文と写真●Believe Japan 2026/1/6(火)配信 2025年も活況を呈した欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」。ここではこれまで紹介しきれなかった「ちょっと変わった」福祉車両をレポートします! 9月17日から20日まで、ドイツ・デュッセルドルフで開催された欧州最大の福祉機器展「REHACARE 2025」は、2025年も世界40カ国から800以上の企業・団体が出展し、88カ国から約3万4,000人が来場する盛況ぶりを見せた。ビリーヴ編集部では、モビリティ分野における注目の最新製品や技術をレポートしてきたが、ここでは少し視点を変え、会場でひときわ異彩を放っていた展示を番外編として紹介したい。 旧車趣味を可能にする運転補助装置 リハケア2025の会場は、先進的な福祉機器やモビリティ支援技術で埋め尽くされていた。電動化や自動化、軽量化、デジタル制御といったキーワードのもと、「より安全に、より効率的に」を追求した製品が並ぶ光景は、この展示会ならではのものだ。その一方で、そうした流れとは明らかに異なる空気をまとった一角があった。福祉車両の改造やコンサルティングを手がけるソーダーマンズ(Automobile Sodermanns)のブースである。そこに広がっていたのは、艶やかで個性的なボディラインをまとったクラシックカー、いわゆるオールドタイマーたちだった。1970年代を中心とする車両が並ぶその光景は、最新技術が主役の会場において強い存在感を放っていた。 さらに驚かされるのは、これらのクラシックカーが単なる展示用の車両ではないという点である。いずれも歩行が困難なドライバーが自ら運転するために改修された、れっきとした実用車なのだ。多くの車両には、下肢を使わずにアクセルとブレーキを操作できるハンドコントロールレバー(ブレーキ・アクセル操作用)や、片手での操舵を可能にするステアリングノブ(操舵補助装置)が備えられている。しかも改修は一人ひとりの身体状況に合わせて丁寧に行われており、オリジナルの外観や雰囲気を損なうことなく、安全かつ快適にクラシックカーを運転できるよう仕上げられている。 カルマンギア フォルクスワーゲンのシャシーにイタリアンデザイン、ドイツの名門コーチビルダーであるカルマン社の製作技術を組み合わせた、1950年代から70年代を代表する美しいスポーツカー。1970年式のこのクルマは、47馬力を発生する1.6Lエンジンにオートマチックトランスミッションが組み合わされる。室内にはハンドコントロールバーが装着されているが、その質感は内装と自然に調和しており、後付け感を感じさせない。なお、本車両は非売品として参考出展されていた。 クルマの世界観をリスペクト ドイツ西部ノルトライン=ヴェストファーレン州を拠点とするソーダーマンズは、1996年以来、個々のドライバーの身体状況やライフスタイルに合わせた完全オーダーメイドの福祉車両を手がけてきた。量産車をベースに画一的な仕様を提供するのではなく、一人ひとりの「運転する」という行為そのものに向き合い、車両を仕立て上げていく姿勢が同社の特徴である。代表を務めるフランク・ソーダーマンズ氏は、次のように語る。「我々はクラシックカーに対する強い情熱を持っています。この魅力的な趣味を分かち合い、障害のある方でも自ら運転できるようにすることが、私たちの大きな目標です。そのために、クルマ本来が持つ魅力を損なわない、適切な運転補助装置を装備しています」 現代のクルマとは、クラシックカーが放つたたずまいは明らかに異なる。造形の美しさはもちろん、深みのある塗装の艶やクロームパーツの輝き、重厚なドアが閉まるときの感触と音。さらに、デジタル化が進んだ現代車とは一線を画す、スイッチやボタンを中心としたアナログな操作系も、運転という行為そのものを強く意識させる要素だ。ソーダーマンズが手がけるクラシックカーは、こうした素材感や操作感を大切にしながら、福祉改修が施されている。その仕上がりからは、単なる機能追加ではなく、「運転する歓び」を守ろうとする強い意志が感じ取れる。 ところでドイツでは、登録から30年以上が経過し、良好な状態でオリジナルの雰囲気が保たれている車両に対して付与される「Hプレート(H-Kennzeichen)」が存在する。これはヒストリックカー用の登録制度で、税制面や保険面での優遇措置が受けられる。同社では、こうした制度も踏まえ、歴史的価値を損なわないカスタムを行っている。クラシックカーへのカスタムにかかる費用は、車両の状態や求められる機能などに応じて変動するが、一般的な運転補助装置や手動操作装置の導入であれば、約6000~8000ユーロ(約90万~120万円前後)が目安とされている。 フォルクスワーゲン... ...
