文と写真●Believe Japan 2022/11/23(水)配信 近年、朝の日常風景ともいえるのが、高齢者の方などを迎えにくるデイケアサービスのクルマ。そして、車いす乗車のために交通を遮断してしまっている現場を目の当たりにすることもあるかと思う。 低い角度で乗り込めるスロープ仕様車は、車いすユーザーを介助する人にとっては一般的な装置である。しかし、一連の動作による乗り込みを完了するため、それなりに時間がかかってしまうのも事実。 両側スライドドアと広々とした室内、低床設計によるアクセスのよさから、ビリーヴカー(福祉車両)でも高い人気を誇るトヨタ「シエンタ」が、2022年8月に7年ぶりのフルモデルチェンジを遂げた。3代目となったシエンタは、車いす仕様が3タイプ用意される充実ぶりだ。9.5°のなだらかな角度のスロープを持つタイプI。運転席のすぐ後ろに車いすで乗り入れる上、ストレッチャーの乗車も載せられるタイプII。そして、今回もっとも注目したいのが、新たなショートスロープを持つタイプIIIだ。 バックドアを開けると同時に車高が降下し、ショートスロープが展開。省スペース&短時間での乗降を可能とするもの。今回はこのショートスロープ車の使い勝手を実際に試してみた。 ショートスロープで動作を簡素化 操作手順は大きく分けて以下の3ステップ。 Step 1:後部の車高を下げるバックドアを開けると自動的に車高が下がる。そして、ショートスロープが展開。 Step 2:車いす乗車車いすの前輪をショートスロープに乗せ、後輪をスロープに押し当てながら車内へと進む。 Step 3:車いすを固定車いすの前後左右にフックをかけて固定スイッチを押す。あとはハンドルを引いてショートスロープを収納、バックドアを閉めれば自動的に車高が戻る。 介助者役として実際に体験してみたところ、ショートスロープは地面から19cmの高さまで下がるが、前輪を持ち上げる際に若干の力が必要となる。しかし、コツさえつかめてしまえばいたって簡単。何度かトライして慣れると、劇的な早さで車いす乗車を完了させられることに、感心せずにはいられなかった。 車いす乗車をスムーズに行えるということは、車内の暖房や冷房のロスも少なく、周囲の交通を止めているストレスからも解放されることにつながる。さらに手動でのスロープ展開が不要なため、介助者は車いすユーザーから目を離す時間が少なくてすみ、その点でも安心だ。ちなみに乗車人数は車いすユーザー1名を含めて4名となる。 スロープ車の場合、まずスロープを引き出し → (ウインチで引き上げるために)車いすの前輪付近にフロントフックを取り付ける... ...
On 2022年11月23日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2022/11/15(火)配信 「国際福祉機器展H.C.R.2022」では、今回もさまざまな提案や新製品が見られ、盛り上がりを見せていた。その会場で、「これは多くのユーザにとって朗報だ!」と感じたのが、トヨタの「いつでもウェルキャブ」だ。その正体は、生活スタイルに合わせて現在乗っているクルマをビリーヴカー(福祉車両)に変身させることができる、後付け可能なトヨタ純正品。需要の大きい車いす収納装置と助手席ターンチルトシートがラインアップされている。 車いす収納装置 「車いすが重く、外出のたびに上げ下げがとても大変」という車いすユーザーの家族の声などにこたえた車いす収納装置は、スイッチひとつの操作でだれもが簡単にラゲッジスペースに車いすを収納することができる。重量35kgの車いすまで収納可能で、手動のほとんどのタイプに対応している。 使用するときにはレールを装置に差し込む。電動でスムーズに格納されるため、クルマを傷つける心配が減るのも嬉しい。操作スイッチは上下2つのボタンで迷うことなく使える。 収納装置は簡単に取り外しができるため、家族は通常のクルマと変わりなくラゲッジスペースを有効活用することができる。 装置は比較的コンパクトで軽く、使わないときには取り外しができるため、ラゲッジスペースを有効活用できる。生活のさまざまなシーンでクルマを便利に使うことができ、新たに福祉車両を購入する必要がないため、多くのユーザーから歓迎されるだろう。 ■車いす収納装置 装着可能車種 ・シエンタ(年式:2022年8月〜)・シエンタ(年式:2015年7月〜2022年7月)※2022年11月予定・アクア(年式:2011年12月~2021年6月)※2022年11月予定・アクア(年式:2021年7月〜)※2022年11月予定・ヤリス(年式:2019年12月~)※2022年11月予定・プリウス(年式:2015年12月~)※2023年1月以降予定・ルーミー/タンク(年式:2016年11月~)※2023年1月以降予定 ■価格 14万9600円(消費税込み) 助手席ターンチルトシート スムーズなクルマの乗り降りを可能にしてくれる助手席ターンチルトシートも後付けが可能だ。 助手席のシートが車外に回転して座りやすい向きになり、同時に座面と背もたれが前傾することで、乗り降りがとてもラクになる。足が地面につきやすくなり、乗り降りの際にかがむ必要もなくなる。またシートを跨(また)いで座る必要がなくなるので、多くの高齢者にとっても快適な装備となる。 ■ 助手席ターンチルトシート 装着可能車種... ...
