Believe – ビリーヴ ジャパン
  • HOME
  • 福祉車両検索
    • 福祉車両の種類
    • 検索する
  • NEWS
  • 編集記事
  • Believer
  • コラム
  • WORLD
  • 動画
  • Believeとは
H.C.R. 2025 レポート, 編集記事 0

【H.C.R.2025 国際福祉機器展】走行用ベルトで段差も怖くない! XSTO(エクスト)が示す全地形対応の電動車いす

By wpmaster · On 2025年12月12日

文と写真●Believe Japan

2025/12/12(金)配信

日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今回も行ってきました! ここでは次世代パーソナルモビリティの開発を手がけるXSTO(エクスト)が展示した注目の車いすをレポートします。


段差も坂道も苦にしないハイレベルな走破性

 電動車いすにとって最大の障壁となるのは、やはり階段である。近年ではバリアフリー化が進み、駅や施設ではスロープの設置も一般的になってきた。しかし、依然として屋内外ともに階段でしかアクセスできない場所が存在するのが現実だ。これまでもさまざまな電動車いすが階段へのアクセス能力や走行性能の優秀さをアピールしてきたが、ここで紹介する中国メーカー XSTO(エクスト)が展示した最新モデル「X12」は、こうした課題に対して非常に説得力のある解決策を示している。

 会場で多くの来場者の目を釘付けにしたのが、X12の大きな特徴である「走行用ゴムベルト」が発揮する段差昇降のパフォーマンスだ。これまで車輪が段差に引っかかりながら昇降するタイプと比べ、途切れることなくベルトが密着して動作するため、より安定感がある印象だ。見た目は一般的な電動車いすのようだが、全地形対応モビリティとされるその走行性能は驚きのレベルである。段差や階段、坂道、砂利道、芝生など、従来では障害となっていたあらゆる地形を難なく走破していく。また、座席が常に水平を保つので利用者の安心感も大きい。

 X12は地形に応じた自動切り替え機能を備えており、ユーザーはほとんど意識することなく最適な走行モードで移動できる。舗装路や平地では四輪駆動モードで快適に移動できる一方、砂利道や芝生、坂道などの不整地では走行用ゴムベルトモードに切り替わり、沈み込みや滑りを抑えて安定した走行を実現する。また、階段や段差に差し掛かると自動的に登坂・障害物モードに切り替わり、底盤角度や駆動力を調整しながら座席を水平に保つため、乗車者は安全かつ快適に移動できる。走行用ゴムベルトと四輪四足を組み合わせることで、柔軟性と安定性を両立しているのである。

 また、X12の座席には360°セルフバランスダイナミックシートが採用されており、坂道や段差、階段の上り下りの際も自動で水平を維持する。座席は前後に±15°、左右に±8°の範囲で傾きを補正するため、乗降や方向転換も容易で、常に自然な視界を確保しながら移動できるのが大きな特徴だ。

 そして操作は、ジョイスティックや専用アプリ、リモコン、ワイヤレスキー、さらには自動追従モードなど、多彩な方法で行える。さらに障害物検知や自動ブレーキ、後方転倒防止機構が搭載されており、傾斜や段差に応じて自動的に駆動力を調整するため、利用者は安心して移動できる。

 担当者によると、X12は2025年の年末頃には日本国内での発売が予定されているとのこと。電動強国・中国の最新の電動車いすとして、その革新性は大きな注目を集めるだろう。

主要スペック
最高速度:12km/h
航続距離:最大35km
本体重量:約100kg
最大搭乗者荷重:136kg
登坂能力:最大40°
段差乗り越え:前方150mm/後方220mm
階段昇降速度:上り30段/分・下り35段/分
操作方式:ジョイスティック、アプリ、リモコン、ワイヤレスキー、自動追従
走行モード:履帯/四輪/登坂・障害物自動適応
座席:360°セルフバランスダイナミックシート

 

