ドライバーをサポートして安全な走行を行う運転サポート技術が、乗用車だけでなく産業分野にも活用され始めている。日産は、完成した車両を埠頭まで無人牽引車で搬送するシステム「インテリジェント ビークル トーイング(Intelligent Vehicle Towing)」を追浜(おっぱま)工場に導入したことを明らかにした。
自動運転機能を備えた電気自動車「日産リーフ」が、一度に最大3台の完成車を「無人」で搬送する。従来からの無人搬送台車は、磁気テープやレールを辿って走行していたが、今回のシステムは、こうしたインフラを敷設する必要がないため、生産工程や物流動線の変更に柔軟に対応しながら、経路を設定する事が可能だという。
この牽引車のリーフには、複数のカメラとレーザースキャナーが搭載され、白線や路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせて、目的地までのルートを自動走行する。先行車両や人などに接近した場合には、自動で停止し、一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進する。位置、車速、作動状況、バッテリーの残量などは、管制センターでモニタリングすることができるとのことだ。
これまで完成車両は、組立工場から専用埠頭まで専門のドライバーが1台ずつ運転して搬送していたが、この「無人搬送」は、少子高齢化が進む日本における労働人口減少の対策のひとつとされている。1年前から行われ、これまですでに1600回もの走行を実施しているという。そして、この間に得られたデータに基づいて、無人走行によるあらゆるリスクに対応できる安全機能やフューエルセーフ機能、天候といった環境の変化の中でも安定して走行できることを証明してきたという。今後、追浜工場ではさらに技術検証を重ね、将来的には国内外の他工場へも導入も検討していく予定だ。
参照元:日産自動車ニュースルーム
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