On 2022年11月15日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、マツダ 2022/11/11(金)配信 「国際福祉機器展H.C.R.2022」で訪れたマツダのブースでは、車いすユーザーが自らドライビングを楽しみ、アクティブライフを満喫できるクルマの展示が行われていた。 ブランド全体で「クルマを運転する喜び」を追い求めるマツダにとっては、福祉車両も例外ではない。アクティブなカーライフをサポートするSUV「MX-30」とマツダイズムを体現するオープンスポーツの「ロードスター」をベースにした展示車2台も、そうした強いメッセージを発していた。 MAZDA MX-30 Self-empowerment Driving Vehicle(SeDV) 福祉車両としては見慣れないSUV、さらにはルーフ上に大きなオートボックスを装備するというアクティブなルックスで存在感を際立たせていた。運転席に座ったままでルーフ上に車いすを電動収納できるオートボックスと、運転席に座ったままでリアドアを閉められるストラップ式リアドアクローズアシストが装備され、車いすユーザーが自分ひとりで乗り降りすることができる。オートボックスは車いす、福祉車両架装メーカーのミクニ ライフ&オート(旧ニッシン自動車工業)が手がけたものでスムーズな動きを見せる。 一方、車いすユーザーが自ら運転することを可能にする装置としては、リング式アクセル&レバーブレーキ、ブレーキサポートボード、移乗ボードが装備される。 ■リング式アクセル 押し込むと加速するリング式のアクセルは、反力によって速度維持できるアクセルリングで、押し込み具合が瞬時に把握できるようになっている。これにより、ハンドルの持ち替えと、アクセルリングの押し直しが同時に必要な「交差点の右左折」や「立体駐車場スロープの登り」などの際でも、ギクシャク感のないスムーズな運転が可能になる。 ■レバーブレーキ 手のひらになじみ押しやすい形状、目視しなくてもステアリングから持ち替えやすい位置に取り付けられるレバーブレーキは、しっかりとブレーキがかけられるように、肩を起点に力を発揮しやすい軌道に設定される。ハザードスイッチ、ブレーキロックボタンも使いやすくレイアウトされている。 ■ブレーキサポートボード 肘をサポートできるボードで、肘を支点に細かな操作のしやすさと安定したブレーキングを可能にする。カップホルダーに差し込んで固定する方式のため、不要なときは簡単に取り外すことができる。... ...
On 2022年11月11日 / By wpmaster2022/7/8(金)配信 日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(NMC)は、7日、「キャラバン」ガソリン車の一部仕様向上にあわせ、「ライフケアビークル(LV)」シリーズの仕様を一部向上したと発表。 車いす仕様車の「チェアキャブ」については、ユーザーの要望にこたえ「ワンタッチオートスライドドア(助手席側)」を追加設定し、福祉施設・病院などでの送迎時に介助者の負担軽減や作業の効率化を可能とした。 また、ベース車と同様に燃費の性能向上を図ると共に、上級グレードにはオーディオ、ハンズフリーフォンコントロール用のステアリングスイッチを追加。カップホルダーの形状変更など、使い勝手の向上も図られた。 ●価格帯(消費税非課税)チェアキャブ(全グレード)391万9000円~471万6000円 ...
