毎年アメリカのネバダ州ラスベガスで開催される世界最大級の家電の見本市「CES」。2018年1月9日から開催された「CES 2018」では、ホンダが発表したロボットのコンセプトシリーズが大きな話題を呼んだ。
発表されたのは「Empower(ひとの可能性を拡大する)、Experience(ひとと共に成長する)、Empathy(ひとと共感する)」という3つの「E」を体現する4タイプのロボットで、ホンダが目指す「ひとの素晴らしさが際立つロボティクス社会」の提案となった。進化したパーソナルモビリティや対話ロボットなど、将来的な介護や福祉の現場での活躍も期待させるロボットたち。ここでそれぞれの特徴を紹介していく。
ひとと触れ合い、共感しあうロボット「3E-A18」
「Empathy(ひとと共感する)」をテーマとするコミュニケーションロボットのコンセプトモデル「3E-A18」は、ひとと触れ合い、暮らしに溶け込むように設計されている。ひとの感情を読み取り、表情や音、動作によって豊かなコミュニケーションを可能とし、ひとの行動をサポートする。
思わず触れたり抱きしめたくなる丸みを帯びたカタチで、素材も柔らかくモチモチしているなど、接するひとに「癒し」の効果をもたらすという。また万が一、ひとと衝突した場合の安全性も考慮されていて、どのような方向からぶつかっても衝撃を受け流すことが可能なバランス制御技術も取り入れられる。最高時速は6kmで、ひとと一緒にスムーズに移動することができる。
顔の部分は、多彩な表情を映し出すほか、さまざまなメッセージを表示することもできる。
日常の行動を支え、移動をサポートするロボティクスデバイス「3E-B18」
「Empower(ひとの可能性を拡大する)」をテーマとしたプラットフォーム型ロボティクスデバイス「3E-B18」は、電動車いすとしてはもちろん、上部のアタッチメントを変えることで、ベビーカーや荷物カートなど、さまざまなスタイルでの使用が可能となっている。コンパクトなサイズで制御機能を備え、坂道でも安定した姿勢を保つ。また、ひとの行動に違和感なく追従する自律タイプとされている。
ひとと体験を共有する、サポートロボット「3E-C18」
「Experience(ひとと共に成長する)」をテーマとする、AI搭載のロボティクスデバイス「3E-B18」。ひととの関わりを通して学び、よりひとのためになるよう自らを成長させていくのが特徴とされる。上部のアタッチメントを交換することで、物販や移動広告などさまざまな役割を果たすことができる。また後方に腰掛けて乗車することもできる。
ひとの生活の可能性を広げる、サポートロボット「3E-D18」
「3E-D18」はAIを搭載したプラットフォーム型のロボティクスデバイスで、3E-B18同様、「Empower(ひとの可能性を拡大する)」をテーマとする。上部のアタッチメントを交換して、消火活動や農作業、スポーツのトレーニングサポートなど、さまざまな役割を果たすことができる。また走破性にも優れ、農場や山間部など路面状況の悪い場所でも自律的に活動することができる。さらに宇宙空間など、生物にとって過酷な環境での活動も視野に入れているという。
これまでのロボティクス研究で培われたノウハウが詰め込まれたロボットたち。その進化には驚かされるが、同時に1日も早い実用化を期待せずにはいられない。
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