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新型タントに見るダイハツの新しいモノづくりとは?

By wpmaster · On 2019年9月16日

文と写真●Believe Japan

 1995年から軽福祉車両をラインアップし、1999年にはインライン生産化。現在では軽福祉車両を6車種(車いす移動車、昇降シート車)展開するダイハツ。今回DNGA第一弾としてフルモデルチェンジしたタントは、標準モデルの魅力を大幅にアップしていることはもちろん、新たな試みとして、標準モデルと福祉車両の間にある「福祉車両は必要ないけれど、高齢者の乗り降りなどで、もう少し便利なクルマがあれば」という需要に注目。すでに超高齢化している日本の現状への回答となる仕様を送り出してきた。

 おもしろいのは、この「標準車と福祉車両の垣根をなくす」というコンセプトを実現するにあたり、徹底した「介護予防」を観点にしているところ。従来の福祉車両が比較的介護レベルの高い要介護のユーザーが中心だったことに対し、新たに、フレイル高齢者(加齢とともに運動機能や認知機能が低下してきた状態。要介護にいたる前の状態)、要支援者、軽介護度のユーザーに便利に使ってもらえるような仕様を目指している。これを実現するにあたり、2017年から産学共同研究を実施。理学療法士や大学教授に加え、実際に多くの高齢者の方の協力を得て、下に紹介する仕様のモデルが誕生した。

 

【ミラクルオートステップ】

 助手席と後席両方の乗降性を向上する「ミラクルオートステップ」は、ステップ耐荷重100kgのロングタイプ。ステップ非装着車に比べ股関節の屈曲角度が小さくすみ、高齢の方はもちろん、小さな子供にも便利。ミラクルオープンドアとの組み合わせは、乗降時の負担の少なさでは最高レベルと言える。

 

【ラクスマグリップ(助手席・運転席/助手席シートバック)】

 たかがグリップと侮るなかれ。一度この装備に慣れてしまうと、手放せなくなりそうなのが「ラクスマグリップ」。位置と形状にとことんこだわったというこのグリップは、手を伸ばしたところに自然にある感じで非常に使い勝手がいい。握りやすく滑りにくいといったグリップ形状にもしっかり気が使われている。こちらは乗降時に加え、シートの移動(後席の左シートから右シートへ)にも便利だ。

 

【ウェルカムターンシート】

 助手席ターンシートは、一人での乗り降りをサポート。シートを30度に回転させると、ラクスマグリップ(助手席)を正面でつかむことができ、足腰に不安がある方でも安心して乗り降りができる。

 

【パワークレーン】

 ワンモーションで車いすをラゲッジスペースに収納できるパワークレーン。こちらはクレーン本体が天井部分に装着されるため、ラゲッジの床面部分は標準車と同じように使え、後方視界も妨げない優れもの。当然、クレーン装着部分はボディの剛性も高くなければならず、車両設計の段階からメニューに組み込まれたものだ。また、このクレーンはタント専用のものとなる。

 

【スローパー】

 車いすをそのまま載せられるスローパーも、今回大きく進化している。まずは新開発となるリトラクタブルスロープ。新たにワンタッチでスロープの前傾が可能となり、車いす乗車がない場合はフラットなラゲッジスペースとして活用できることになった。また、車いす乗車スペース幅も20mm拡大し、車いす固定ベルトも操作が少なくてすむように改良が施されている。さらにリヤバンパー部分にはプロテクターモールを装着。こちらはスロープを展開するときにつく傷を防止するもので、万が一傷がついてしまっても、安く交換できる部品となっている。

 

【ウェルカムシートリフト】(昇降シート車)

 こちらも、助手席シート回転時の足元スペースを45mm拡大しつつ、車外への突出量も230mm低減することで介助スペースも拡大。シート座面形状もフラット化されたうえ、より低い位置までシートが下降(2WD)するため、車いすからの移乗がよりしやすくなっている。

 

 今回お話を伺った、国内営業本部 法人事業部 商品室 営業G グループリーダー 車両開発本部 製品企画部 兼務 課長 大和誠歩氏(写真右)。車両開発本部 製品企画部 第4企画グループ特車チーム CE 兼務 国内営業本部 CSR室 法人事業部 商品室 主査 太田吉彦氏(写真左)。

 新型タントはDNGAによりプラットフォームから生まれ変わっており、走りもかなりのレベルが向上しているが、福祉車両(フレンドシップシリーズ)も大幅に進化した。産学共同研究はもちろん、ユーザーからの声をひとつひとつ丁寧に聞き込み、よりよいものに改善していくダイハツの誠意を垣間見た取材となった。

ダイハツ福祉車両車いす
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