パーソナルモビリティブランド「WHILL」の電動車いすは、洗練されたデザインや手軽な操作性、優れた走行性能で高い人気を集めているが、それは日本だけには止まらぬようだ。
このほどアメリカのネバダ州ラスベガスで開催された、コンシューマエレクトロニクス(家庭用電気機械器具)分野で世界最大級の見本市となる「CES 2018」において、WHILLの電動車いすが「Best of Innovation Award(ベストオブイノベーションアワード)」を受賞した。選ばれたのは、日本で2017年にリリースされている電動車いす「WHILL Model C(ウィル モデル シー)」の米国向けモデル「WHILL Model Ci(ウィル モデル シーアイ)」。革新的なデザインや操作性、小まわり性能、iPhoneアプリによる遠隔操作機能、さらにカスタマーサービスに「IoT」を活用した点などが高く評価されたという。ここではModel Cの魅力を改めて紹介する。
WHILL Model C
WHILLはModel Cを「普及価格帯モデル」とし、すでにリリースされているフラッグシップモデルModel Aから大幅なダウンサイジングを果たしている。重量は116kg → 52kg、価格も99万5000円 → 45万円に下げられた意欲的なモデルだ。
シンプルなデザイン、豊富なカラーバリエーション
2015年にグッドデザイン大賞を受賞したModel Aのデザインを継承しながら、シンプルで洗練されたデザインを実現している。ライフスタイルや好みに合わせて、ホワイト、グレイ、ブラック、ブルー、ピンク、ゴールドの6色から選べる。
簡単に分解できて、車載性や収納性が大幅にアップ!
工具を使うことなく、本体を3つに簡単に分解することができる。また、重量が半減した本体は、クルマに積んで運んだり、玄関などの小さなスペースに分解して収納したりすることも可能になった。
オムニホイールが可能にする高い走行性能と小まわり性
横幅わずか55cmのボディと、WHILL独自開発の前輪「オムニホイール(全方位タイヤ)」により、砂利道、芝生、でこぼこ道など悪路の走行が可能になり、高さ5cmの段差も乗り越えられる。また、ハンドル型の電動車いすより大幅に小さい最小回転半径(約76cm)を誇る。エレベーター内やスーパーの通路など狭い空間での方向転換も快適に行える。
ショッピングバスケット(20L)をボディ下に標準装備し、買い物にも便利。
バッテリーは約2.8kgの軽量設計で取り外しも可能。5時間の充電で約16km走行することができる。
スマートキーで簡単にロックを行うことができる。
ユーティリティとセーフティ
それ以外にも、専用アプリケーション「WHILLアプリ」をスマートフォンなどにダウンロードすると、細かな速度や加速度の設定を行ったり、スマートフォンなどをリモコンとしてModel Cを移動することもできるようになった。また安全面でも、急な坂道が前方に迫る場合、手動ブレーキが解除された状態で電源がONになった場合など、注意が必要な状況では、音声による注意が促されるようになった。そして、WHILLが独自開発したモーターコントローラーにより、横に傾斜した道など「片流れ」しやすい環境でも、よりまっすぐ走行できるようになったこともアピールされている。
日本国内でのアフターサービス
そんな製品クオリティの高いWHILL Model Cだが、さらにうれしいのはアフターサービスの充実ぶりだ。WHILLでは、電動車いすを安心して利用してもらえるために、個体の状況をwebで確認できる「スマート診断」をはじめロードサービス(離島を除く全国24時間)、自賠責保険をセットにしたサポートサービス「WHILL Smart Care(ウィル スマート ケア)」を誕生させた。年間契約価格は1万9800円(税別)。心強いサポートサービスといえよう。
小型軽量化してさらに親しみやすくなったWHILLの電動車いす。今後ますます、多くの支持を集めていきそうだ。
WHILL Model C
高さ×横幅×奥行き:74-94cm×55cm×98.5cm
重量:52 Kg
最大ユーザー重量:115 Kg
バッテリー:25.2ボルトリチウムイオンバッテリー 5時間の充電で16 km走行可能
最高速度:6km/ h
段差乗り越え:5cm
登坂能力:10度
最小回転半径:76cm
価格:45万円
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