盲導犬を連れている方に、「お手伝いしたい」、「声をかけたい」と思っても、「どのように声をかけたらいいか」、「歩行の邪魔や失礼になるのではないか」などと多くのひとが躊躇してしまうことだろう。ところが、周囲にいるひとからの「声かけ」は、盲導犬ユーザーにときに大きく役立ったり、重大な危険からその身を守ることができるのをご存知だろうか。
2016年夏、東京の地下鉄駅ホームで起きた、盲導犬ユーザーの転落事故という痛ましい悲劇によって、周囲からの声かけをもっと自然に行えることを目指すプロジェクトが立ち上げられた。一般社団法人 盲導犬総合支援センターによる「盲導犬応援プロジェクト」は、その第一弾として、盲導犬ユーザーに「『お手伝いしましょうか』の声かけをお願いします」と書かれたバッジを盲導犬ユーザーにプレゼントする運動を展開している。
このバッジを盲導犬ユーザーが身に付けることで、「困っている時にはお手伝いの声かけを希望する」という意思表示を周囲へ伝えることができるもので、周囲のひとたちにとって、お手伝いの声かけをしやすくする効果が期待されている。
1口1000円のこの応援プロジェクトは、参加すると、盲導犬サポーターをアピールできるミニ缶バッジが1口につき1個プレゼントされる。そして、盲導犬ユーザーには、声かけをお願いする缶バッジがプレゼントされる。また、どのような時にどのようなお手伝いが必要なのか、が具体的に示されたミニパンフレットが、ホームページ(下記リンク)からダウンロードできるので、ぜひ見てもらいたい。
もちろん全盲の方、弱視の方など、見え方によって、お手伝いしてもらいたい場面や内容は異なるが、このプロジェクトは、「声をかけてほしい」という思いを周囲に伝える方法があれば、盲導犬ユーザーはより安心して外出することができるはず、という思いから誕生したという。
盲導犬総合支援センターでは、すでに780口以上の申し込みがあり、盲導犬ユーザーにプレゼントする缶バッジ600個の制作が決定したことを明らかにしている。
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