文●Believe Japan 写真●autochair、Believe Japan
車いすに座っている方がクルマへ移乗する際、クルマのシートに車いすを近づけて身体を横にスライドさせることになる。だが、自身の身体を十分に支えることができない方は、介護者に抱えられて乗車することになる場合がある。その際、介護する方の負担は大きく、車いすのまま乗車するスロープ車などが一般的なソリューションとなっている。
ところが、「Smart Transfer Person Lift(スマート トランスファー パーソン リフト)」なら車いすユーザーの身体をリフトアップして、スムーズに乗車させてくれる。このリフトは、福祉車両ではない普通のクルマにも簡単に取り付けと取り外しができて、シートを改造する必要もない。さまざまなボディタイプに対応し、最大150kgまで持ち上げることができる。
スマート トランスファー パーソン リフトは、助手席だけでなく運転席にも取り付けが可能で、シートを改造しにくいスポーツカーなどに取り付けて楽しんでいるひともいるという。「普通のクルマのシート」に座りながらドライブを楽しめるのは大きな魅力だ。
軽量ながら剛性感の高いリフトは、動きが滑らかで安心感がある。
スマート トランスファー パーソン リフトの使用手順は、まず車いすの座席にスリングシートを敷く。
車いすユーザーがその上に座る。
リフトにスリングを取り付け(4点)、コントローラーの「上」を押しながらリフトアップする。
車いすユーザーの頭部やつま先がクルマにぶつからないように注意する。
ユーザーをクルマのシートに移乗させた後、リフトはリラックスできる着座姿勢をサポートする。
車いすを覆うスリング。丈夫ながらソフトな材質で、座り心地が損なわれることはない。
リフトは運転席、助手席のどちらにも取り付け可能だ。
コンパクトで、タイプや車種を選ばずに使える。
ユーザーの中には、アウディ RS4やポルシェ 911 GT3などのスポーツカーに乗り、ニュルブルクリンクでドライビングを楽しむひともいるとのこと。オートチェア社のセールスマネージャー、Raimund Schup(ライムント シュップ)さんは「このリフトは、クルマ好きのための福祉機器でもあります」と誇らしげに語る。
1983年以来、クルマでの移動を簡単にして、すべての人がアクセスできることを目指すイギリスのオートチェア社は、車載適応機器の大手。パーソン リフトはこれまで世界中で4万5000台を販売し、好評を得ている。販売価格はおよそ40万円だ。
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