On 2022年7月8日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、マツダ E&T 2022/6/21(火)配信 先日お伝えした「マツダ E&T」の「スロープ式車いす移動車累計生産台数6万台記念式典」に華を添えた「キャロルi」。「世の中にないものは作る」という熱い思いから、当時のスタッフが試行錯誤して生み出したこの福祉車両は、一般ユーザーにも手が届く価格と取りまわしに優れた軽自動車の利点をあわせた画期的な1台だった。それゆえ、この記念式典には「マツダ E&T」の創造力が身を結んだ象徴として、なんとしても実車を展示したい!という思いだったという。今回は、いかにして「キャロルi」が復活したのかという過程を、製造技術部の川本健司さんと吉川陽三さん、業務革新部の登根孝志さんに伺った。 そもそも車両がない! 初代「キャロルi」の生産台数は200台強。実用で使われるクルマの性格上、程度のいい中古車を見つけるのは難しいと予想していたというが、それは想像を超えていた。そう、中古車市場には物件が1台もなかったのである。某オークションで過去に1台だけ出品されていた履歴こそ見つけたが、それ以降、物件情報は皆無。「痺れをきらして社会福祉協議会や関係団体への問い合わせ、はたまた社員の目撃情報をもとに、施設や役所に片っ端から電話し、場合によっては福祉車両のセールスと勘違いされたこともありました(登根さん)」。そうこうして、ようやくネット上で1台を発見。間髪入れずに掲載店に連絡をいれ、車両を確保したのだが……。 さてどのように仕上げるか やっとの思いで探し当てた1台。ネット上の写真ではほどほどの状態に見えたが、納車された車両の程度は想像以上にヤレていた。「当初は予算の関係もあり、外観と車いすスペースを修復し構内を走行できる状態を目指していましたが、作業を進めていくうちに徹底的に仕上げたい!という思いがレストアメンバーに湧き上がりました。そこで、追加予算の申請、承認を得て、「キャロルi」は徹底的に仕上げられることになったのです(川本さん)」。 ここからがプロの仕事 「マツダ E&T」は「初代ロードスター(NA)」のレストアサービスや、モーターショーの展示車両なども手がけるスペシャリスト。「キャロルi」も、まずはついている部品をすべて取り外すことから始まり、レストア作業は以下の項目を軸に行われていった。 ・ボディーパネルの凹み部分の修正、板金、塗装・足まわり、下まわりの塗装、修理・エンジン部分の磨き、塗装、修理・シート、フロアマットの洗浄 文字にすると簡単に見えるが、やはり27年間の劣化はかなりのものだったという。「まずはゴム、ホース類の固着、プラスチック部分の硬化。このあたりの部品は組み直す際に新品を使うのですが、古いクルマの場合は多くの部品が生産中止になっています。そのため汎用性があり購入できない部品は代替品の加工や新規に製作が必要でした。また、続いて手を焼いたのが板金。元の状態はフロントフェンダーが一部変形しており、エクボも複数。テールゲートのダメージも大きく、凹んだ箇所はデントリペアやプーリングキットによって引き出し、当て盤などを使用しハンマーリングで修繕しています。さらに、プラスチック部分の一部は3次元測定器で計測のうえ製作。車いす固定装置の金属部分も板金加工して製作しました(吉川さん)」。我々が思わず感動したのが当時のサプライヤーの協力。「キャロルi」オリジナルのエンブレムは山陽マーク株式会社が、専用の車いすは株式会社松永製作所が、車いすスペースのマットは株式会社すぎはらが「キャロルi」のレストアにかける思いに賛同し、復刻してくれたのだという。 まさに関係者が一丸となって実現した「キャロルi」のフルレストア。今後、福祉イベントなどでの展示も検討されているというから楽しみにしたい。 キャロルi について 1995年に誕生した「キャロルi」は、当時のキャロルをベースに開発されたが、車いすを収納するためにさまざまな架装が行われている。外観上のポイントは、スロープを組み込んだテールゲートとルーフ後部のハイルーフ化を実施。また、無理なく車いすを載せるために、燃料タンクの移設に加え、サスペンションの取り付け位置なども変更されている。いまでこそ、軽自動車の車いす移動車はさらにユーティリティに優れたトールタイプやワンボックスタイプとなるが、車いすに乗った状態で「キャロルi」に乗り込んでみると、非常に快適な空間が確保されているのに驚いた。ハイルーフのおかげで圧迫感がないどころか、身長180㎝以上の筆者が収まっても、明るい視界が広がっているのだ。また、床面地上高170㎜という超低床フロアもこのクルマの利便性の高さを後押ししている。いわゆるスロープ角が小さくなるので、車いすを載せる際の負担が少ないのだ。専用の車いすが必要だが、ワンタッチで固定できる装置もかなり画期的だといえる。... ...
