2021/3/22(月)配信
日産自動車は、3月19日、新潟大学、北里大学、相模女子大学と連携し、ネットワーク上に『交通安全未来創造ラボ』(以下、本ラボ)を創設した、と発表した。
本ラボは、交通死亡事故ゼロを目指し、高齢ドライバーや幼児・児童、訪日外国人、さらに過疎化による公共交通機関の縮小等で移動に不安や不自由を抱えている一人ひとりに寄り添いながら、誰一人取り残すことのない交通社会におけるダイバーシティ(多様性)の実現に向けた研究が行われる。
現在、社会問題となっている高齢ドライバーの交通事故削減は優先課題。これまでの先行研究により、高齢ドライバーの運転操作の誤りは、認知力や、筋力・視覚などの身体機能の低下が関連し合っていることが判明している。この関連を正確に解明し、さらに、それらの低下を引き起こす背景要因として、生活習慣や文化、地域社会との繋がりまで遡って研究を進める。そして、その研究成果を活かして、高齢ドライバーが健康で長く、安全に運転できるような交通安全ソリューションの創出に向けてチャレンジすることが本ラボの目標だ。
参加する研究者は、生体医工学、医療衛生、生活・衣装デザイン、ソーシャルデザインなど多岐にわたり、自治体、研究教育機関、医療機関、まちおこし団体など、幅広い連携先からパートナーを発掘していくという。
現在計画している研究テーマは下記のとおり。すでに先行研究が着手されている。
①身体機能測定、ドライビングシミュレータ、実車走行試験を組み合わせた、高齢ドライバーの運動・運転機能データの収集とその同期解析。2021年は、高齢ドライバーの運転時の視線解析、色彩反応解析を中心に取り組む。
②コンピュータグラフィックスを用いて、高齢ドライバーの視認性研究と、その自覚ツール及び交通安全ソリューションの開発。視認性については、最先端の有効視野研究に取り組む。
③生活・服飾文化研究、及び上記①②の研究成果を使った、高齢ドライバーにも目につきやすい歩行者側での交通安全ソリューションの開発。
④新潟大学と日産自動車が共同創案した『ハンドルぐるぐる体操』の効果検証。
⑤研究で開発した自覚ツール、交通安全ソリューションが社会に広まり定着していくためのソーシャルデザイン研究。
それぞれの研究は、分野にまたがる横断チームを組んで活動し、研究の成果は、次年度以降に、随時、公開していくという。
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