日産は、ドライバーの脳波を測定し、運転支援を行うという研究を発表した。
この技術は「B2V(Brain-to-Vehicle)」と呼ばれ、ドライバーがヘッドセットを着用することで脳波を検知し、ドライバーのイメージどおりにクルマを動かせるシステムである。
具体的には、ハンドルを回すなどの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイムな検出、さらにドライバーが頭のなかでイメージする運転と実際の運転が違うと感じるときのエラー関連電位の計測が、世界で初めて可能になった。これにより、ドライバーの反応の遅れをクルマがカバーしてくれたり、自動運転モードの際、違和感のない走りを実現できるようになるという。
この研究に対し、日産の副社長であるダニエレ・スキラッチ氏は、「将来の自動運転社会では、人間はクルマをコントロールしないと考える人が多いかもしれません。しかし、この技術はその反対です。ドライバーの脳波を活用して、ドライビングをさらにエキサイティングで楽しいものにしていくのです」と述べている。
また、B2V技術の研究をリードしている同社のルチアン・ギョルゲ氏は、「この技術の適用には大きな可能性があります。この研究が触媒となり、将来、より多くのイノベーションが日産車にもたらされるでしょう」と述べており、今後の自動運転化社会の到来をさらに後押しするものになりそうだ。
なお、同社は今回発表した技術を、ラスベガスで開催される「CES 2018」に出展し、ドライビング・シュミレーターを用いてB2V技術のデモンストレーションを行う予定となっている。
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