もう1台の注目モデル

 今回、XSTOのX12は総合福祉機器メーカー IMASEN(今仙技術研究所)のブースに展示されていたが、そこにはセルフバランスパワー車いすで、同じくXSTOの「EMC-MR4/M4」も展示されていた。こちらは電動リフト・ティルト機能を搭載しており、座ったまま高い位置の物に手が届き、長時間でも快適な姿勢を保持できる車いすとして人気の高いモデルである。段差乗り越え性能は約50mmで、舗装路から小さな段差まで安定して移動できるため、屋内外の使用に幅広く対応する。本体はコンパクト設計でボディは3分割できる構造で、車両への積み込みや持ち運びを容易にしてくれる。バッテリーも着脱式で、充電や交換が簡単に行え、航続距離は最大15kmと長時間の使用にも対応可能である。

 EMC-MR4/M4の製品価格は79万円(非課税)となっているが、介護保険のレンタルによって月4000円ほどで利用するのが一般的とのこと。一方、X12のほうはスタッフによると100万~150万円の間になるとのことで、レンタルは月々1万~1万5000 円程度になるのではないかとの話であった。パフォーマンスを考えると、コスト面でも十分現実的といえるだろう。

 広東省に本社を持つXSTOは2014年に設立され、全地形対応型移動ロボットに強みを持ち、世界70カ国以上の国と地域でサービスを提供している。技術力と影響力を発揮し、インテリジェントモバイルコミュニティのグローバルリーダーを目指している。

 IMASEN(今仙技術研究所)は1971年に今仙電機製作所の医療器具部として発足し、日本初となる電動車いすを販売したことをきっかけに、今日まで半世紀にわたって電動車いすや義足、歩行支援機の研究開発・製造販売を行っている。

H.C.R.2025国際福祉機器展車いす
Share Tweet

wpmaster

You Might Also Like

  • H.C.R. 2025 レポート

    【H.C.R. 2025 国際福祉機器展】施設送迎を強力にサポートするリフト仕様車 日産セレナ チェアキャブ リフタータイプ

  • H.C.R. 2025 レポート

    【H.C.R. 2025 国際福祉機器展】介護の現場にJATCOが提案する、移乗機構付き車いす「Lifmy(リフミィ)」

  • 編集記事

    安心かつ便利なモビリティ社会を目指す「車椅子簡易固定標準化コンソーシアム」、秋の中間報告

No Comments

Leave a reply Cancel reply

お勧め記事

  • 未来を感じさせるコンセプトモビリティ【SUZUKI GO!(コンセプトモデル)】竹岡 圭のビリーヴカー インプレッション

    2024年7月9日
  • 行動範囲が広がる!楽しい毎日が送れる!【WHILL Model C2 / F / S 2023】竹岡 圭のビリーヴカー インプレッション

    2023年6月9日
  • 思いどおりに動かせる【マツダ MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle 2022】石井昌道のビリーヴカー インプレッション

    2022年4月19日
  • 移動する喜び、自由が味わえるクルマ【ホンダ フィット/Honda・フランツシステム 足動運転補助装置 2022】 石井昌道のビリーヴカー インプレッション

    2022年4月18日
  • 福祉車両のレンタカーは、思いのほか便利だった!

    2021年7月8日

カテゴリー別

  • Believer
  • Believer-English
  • H.C.R. 2023 レポート
  • H.C.R. 2025 レポート
  • Medtrade Spring 2018
  • REHACARE 2018
  • REHACARE 2019
  • REHACARE 2023
  • REHACARE 2025
  • Skypeインタビュー
  • お勧め記事
  • コラム
  • ニュース
  • バリアフリー2019
  • バリアフリー2025
  • ワールド
  • 動画
  • 東京モーターショー2017
  • 竹岡 圭のビリーヴカー インプレッション トヨタ ウェルキャブ特集
  • 編集記事
  • Believeについて
  • Contact Us
  • コラム
  • サンプルページ
  • 福祉車両の種類

© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.