On 2022年6月21日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、ホンダ 2022/5/26(木)配信 ホンダが6代目にあたる新型のステップワゴンを5月27日に発売する。新型には、ビリーヴカー(福祉車両)として、「スパーダ」をベースにした「車いす仕様車」と「サイドリフトアップシート車」を設定。価格は339万6000円~383万円(非課税)。 新型ステップワゴンは、「素敵な暮らし」をグランドコンセプトに、乗る人すべての安心と自由への思いに応えるクルマとして作られた。乗り物酔いしにくいように水平基調のベルトラインを室内に通したり、シートの形状を工夫することで2列目、3列目からの視界を広くするなどさまざまなアイデアが込められている。同時開発となった福祉車両でもそのコンセプトは受け継がれているという。 ステップワゴン「車いす仕様車」では、車いすを2列目、3列目、そして2列目および3列目に乗車するようにできるが、どのポジションに乗車しても見晴らしがいいのが自慢。その理由は3列目シートの収納方法にある。ライバル車は3列目シートを窓側に跳ね上げる構造のため、車いすで乗車すると側面の視界が遮られてしまうが、ステップワゴンでは3列目シートを床下に収納するため、車いすで3列目に乗車しても窓がそのまま使えるのだ。また、3列目に車いすで乗車したときにもとなりの席が使えるようにするなど、介助者の利便性も考えられている。 新型では、福祉車両の開発にあたって実際のユーザーから利用実態を調査し、それを反映したという。そのひとつが、リクライニング車いすへの対応。2列目の床に専用の固定点を増設することでこれを実現した(2列目乗車タイプ)。スロープの角度や操作のために必要な力の具合なども利用者の意見を参考している。メモリー機能付きパワーテールゲートを全車標準装備としたのも、利用者に女性が多く、重たいバックドアの開け閉めが不便だという声に答えたからだ。 こうしたユーザー目線の徹底は、機能面だけに止まらない。通常、ミニバンの福祉車両は施設など事業者が購入するケースが多く、そのためコストパフォーマンスのよさが厳しくチェックされるが、ステップワゴンの場合、ユーザーの多くが個人所有のため、求められるニーズが異なってくるのだという。つまり、福祉車両であっても、クルマとしての魅力が同時に求められるのだ。 そこで新型ではベースとなるグレードを上質さをテーマにした「スパーダ」に設定。走行中の死角を補う「ブラインドスポット インフォメーション」や、3列目まで空調を独自に操作できる「トリプルゾーンコントロールフルオートエアコンディショナー」といった充実した装備に加えて、デザイン面でも気を配る。フラットな床はフローリング仕上げで、落ち着いたダーク調の木目柄がシックな雰囲気を演出。バックドアなどのデザインもできるかぎりスタイリッシュなものになるように、ベースモデルの設計段階から参画。プラチナ調クロームメッキでこだわりの外観デザインを引き締めた。その出来栄えに開発スタッフは「乗っている人が誇りに思えるようなカッコいいデザインに仕上がった」と胸を張る。 福祉車両としての機能、利便性に加えて、クルマ本来の魅力を大いに高めた新型ステップワゴンは、福祉車両のある暮らしを明るく、楽しくしてくれる力作だ。 ●価格帯(消費税非課税)車いす仕様車:355万5000円〜383万円サイドリフトアップシート車:339万6000円〜363万6000円 ...
