文⚫︎大音安弘 写真⚫︎Believe Japan
2023/6/26(月)配信
次世代型電動車椅子を手掛けるWHILLの最新モデルが、「Model S」だ。これまでの車椅子タイプとの最大の違いは、電動スクータータイプであること。免許返納者などを含む手軽なシニア向けモビリティを目指して開発された。ターゲットとなるのは、少し距離がある場所への徒歩を負担に感じるようになった人や、手軽な移動手段を求める免許返納者だ。
シニア向け電動カート同様に、安定した着座姿勢が得られるシートと、シンプルな操作が可能なバータイプのステアリングを装備する。操作系はステアリング周辺に集約されており、ステアリング内のレバーを握ると、カートが動く。レバーを放せば、ブレーキがかかる仕組みだ。アクセルとブレーキの役目を持つレバーは、右側が前進、左側が後退と分けれて、操作の誤りを防ぐ。走行速度は、ハンドル内中央のパネル上のダイヤルで簡単かつ細やかな調整が可能だ。またバッテリー残量をバータイプの表示で見やすいものとした。操作は、自動車の操作や表示に近いものを目指したという。
最高速度は、前進で6km/h、後退で2km/hのため、歩道走行も可能。段差は、7.5cmまで乗り越えることができるので、街中である車道と歩道のギャップも問題なし。登坂能力も10度となるので、日常的に遭遇する多くの傾斜路に対応できる。航続距離は、満充電で33kmと長め。ちょっと離れた場所への買い物や移動も叶えてくれるのも強みだ。充電時間は標準充電器で9時間40分だが、オプションの急速充電器を用いれば6時間40分まで短縮できる。また乗員重量だが、100kgまでとなるので多くの人が利用可能だ。
デザインは、従来のシニアカーと比べるとお洒落なもの。シンプルなデザインに仕上げカラーリングにも拘ることで、だれでも気軽に使えるモビリティを目指したという。もちろん、機能性も重視されており、フロントに耐荷重4kgのバスケットを標準化。さらにオプションで耐荷重1kgのフックを始め、後方確認用の左右ミラーや杖ホルダーなどのアクセサリーも用意されている。
安心安全な移動を提供するために、もしものアクシデントに備えるロードサービスと任意保険を用意。スマートフォン連携機能では、バッテリー残量や移動可能距離の確認、車両設定が行えるが、「Model S」で新たに採用された車載通信機を搭載することで、現在地確認に加え、走行ログも自動的に記録。家族による現在位置の確認はもちろんのこと、「Model S」が転倒した際に、家族に緊急通知する機能も備えている。使用者だけでなく、家族にも情報が提供することで、外出しやすい環境作りにも貢献する。
価格は22万7000円となり、消費税は非課税。ただし介護保険は適用外だ。
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https://whill.inc/jp/
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