用意されている。 ユーザーからの声を反映し、バッテリーは専用のバッグに収納。1充電あたりニッケル水素バッテリーで20km、リチウムイオンバッテリーで40km走行可能。 モーターアシストの大小を切り替えるスイッチ。専用ソフトを用いることで、身体の具合や環境に合わせたアシストの調整が可能。たとえばひとこぎあたりのアシスト距離や、左右バランスも細かく設定できる。また、介助者に押してもらう場合などは、ボタンひとつで手動への切り替えられる。 クルマへの積載性を考えて駆動輪を着脱タイプになっている。なお、「JWスウィング」そのものも折り畳むことで幅は33cmまで小さくなる。 ヤマハ公式ページ ...
On 2019年5月17日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan スロープ対荷重300kg。アビリティーズが2019年春に輸入販売を開始した「フォルクスワーゲン キャディ マキシ Fスタイル3(600万円〜)」のスペックに、「待ってました!」と快哉を叫ぶユーザーも多いのではないだろうか。 福祉用具の活用による障がい者の自立支援や安全・安心な介護の実現を目指すアビリティーズが、なぜ福祉車両を輸入・販売することになったのか。自動車を輸入し、販売するには障壁が多く、キャディの販売開始までには非常に多くの時間と労力が必要だったという。それでもなお、自社での輸入販売にこだわったのには理由がある。自家用車として愛用できるスタイル、安全性、品質、そして福祉車両としての機能を備えたクルマが日本国内には無いと考えたからだ。 彼らが注目したのは、「対荷重300kg」、「床面収納可能」、「故障リスクの少ない手動式」をクリアするイタリア フォカッチャグループの「ジニアスランプ」。これが取り付け可能で、なおかつ日本国内での使用を考えて総合的に選んだのが、「フォルクスワーゲン キャディ マキシ」だったという。フォカッチャグループは警察車両なども手がけるイタリア最大手の架装メーカーで、車両そのものの完成度はもちろん、車いす固定金具なども世界基準の安全性を満たしていることも選定の理由となった。 近年では、ペルモビール社の電動車いすに代表される高機能な電動車いすが登場して、ユーザーの活動範囲を広げている。だが、そうした高機能電動車いすは重量が重く、日本の福祉車両には搭載することができなかった。乗用車ベースの福祉車両では、スロープの耐荷重が200kgまでというものがほとんどだからだ。 床面が傾斜していて、横幅にも余裕があるため、大型の電動車いすであってもゆとりがある。また、スロープは車いす利用者が乗車しているときにも半分に折って立てかけることも。そのため、ドライバーにとっても後方視界がよく、運転しやすい。「ジニアスランプ」は床面に完全に収納することも可能で、一般的なミニバンとしても活用できる。 車いす乗車時にも2列目シートがそのまま利用可能。車いす利用者を含め、最大で6名が乗車できる。また、2列目シート(取り外し可能)を折りたためば、車いす乗車スペースはさらに広がる。 ベースとなっている「フォクルスワーゲン キャディ マキシ」自体の性能も魅力的だ。全長4878mmというボディサイズで両側スライドドアを採用。エンジンは経済的な2Lディーゼルターボでトランスミッションは6速DSG。インテリアの質感も高く、日本でも運転しやすい右ハンドル仕様となっている。 アビリティーズ公式ページ ...
On 2019年5月14日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.