On 2022年5月26日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan 、マツダ E&T 2022/5/25(水)配信 4月29日、広島に本社のある「マツダE&T」にて、「スロープ式車いす移動車累計生産台数6万台記念式典」が開催された。「マツダE&T」は、マツダグループでエンジニアリング事業(量産車開発、派生車開発)やカスタマイズ事業(福祉車両、教習車等の特装車両)などを手がける総合エンジニアリング会社で、先般ビリーヴ・チャンネルでもご紹介した「MX-30 SeDV(セルフエンパワーメント・ドライビング・ビークル)」の開発も担当している。 式典は、代表取締役社長の野間幸治さんの挨拶から始まり、製造技術部の岸本勇次さん、ボデー・シャシー設計部 主幹の大塚孝江さん、PT性能・制御システム開発部の大上真弘さん、取締役常務執行役員の萩原國昭さんと続き、同時に全スタッフへ配信されるという形態だったが、記念すべきスロープ式車いす移動車の第1号車である「キャロルi」も展示され、会場に華を添えていた。 この日のためにフルレストアされたという「キャロルi」。その誕生は、なんと1995年というから驚くばかり。いまから27年も前に、いかにしてこのクルマが誕生したのか。また、6万台ものスロープ式車いす移動車を生産し続けている背景とはいかに? 今回特別に、特装車開発リーダーの経験をお持ちの「マツダ E&T」企画管理本部の方々に話を伺った。 マツダE&Tが福祉車両を手がけることになった背景を教えてください。 村田さん 「キャロルi」が登場した1995年というのは、いわゆるバブル崩壊後。そのころ多くの会社がそうであったように、我々もより会社を強くするための新規事業を模索していました。そこで、社内公募を行い、当時の役員が満場一致でOKを出したのが、この「キャロルi」でした。 米田さん この提案は介護ヘルパーをする母親を持つ社員からでした。ご存知のように、車いすでの移動はさまざまな制約があります。「少しでも母の負担を軽くできれば」との思いがこの提案に結びつきました。 軽自動車である「キャロルi」が選ばれた理由とは? 小泉さん 当時車いすを載せることができるのは、大きな病院や企業が所有するバンやバス的なものが主だったものでした。それらを個人が所有するのはハードルが高い。それに家庭内で介護される方に女性が多かったこともあり、日本の道路事情から取りまわし性に優れ、価格も安く抑えられる軽自動車に着目したというわけです。 「キャロルi」制作にあたり、苦労されたところはありますか? 米田さん 前例がないチャレンジだったので、苦労といえばすべて苦労でした(笑)。まずは車いす乗員スペースの創出。乗車位置を決め込んでから、フロア、ルーフの改造、燃料タンクの新設・移設、リヤサスの改造など多岐にわたります。とくにルーフ部分はFRPで仕上がっているのですが、当時この大きさのものを型取りして仕上げることが難しく、本当に苦労しました。 レストアされた車両をじっくりチェックさせてもらったが、その完成度の高さにちょっと驚いてしまった。車いすは専用のものが使用されているが、まずリヤゲート展開時の角度が浅いため、車いすを載せる際の介助側の負担が少ない。そして、車いすはストレスなく車両にワンタッチで固定できるではないか! さらに、車いすに乗ったまま乗車してみると、乗車後の頭上スペースや視界、そして手すりの位置など、居心地のいい空間が実現されているのだ。これを企画立案から販売まで。わずか1年で実現したというのだから凄い。 「キャロルi」以降に手がけた福祉車両、また開発時に注力している点を教えてください。 村田さん 車いす移動車は、「キャロル」、「フレアワゴン」、「デミオ」、「プレマシー」等。回転シート車は、「デミオ」、「プレマシー」等。リフトアップシート車は、「MPV」、「ビアンテ」、「CX-5」等。運転補助装置搭載車は、「ロードスター」、「アクセラ」、「MX-30」をそれぞれ手掛けてまいりました。... ...
