文●Believe Japan 写真●Believe Japan、SWEETRICH
今回のMedtrade(メッドトレード)では、電動車いすのブースが賑わいを見せていた。各メーカーとも意欲的な新製品を展示していたが、そのテーマは「多機能」、「軽量化」で、改めてその進化が目立っていた。ここでは、まさにその2つのテーマに沿って開発されていた、中国ブランド「SWEETRICH(スイートリッチ)」の電動車いす「SW6000Z」を紹介する。
金属フレームがむき出しのシンプルなボディが示すように、SW6000Zは機能性重視のモデルとなっている。非常にシンプルな構造で軽量(33kg)の電動車いすは、操作感が自然なジョイスティック式で、360度全方向へ思いどおりに移動できる。また、最大荷重は160kgで、6度の傾斜を登りきる力強さ、さらに一回の充電で30kmの距離を走行する効率性を兼ね備えている。
しかし、このSW6000Zで注目したいのは、厚さわずか40cmにまで電動で折り畳めること。目下開発中との話だが、スマートフォンで遠隔操作が可能なことだろう。ユーザーは専用のアプリ介して、自分のいる方向に車いすを誘導することができるのである。食卓などのいすに移乗して、車いすを部屋の隅などに移動させ、必要なときに呼び寄せる、といった日常ではとても便利を備えているのだ。ブースではスタッフが実演していたが、現在開発中で、製品化はもう少し先になるとのことだ。また、速度やライトなど、さまざまな設定もスマートフォンで簡単に行えるのも便利だ。
厚さ40cmにまで折り畳み
スイッチで折り畳みを開始する。この操作はスマートフォンのアプリからも行える。折り畳み、展開ともに電動だ。
最初に背もたれが前に傾斜し、前輪部分が下がり始める。
そして速やかに折り畳みが完了。出っ張り部分が少なくコンパクトに折り畳まれているのがわかる。車いすの厚さはわずか40cm。クルマでの移動時にラゲッジや室内にも気軽に積むことができる。
スマートフォンで遠隔操作
さまざまな操作がスマートフォンに集約される。開発中の遠隔操作も、スムーズに行われていた。
SWEETRICHの取締役ライアン・チェンさんは「現在、販売はとても好調です、今後もっと販路を拡大していきたいです」と意気込んでいる。
セールススタッフのチェン・ガンホンさんは、遠隔操作のデモンストレーションを行なってくれた。「まだアプリの開発中ですが、近日中には製品化できる見通しです」と語る。
2011年に中国の江蘇省で設立されたSWEETRICHは、電動車いすのほか、電気自動車、電動バイクの開発、生産も行なっている。人間工学の観点から開発されるオペレーティングシステムと高度な制御技術に強みを持ち、急成長を遂げている。
【仕様】
バッテリー: 24ボルト、50アンペア
重量:33kg
最大荷重:160kg
航続距離:30km
最小回転半径:120cm
最高速度:6km/h
No Comments