ブリヂストンは高齢者に向けた画期的な「歩行トレーニング装置」を東京医科歯科大学と共同で開発し、2018年から実用化に向けた実証試験を開始すると発表した。
この装置は、体に装着した「空気圧式ゴム人工筋肉」が歩行動作をアシストするというもので、高齢者の健康増進、体力向上を目的としたトレーニングに有効とされている。
アシスト量が大きく、状況に応じて柔らかく動かすこともできる「人工筋肉」は、東京工業大学とブリヂストンが共同で開発したもので、それに東京医科歯科大学生体材料工学研究所の川嶋健嗣教授が開発した「システム制御技術」が組み合わされる。積極的な産学協同の研究が成果を出したものとしても注目に値する。
この歩行トレーニング装置に使われるのは、空気圧式ゴムによる人工筋肉で「マッキベン型」と呼ばれ、ゴムチューブとその周囲の繊維を筒状に組み上げた補強層から構成される。ゴムチューブの中の空気を加減圧することによって伸縮し、ヒトの筋肉のような動きを可能にするもので、ブリヂストンが長年タイヤやホースの開発で培ってきたゴムや補強繊維の技術が応用されている。人工筋肉は油圧で動作し、従来の電気モーターなどと比べて、5~10倍の「パワー/自重比」を誇る。
また、耐久性が高いゴムは耐衝撃性と耐振動性にも優れ、なめらかな動きを実現する。コンパクトで省エネという長所も持ち合わせ、ユーザーの体への負担も小さく、快適性の高いトレーニング装置をつくることができるという。
人工筋肉は人間の筋肉のように、大きな力が出せ、かつ作業に応じて柔軟に動くことができる。
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