On 2022年5月25日 / By wpmaster2022/4/27(水)配信 4月21日、国内にある車いす、車いす移動車、バスを開発製造するメーカー12社が協力して「車椅子簡易固定標準化コンソーシアム」を設立し、ISO(国際標準化機構)に規格化を提案する「車椅子簡易固定システム」の早期市場浸透、ならびに普及を目指していくことを明らかにした。 幹事社としてスズキ株式会社(車いす移動車メーカー)、トヨタ自動車株式会社(車いす移動車メーカー)、日産モータースポーツ&カスタマイズ株式会社(車いす移動車メーカー)、日進医療器株式会社(車椅子メーカー)、本田技研工業株式会社(車いす移動車メーカー)、株式会社松永製作所(車椅子メーカー)の6社(50音順)が参画し、ダイハツ工業株式会社(車いす移動車メーカー)が事務局を担う。そのほか、いすゞ自動車株式会社(バスメーカー)と株式会社カワムラサイクル(車椅子メーカー)、ジェイバス株式会社(バスメーカー)、日野自動車株式会社(バスメーカー)、株式会社ミキ(車椅子メーカー)が協力し、計12社によるコンソーシアムを形成。経済産業省が推進する事業「車椅子の自動車等へのワンタッチ固定機器に関する国際標準化」と連携していく。 車いすの車両における簡易固定標準化(ISO規格化)は、もっと安心して、スムーズに車いすのまま車両に乗れることが期待される。 160を超える世界各国の標準化団体で構成される国際標準化機構によるISO規格の発行は、新規提案後、通例、最短でも2~3年かかると言われるが、日本国内の高齢者の増加は待ったなしの状況にある。とくに団塊の世代が全員後期高齢者となる2025年以降、車いす利用者の急激な増加が想定される。 この「車椅子簡易固定標準化コンソーシアム」は、22年度内のISO規格提案(予定)に連動し、車いすメーカー、車いす移動車メーカー、バスメーカーが、「規格案」に沿って極力早期の対応商品の開発、市場投入ができるよう、また利用者に新しい規格とそのメリットを知ってもらえるよう、連携活動していくためのプラットフォームとなる。 グローバル化が当たり前となっている今日。ある国で設計、製造された工業製品がほかの国でも販売、流通できるようにするため、主に技術的な障壁などを取り除く方法として重要な役割を担うのが国際規格である。本来、通商上の障壁を取り除くためのものではあるが、今日においては、消費者が安心して購入、使用できるよう安全性を担保するものとしての役割もこれまで以上に重視されている。 今回、国内メーカーが団結してコンソーシアムが組織されたことにより、福祉機器メーカーだけでなく、利用者や消費者団体、中央行政や有識者にも強いメッセージが送られ、より安全で使い勝手の優れた車いす生活の実現が近づくことを期待したい。 ...
On 2022年4月27日 / By wpmaster2022/4/8(金)配信 Hondaの中古車サブスクリプションサービス展開エリアが全国へ拡大 Honda は、中古車サブスクリプションサービス「Honda Monthly Owner(ホンダ マンスリー オーナー)」の展開エリアを、2022年4月7日(木)より全国47都道府県、378拠点に拡大すると発表した。 Honda Monthly Ownerは、所有する喜びと利用の気軽さを両立した、国内自動車メーカー唯一の、1カ月単位でHonda車の利用ができるサブスクリプションサービス。2020年1月のサービス開始以降、「これからHonda車に乗ってみたい」というひとに加え、複数所有のお試しや、若年層を中心とした「クルマを保有する生活を体感してみたい」という声などのニーズに対し、「最短1カ月から利用できる」手軽さや、「諸費用込み」という料金体系のわかりやすさについて評価を受け、現在約3900名に会員登録者がいるという。 【Honda Monthly Ownerサービス概要】 税金やメンテナンス費用、自動車保険料などがワンパックで、最短1カ月から最長11カ月まで、定額でHondaの中古車を利用できるサブスクリプションサービス。Hondaの安全運転支援システム「Honda SENSING(ホンダ センシング)」をはじめとした、先進装備を搭載した車両に加え、「車いす仕様車」など充実のラインアップから選ぶことができる。 Honda Monthly OwnerのHPはこちら... ...
