文と写真●Believe Japan 協力●MEGA WEB、トヨタハートフルプラザ東京
近年、数多くのモデルに設定される福祉車両は、高齢の方、歩行が困難な方の移動を快適にするべく、目覚ましい進化を続けている。そこで、福祉車両をタイプ別に分けて、その機能を解説しよう。
こんな方に:
常時車いすを使用する方、クルマのシートへの移乗が困難な方に適しているのが、車いすに座ったままで乗車できる「車いす仕様車(スロープ車)」。近年は急速に軽自動車のワンボックスモデルにもスロープ車が設定されるようになった。車いすのほか、ストレッチャー(寝台)で乗車できるタイプもある。
特徴:
スロープ車は、電動ウインチで車いすを引っ張るタイプが主流で、ウインチの機械部分を小型化することによって室内環境の改善や、スロープの軽量化、傾斜角度の減少などの改良も積極的に行われている。このタイプはミニバンが多く、広い室内スペースによって、高い機能性と快適性を備えるモデルが多いのも特徴。また、最近では車いすを利用しないときに、ベース車とほぼ同じシートレイアウトが可能なタイプも増え、購入のハードルが大幅に下がっている。
購入の際の注意点:
駐車場や自宅の出入り口にスロープを展開する十分なスペースはあるか、実際に介助者が使用できるかなどを確認しておきたい。
まず、スロープを展開し、電動ウインチのフックを車いすにかけて、スロープを登っていく。乗車位置に到達したら車いすを固定する。
※この車両は、トヨタ エスクァイア 車いす仕様車(スロープ)タイプ Iです。
※写真の男性モデルの身長は180cmです。
助手席のすぐ後ろ(2列目)に車いす乗車できるタイプ(写真左)は、ドライバーとのコミュニケーションが取りやすく、介護もしやすい。スタンダードな最後列中央へ乗車するタイプ(写真右)とのどちらも選べ、また同時に2台の車いすで乗車できるモデルもある。
ウインチベルトの調整を行うスイッチ。引き出すとき、収納するときにはベルトをリリースし、乗車時にはロックする(写真上)。エアサスペンションで車高を下げ、スロープの角度を緩やかにして乗り降りをラクにするモデルもある(写真下)。
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