文と写真●Believe Japan
軽自動車最大級の後席スペースと荷室の広さ、そして小型車をも凌駕するほどの作り込みで日本でもっとも販売台数の多い軽自動車に成長したホンダ「N-BOX」。その福祉車両である「N-BOX スロープ仕様」も、2018年度で5645台を販売する大ヒットモデルとなった。その理由は、ベース車の魅力に加えて、ユーザーの声を反映して考え抜かれた、使い勝手のよさと快適性の高さにある。
多くのユーザーから支持を集めているホンダの「N-BOX スロープ仕様車(157万5640円〜188万8840円)」。
たとえばテールゲート。福祉車両であっても、できるだけ違和感のない自然なデザインにしてほしいという要望を受けて、新型N-BOX スロープ仕様ではテールゲートを専用に設計した。
リヤシートを床に収納することで、車いす乗車モードでも足元の空間は広々。収納の際にリヤシートのヘッドレストを外す必要がないのも嬉しい。リヤシート背後のパネルを収納するためのポケットも前席のシート背面に用意されている。身体を支えるための手すりも使い勝手にこだわった。
ウインチを小型化して前席シート下に収めるなど、空間効率を高める工夫が随所に見える。
4人乗車モードでは通常のクルマと同じように人と荷物を乗せることができる。
スロープが荷室の床になる設計で、広さも十分。スロープの下も収納スペースとして活用できるため、靴や傘などをしまうのに便利。
また、「ステップワゴン 車いす仕様車(310万8000円〜324万5000円)」も、「このクルマでなければ」という声の上がるモデル。車いすの乗車位置を3タイプから選べるのが特徴。車いす1台を含めて最大7名が乗車できるタイプでも、車いすを乗車する位置を2列目または3列目から選べるなど、利用者の生活や使い勝手に応じた仕様を選べるようになっている。
ストレッチャーやリクライニングした状態での移動が必要な方にとっても、「ステップワゴン 車いす仕様車」はぴったりの選択肢。2列目と3列目のスペースが活用できるからだ。また、2列目、3列目それぞれに車いすを使用することも可能。
フロアを福祉車両専用設計とすることで、介助者が使いやすいフラットな床面を実現。車いすでの見晴らしもよく、快適な空間に仕上げた。
乗り降りの際に少しでも頭上のスペースを稼ぐために、天井も特別仕様になっている。
床はフローリング仕上げとなっている。清潔感があり、手入れもしやすそうだ。
こちらは、2019年4月に発表されたばかりのレース用車いすの最新モデル「翔」。ホンダは1981年に、障がいのある方たちへの社会的自立の促進を理念とした「ホンダ太陽」を設立。1999年には、車いす陸上競技活動を会社の公式活動として支援する「ホンダアスリートクラブ」が立ち上がり、世界に挑戦するアスリートを支援してきた。ものづくりの面においても、2013年から、ホンダ太陽、本田技術研究所、八千代工業の3社による共同プロジェクトとして車いすレーサーを開発してきた。
超軽量かつ高剛性のカーボンホイールやステアリング周辺のパーツをフレーム内にビルトインするなど、先進的な設計を採用。世界のトップ選手もこのレーサーを使用しており、東京パラリンピックでも活躍が期待される。
「ステップワゴン SPADA サイドリフトアップシート車(297万9000円〜311万1000円)」は、スライドドアの利点を生かして2列目にリフトアップシートを設定。7人乗りで車内での移動もしやすい。
コンパクトなボディで運転しやすいフリードも福祉車両として人気。「フリード 助手席リフトアップシート車(240万円)」は、車いす利用者だけでなく、多くの人にとって使いやすいクルマだ。
※文中の車両価格は消費税非課税。
No Comments