On 2022年4月8日 / By wpmaster文●石井昌道 写真●Believe Japan 2022/3/11(金)配信 ホンダは手動運転補助装置付き自動車のテックマチックシステムを1976年、足動運転補助装置付き自動車のフランツシステムを1982年に発売を開始している。手動運転補助装置付き自動車は他メーカーのモデルも含めて複数回の試乗経験があり、いまではスムーズに運転できるようになっているが、昨秋に初めて試乗したフランツシステムは少し戸惑った。右足によるアクセルとブレーキのペダル操作は何の問題もないものの、ウインカーなどのスイッチ操作も兼任しなくてはならない。また、左足によるハンドル操作は、普段はあまり使わない動きだったこともあって慣れるのに時間がかかった。 今回は2回目の試乗。操作方法はわかっているうえ、左足の動かし方もイメージできていたので、落ち着いて走りだすことができた。 まず、乗り込むには右足のつま先をドアノブに引っかけてドアを開けながら、身体を入れ込めるようにある程度は手前に引いていかなければならないのだが、これがまた難しい。片足立ちで不安定になってしまう。ただし、フランツシステムを相棒にしようと本気で挑む人のほとんどは、こういった操作には慣れていて難なくこなしてしまうそうだ。 試乗車はオプションのパッシブシートベルトが装備されているので、シートに座れば自動的にシートベルトが装着できる。 無事にシートに収まった後に走り出すには、まずシステム始動およびシフトレバーを操作するために、ブレーキペダルを踏み続けた状態にする必要がある。そのために、ブレーキペダル上方にロック用ボタンがあり、これを押しながらペダルを踏み込めばロック状態に。そして右足でPOWERボタンを押し込んでシステムが始動。そのまま、足用シフトペダルでDレンジを選択し、ブレーキ・ロックを解除すれば走り出せる。 現行フィットは電子制御パーキングブレーキが採用されているので、ブレーキ・ロックを解除しても停止したままだが、アクセル・ペダルを操作することで自動解除され、クリープで動きだす。アクセルとブレーキの操作は、ノーマル車両と同様なので何も問題ない。 ハンドル操作は左足で、自転車のペダルのように縦回転させて行う。下に押し込むときは力が入りやすいが、上に引き上げるときはちょっとだけやりづらさがある。普段はあまり使わない筋肉を動かしているからだが、これは慣れの問題であり、2回目の試乗で勝手はわかっていたので、今回は戸惑いがほとんどなかった。 前回は、普段は手でハンドル操作している自分にとって、足による操作は大雑把になってしまうのではないかという心配があって慎重になりすぎ、それが操作遅れを誘発していた。また、四つ角を曲がるときやUターンのときなど、ハンドル操作量が多いときにも慎重だったので操作が遅かったが、今回は緩いカーブでは繊細に、操作量が多いときは大胆にとメリハリをつけるようにしていったら、上手に動かせるようになり、クルマとの一体感がでてきた。操るのが楽しいと感じられるようになったのだ。 運転しながら足用コンビネーションスイッチを操作することもマスターしなくてはならない。頻繁に使うウインカーは、慣れてくれば左はつま先でブレーキペダルを踏みながらかかとでポンッと押し込めるので楽に操作できる。MTでスポーツ走行するときのヒール&トーと同じ要領だ。ところが右は距離が離れているのでブレーキペダルを踏みながらの操作は無理。道路交通法では右左折や転回する地点の30メートル手前でウインカーを点滅させることになっているので、右折時にはアクセルペダルもブレーキペダルも操作しない空走状態で右足でウインカースイッチを押し込む必要が出てくる。余裕があれば可能だが、そうではないシチュエーションも出てくる。そんなときは交差点で一時停止してブレーキ・ロックを使い、ウインカーを操作、ブレーキ・ロック解除して走りだすことになる。自車を安全に走らせるには仕方ない緊急回避だろう。手順はちょっと煩わしく、最初のうちは頭で考えながらゆっくりと操作していたが、慣れてくるとほぼ無意識で素早く操作できるようになった。 足用コンビネーションスイッチは、個々のドライバーの好みや操作のしやすさに合わせて9パターンが用意されており、購入時に選択できるようになっている。 2回目の試乗にして、早くも慣れてきてフランツシステムが頼もしい相棒になってきた。ノーマルの市販車をベースにモディファイしたシステムなので、すべてが完璧というわけではないが、自らの意志で移動の自由を獲得したい、運転の喜びを味わいたいという思いが強ければ、問題なく使いこなせるだろう。安全運転を支援するHonda SENSINGも性能が向上してきているので心強い(過信は禁物だが)。運転操作を覚えるのに多少のハードルはあるが、マスターしたときの喜び、得られる価値は大きいはずだ。 自動車ジャーナリスト 石井昌道 内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)自動運転にも参加する自動車ジャーナリスト。幅広い視野と知見で的確な評論を行う。 ※撮影車両には、一部オプション装備が含まれています。 ホンダ... ...
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