株式会社ブリヂストンは2018年4月18日、サポート選手であるパラトライアスロンの秦 由加子(はた ゆかこ)選手に、新開発の義足用ゴムソールを提供すると発表した。ソールは、トライアスロンの長距離走で義足に装着されるもので、秦選手の意向に添い「高いグリップ性能と耐久性能」が追及されている。ブリヂストンは、これまで培ってきたタイヤ開発技術を応用し、新しいゴム素材、パターンの開発に成功した。
同社は2017年、秦選手の要望に応え、グリップ性能を重視したゴムを開発して提供すると、シーズンを通して「滑らない、安心して走れる」といった高い評価を得た。そして、2018年はさらに練習量が増えることを考慮し、「グリップ性能はそのままに、摩耗耐久性の高いソール」という新たな要望を受けていた。新たに開発を進めるにあたり、実際に秦選手のソールが地面に接してから離れるまでの接地面にかかる力や挙動の詳細な計測・分析を行い、踏み込みから蹴り出しまでの接地圧分布を可視化。彼女の走りの特性に応じた最適な材料の配合設計やパターンデザインに結びつけたという。
秦選手はこのゴムソールを、これからスタートする世界パラトライアスロンシリーズから使用する。ブリヂストンでは、日本代表として出場する秦選手が、2020年の東京大会でも活躍できるよう支援していく意向だ。
1981年、千葉県に生まれた秦 由加子選手は、13歳で骨肉腫が発症し、右足の大腿部切断を余儀なくされ、3歳から習っていた水泳などスポーツから遠ざかっていた。2008年に水泳を再開。2012年にトライアスロンに転向すると、2017年にASTCアジアパラトライアスロン選手権PT2、ITUパラトライアスロンワールドカップPTS2で優勝、2018年もITUパラトライアスロンワールドカップPTS2で優勝するなど、トップパラアスリートとなっている。
国際オリンピック委員会(IOC)のワールドワイドオリンピックパートナー、東京2020パラリンピックゴールドパートナーであるブリヂストンは、「CHASE YOUR DREAM」というグローバルメッセージをテーマとして、2017年6月、「Team Bridgestone Japan(チームブリヂストン)」という名のもとに、アスリートのサポートをスタートさせている。現在、全世界で100名以上のアスリートを支援している。
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