文と写真●Believe Japan
2021/2/12(金)配信
ホンダの上級ミニバン「オデッセイ」が、昨年末に大幅マイナーチェンジを実施。それにともない、車いす利用の方や足腰の弱い高齢の方に便利な「サイドリフトアップシート車」と「助手席リフトアップシート車」も新しくなった。
新型オデッセイが目指したのは、『さらなる上質さと心地よさの向上』。厚みのあるフロントマスクの採用で外観はグッと迫力を増したが、むしろ注目すべきは、既存ユーザーから徹底的にヒアリングを行い見直したという、その中身だろう。
たとえば、インテリアではインパネまわりが全面的に変更され、ナビゲーションパネルの大型化(10インチ)やコンビメーターの形状変更、手の触れやすい位置へのソフトパッドの配置、収納式ドリンクホルダーの追加、インパネアッパーボックスをリッド付きにするなど、ユーザー目線で変更されている。
また、静粛性を高めるべくフロントドアガラス/スライドドアガラスの遮音化、テールゲートガラスの板厚アップに加え、ノイズリデューシングホイールも採用するという徹底ぶり。安全運転支援システム「ホンダセンシング」では、後方誤発進抑制機能が新たに加わった。
オデッセイの回転シート車には、「サイドリフトアップシート車」と「助手席リフトアップシート車」があるが、これは車いす利用の方(もしくは足腰の弱い高齢の方)がどちらに座って移動したいかで決まることが多いという。つまり、家族内で相談しましょうというわけだ。ユーザー目線で言えば、選べるところがありがたい。
今回試乗したのは、新たにアブソルートに設定され、2.4Lガソリンエンジンを搭載した「サイドリフトアップシート車」。市街地、高速道に加え、ちょっとした山道でも試したが、全行程でドライバー、2列目シートとも落ち着いて乗れる1台に仕上がっていた。この「落ち着いて乗れる」ことは、通常のクルマに加えてビリーヴカー(福祉車両)にとっても非常に重要なチェック項目。リラックスできる環境であれば、おのずと笑顔も増えるもの。
現在、この車格で選べるビリーヴカーはさすがに少ない。快適性の話はベースとなるクルマそのものに起因する話ではあるが、今回改めて、車いす利用の方や足腰の弱い高齢の方に、オデッセイはやさしいクルマだと感じた。
ホンダ オデッセイ アブソルート サイドリフトアップシート車 FF/7人乗り(CVT)
■全長×全幅×全高:4855×1820×1695mm
■ホイールベース:2900mm
■トレッド前/後:1560/1560mm
■車両重量:1830kg
■エンジン:直4DOHC
■排気量:2356cc
■最高出力:175ps/6200rpm
■最大トルク:23.0kgm/4000rpm
■サスペンション前/後:マクファーソン式/車軸式
■ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
■タイヤ前/後:215/60R17
■車両価格:363万4000円(消費税非課税)
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