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【国際福祉機器展 H.C.R.2017】いまさら聞けない!? ホンダの「テックマチックシステム」と「フランツシステム」

By wpmaster · On 2017年10月14日

文と写真●Believe Japan

 今年で44回目を迎えた国際福祉機器展。ここでは会場で目にして、気になった福祉車両などを紹介していきたい。

 まずは、ホンダの「テックマチックシステム」と「フランツシステム」。「名前は聞いたことがある」、「福祉機器展のホンダブースで見かけたことがある」という方も少なくないと思うが、これは、足が不自由な方、半身が不自由な方、両手が不自由な方が、「自分でクルマを運転できる」ようにする運転補助装置だ。現在ではコンパクトモデルの「フィット(FIT)」に搭載が可能となっている。システムは発注時に販売店のスタッフと相談し、細かにカスタマイズしながら自分の身体の状態に適したパーツを選んで組み込むことができる。

 「テックマチックシステム」は、足が不自由な方、または半身が不自由な方が運転できる補助装置。 「フランツシステム」は両手が不自由な方に、足のみの運転を可能にする補助装置である。

 

テックマチックシステム

 まずは、「テックマチックシステム」。ホンダによる独自開発となるが、ならではの美点は、車両への最適化がされているところだろう。たとえば、ステアリング左下の部品の取りまわしが、ワイヤーをうまく使っていて運転席スペースへの張り出しが最小化されている。通常、補助装置は左足横のスペースにコントロール用のバー等があって、どうしても左足に部品が触ってしまうことが多いのだが、テックマチックではその部分の張り出しがほかのものと比べて非常に少なく、違和感が少ない。

 

 アクセルとブレーキを操作するコントロールグリップ(レバー)は、全体が前後するタイプではなく手首でレバー部分だけを前後させるタイプで、軽くスムーズな操作感覚を実現している。前方へ押すとブレーキが、手前に引くとアクセルが作動する。ウインカーも付く。

 

 「ハンドル旋回ノブ」と呼ばれるステアリング補助用のノブは、ノブにホーンボタンがついているタイプとついてないタイプから選べる。取り付ける位置は自分で選ぶことができる。好みにもよるが、普通よく見かけるステアリングの上方に装着するより、足に近い下方の位置に取り付けた方が腕の疲れは少ないというユーザーからの意見が多い。たしかに運転中はステアリングに手を添えるため、腕を上げっぱなしでいるよりも、足の上に腕を置いて運転するスタイルのほうが腕の疲れは軽減されるはずだ。旋回ノブのある位置がステアリング操作を回転させる起点になるので、ノブはどこの位置についていても操作ができることには変わりがない。操作系の部品の自分の快適な位置は、発注時に相談して最適なセッティングをみつけることができる。

 また、半身が麻痺している方には、右手右足または左手左足だけで動かすシステムを組み込むことも可能だ。ウインカーの操作が片手で行えるようレバーが付いている。また、ウインカーのオートキャンセル機構もそのまま機能する。

 

 アクセルとブレーキ操作は片方の足で行う。この写真ではいちばん左のペダルが、アクセルペダルとなる。このようにカスタマイズできる範囲の広さが、テックマチックシステムの柔軟さである。

 

 フィット、フィット ハイブリッドで、「テックマチックシステム」と「フランツシステム」を選ぶことができる。

 

 補助装置の立て付けのよさとスムーズな操作感が、快適なドライブをイメージさせてくれる。

 

フランツシステム

 続いてフランツシステム。両手に障害を持っている方が、両足だけで自動車を運転できるようにするシステムだ。右足でアクセルとブレーキを、左足でステアリング操作を行う。国内唯一の足動運転補助装置である。ステアリング操作を左足で行うというシステムは大掛かりな装置となり、後付けのパーツでは実現がなかなか難しい。まさに自動車メーカーでなければ実現が難しいシステムだ。

 

 ステアリングペダルは、左足を自転車のペダルを前に漕ぐように動かすとステアリングが右回転、後ろに漕ぐように動かすと左回転をする。実際には、ユーザーの靴がペダルに装着される。

 今日、福祉車両のほとんどは介助する方が運転する、いわゆる「乗せてもらう」タイプだが、ホンダの福祉車両は「自走式」のシステムからはじまった。かつて障害を持ったひとりの女性ユーザーの声をメーカーとして真摯に受けとめて開発をスタートした歴史がある。「フランツシステム」は、もともと30年以上前に、ドイツのフランツ博士が提供してくれたシステムをホンダが改良して現在の姿に仕上げてきた。長い年月に渡って運転補助装置を提供するホンダの福祉車両には、四肢が不自由な方へもどうにか「運転する楽しみ」を持ってもらいという気持ちが込められているのだ。

 自ら運転して、「行きたいところに、行きたいときに行ける自由」をもたらしてくれる「テックマチックシステム」と「フランツシステム」については、今後さらに詳しくご紹介していく予定だ。

 

 

【テックマチックシステムの価格】 

ハンドル旋回ノブ      1万3500円〜1万6200円
左足用アクセルペダル    7万200円
手動運転補助装置      27万円
左手用ウインカーレバー   1万260円
右手用ワイパーレバー    1万5120円

※部品ごとの目安で、取り付け費用を含まない価格(消費税込み)です。フランツシステムの価格は未定。

ホンダ手動運転福祉車両
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