成田国際空港(千葉県成田市)は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催を控え、およそ50億円をかけて2020年3月まで(第2ターミナルは2018年9月末まで)に、空港内にあるすべてのトイレにユニバーサルデザインを導入することを明らかにしていたが、このほど第2旅客ターミナルの到着ロビーなどにある2カ所のトイレがすでに改修を終え、8月上旬から一般利用がスタートした。
3つの旅客ターミナルにある147カ所のトイレすべてが、「火災発生などを知らせる音声案内、聴覚障害者のための光警報設備(フラッシュライト)、L型手すり」などを備えている。また、人工肛門や人工膀胱を保有される方(オストメイト)用の流しやおむつの交換台も一般ブースに設けるなど、多機能トイレの混雑解消も図られている。
空港内すべてのトイレが、使いやすく生まれ変わる。空の旅、空港への送り迎えが、今後大幅に快適なものとなるだろう。
利用者が多い場所にある11カ所のトイレについては、とくに「デザイントイレ」として整備される。全個室のスペースはこれまでの1.5倍に拡大され、車いす利用の方に対応した多機能トイレも複数備える。さらに、大きな荷物を持ち込むことができる広めのブースや大きな鏡が設置されたパウダースペースなど、さまざまな利用者の利便性と快適性が追求された最先端のトイレとなる。
お年寄りや身体の不自由な方が出かける際、事前に確認しておくスポットの筆頭に挙げられるのが「トイレ」。介護、介助の方も含めて、目的地や乗り換えなどの中継地のトイレ事情がよいと、外出の不安がなくなるというひとも少なくないだろう。
男性用トイレもゆとりあるスペースで、移動のしやすさが改善される。壁や天井などの内装もリニューアルされ、全面改装となった。
第2ターミナル到着ロビーにある「デザイントイレ」の様子。トイレ内での理想的な移動を考えたレイアウトとなっている。多機能トイレの混雑解消を目指して、オストメイト用の流しやおむつの交換台などを分散配置している。
成田空港では今回、各種ガイドラインに則って、ユニバーサルデザインを導入したとしているが、今後国内のさまざまな施設の参考になりそうだ。
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