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「新型シエンタ ショートスロープ仕様はとても便利なので、ぜひ試してみてください!」

By wpmaster · On 2023年5月12日

文と写真●Believe Japan

2023/5/12(金)配信

 超高齢化社会に突入して久しい日本では、近年、在宅介護が推奨されている。そして、そうしたなか、 自宅からデイケア施設や医療機関へ通う高齢者が増え、 福祉車両の使用頻度は、これまでになく高まっている。 「すべての人に自由なモビリティ」を紹介するBelieveが今回注目するのは、トヨタの新型シエンタ「ショートスロープ仕様」。開発責任者である稲熊幸雄(いなぐまゆきお)氏に、そのこだわりのポイントを聞いた。

ショートスロープで、乗り入れ動作をシンプルに!

 両側スライドドアに広々とした室内、低床設計でアクセスが良好なトヨタシエンタは、2022年8月にフルモデルチェンジして3代目となった。ビリーヴカー(福祉車両)は3タイプあるが、もっとも注目したいのがタイプIIIの「ショートスロープ仕様」。バックドアを開けると同時に車高が降下し、リヤバンパーと一体型のショートスロープが展開。リアエンドからスロープが突出する長さはわずか17cmで、省スペース&短時間での乗降を可能とする。

 バックドアを開けると自動的に車高が下がる。そして、ショートスロープが展開。

 車いすの前輪をショートスロープに乗せ、後輪をスロープに押し当てながら車内へと進む。

 車いすの前後左右にフックをかけて固定スイッチを押す。あとはハンドルを引いてショートスロープを収納、バックドアを閉めれば自動的に車高が戻る。

関連記事:難点だった乗り込み時間を大幅に短縮! 新型シエンタの「ショートスロープ」がすごい

シエンタ福祉車両開発時のこだわりを教えてください

 現在、福祉車両のシェアはトヨタが日本国内の約7割を占めています(除:軽自動車)。そのため、我々には「スタンダードを作っている」という自負があります。 「トヨタでしかできない福祉車両の在り方とは何か」をつねに意識し、介護施設などでお客様のご使用になっている様子から本当の困り事はなにか見極め、自分たち自身で仮説を立て検証して開発しています。また、標準車との同期開発やインライン生産対応などのコスト低減も積極的に実施しています。

 今回の新型シエンタ タイプIII「ショートスロープ仕様」で改善したのは、以下の3つの点です。

 まずひとつ目は「車いすにお乗りの方の孤立を防ぐ」ことです。

 たとえば病院のエントランス。迎えにきたドライバーがクルマを離れ戻ってくると、別のクルマがすぐ後ろに停めてしまい、車いすで乗り込むことができないという事態があります。今までの福祉車両では、車両の後方に2.4メートルのスペースがないと乗り降りできませんでした(通常、停車している前のクルマとの間隔は、1.7メートルほど)。ところがこのショートスロープ版では1.3メートルあれば乗り降り可能ですから、クルマを移動させなくてもよくなります。これまで車いすユーザーの方は、ドライバーがクルマを移動させて戻ってくるまでの間、そこに一人で待たなければなりませんでした。認知症の方がブレーキを外して、後ろのクルマにぶつかったり、どこかに移動してしまうなどのトラブルも報告されています。そのような事態を改善したいと考えました。

 次に、スロープを展開するときによくある「手が汚れることをなくす」ことです。

 汚れた手でシートベルトを締めたり介助をすることには抵抗感がありますので、このシエンタではハンドルを引くだけでスロープを格納できます。 

 最後は「操作時間の短縮」です。

 根本的なことですが、スロープを出したりベルトをかけたりといった作業は時間がかかります。今回ショートスロープ化することで、作業時間が4割ほど少なくなりました。 また、バックドアを開けている時間が短くなれば、冷暖房の効率化にもつながります。後ろの交通も妨げません。このようなことを目指して作ってきました。

 シエンタはタイプIとタイプIIが通常のスロープで、タイプIIIがショートスロープモデルとなっています。主に福祉タクシーなど車いすの操作に慣れている「プロの方」向けになっていますが、一般ユーザーからの関心も高いです。 これまで、通常のロングスロープモデルに乗ってきた方が、ショートスロープに買い替えられるケースも少なくありません。実際に使用してみて、思ったほど力が必要でなく圧倒的に手間と時間がかからないことや、仰々しくないことを評価して選ばれる方もみえると思います。実際の「使い勝手」をよりよくするために試行錯誤した開発陣の努力が報われます。

今後の抱負を教えてください。

 まだまだ福祉車両の普及が進んでいないと感じており、手順が複雑で操作の難しさもあって、福祉車両=特殊なクルマのイメージがあります。そのため心理的な印象から、選んでいただけていないこともあります。いままで以上に簡単に操作ができて、心理的抵抗感も払拭できるクルマをつくり、すべてのひとが自由に移動できる社会を目指して、今後もさまざまな商品を開発していきたいと思います。


プロフィール

トヨタ自動車株式会社
CVカンパニー CV統括部 商用事業企画室 主査
CVカンパニー 商用CASE企画開発部 電動化企画開発室 福祉モビリティG 主査

稲熊幸雄 氏

インタビューシエンタトヨタ福祉車両車いす
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