On 2026年1月6日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/12/25(木)配信 車いすユーザー自らがハンドルを握りドライブできる、Self-empowerment Driving Vehicle(セルフエンパワーメント ドライビング ビークル、以下SeDV)。マツダが初めてSeDV仕様を導入したのは2022年、クロスオーバーSUVの「MX-30」だった。そして2025年、より幅広い人たちに応えるべく、「CX-30」にも設定されることとなった。CX-30 SeDVは、頃合いのいいサイズ感と実用性、そして美しいスタイリングをバランスさせたクロスオーバーSUVで、その存在は先ごろのジャパンモビリティショー2025でも多くの注目を集めていた。 リング式アクセルとレバーブレーキがもたらす直感的な操作性 CX-30 SeDVの主役は、ステアリングの内側に配置されたリング式アクセルと、ハンドル左側に設置されたレバーブレーキである。運転操作は、リングを押し込むことで加速。押し込む量に応じて段差感を持たせ、速度の維持や細かな調整がしやすいよう配慮されている。そのため、交差点進入時や駐車時、立体駐車場のスロープなど、繊細なコントロールが求められる場面でも、スムーズで自然な挙動が得られるのが特徴だ。 一方のレバーブレーキは、肘を支点として操作できるようブレーキサポートボードが装備されており、操作の安定性と疲労軽減を両立している。押し込むだけの操作で制動できるため、体幹が弱っている人でも、無理のない姿勢で確かな剛性感と自然な制動フィーリングが得られ、確実なブレーキ操作が行える。 従来の福祉車両で一般的だった「ハンドルにノブを取り付け、片手でハンドル操作、もう片方でレバーによるアクセル&ブレーキ操作」というスタイルとは異なり、両手でハンドルを握ったまま自然に加速操作ができ、よりダイレクトかつ繊細な感覚でブレーキを扱える。このため、通常の運転に近い姿勢で走行でき、違和感の少ないドライビングが可能となる。長時間の運転でも疲れにくく、初めて手動運転装置に触れる人でも短時間で操作に慣れる完成度を備えている。 家族とのシェアができる「手動/通常運転」の簡単切り替え SeDVの大きな特徴は、手動運転と通常のペダル運転を簡単に切り替えられる点だ。これなら、家族や友人とのドライバー交代も容易である。手動運転モードでは、レバーブレーキを前方へ押し込んでロックし、その状態でイグニッションを入れることでアクセルペダルが無効化され、リング式アクセルによる加速が有効となる。反対に通常運転への切り替えは、フットブレーキを踏み込んだ状態でイグニッションを入れるだけでよく、特別な操作を必要としない。このシンプルな切り替え方式により、手動運転装置は「特定の人だけが使う特殊機能」ではなく、家族全員で共有できる「運転方法のひとつ」として成立している。 車いすは助手席側後席に 車いすは助手席側後席に載せる方式である。まず助手席の背もたれを前方へ倒し、続いて運転席の背もたれを後方へ倒す。この助手席前倒しレバー(オプション)は運転席側から操作できるよう配置されており、乗車位置を変えることなくシート調整が可能。車いすは折り畳んで引き上げ、ドライバーの身体の上を通す形で助手席側後席へ積載する。また、車いす利用者が助手席へ移乗し、他の人が運転する場合を想定し、シート調整レバーは通常どおり助手席側にも備えられている。移乗ボードも助手席側に設置することも可能だ。... ...
On 2025年12月25日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/12/9(火)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今回も行ってきました! ここではデイサービスの現場で車いす利用者を快適に乗降できる日産セレナ チェアキャブ リフタータイプをレポートします。 施設送迎を支える、実用性を突き詰めたモデル 近年、住宅地などでは朝になるとデイサービス施設の送迎車が行き交い、その影響で道路が混雑する光景が当たり前になった。こうした状況において、利用者を安全かつ効率的に迎えに行くための車両に対する需要は確実に高まっている。日産セレナのチェアキャブ リフタータイプは、まさにそうしたニーズに応えてくれる1台だ。 今回の国際福祉機器展では実車が展示され、リフターのデモンストレーションが行われると多くの来場者が足を止めて注視した。スライド式で滑らかに作動するリフト、車内レイアウトの使いやすさ、そして日々の送迎業務を想定した操作のシンプルさなどが、とくに介助・介護の現場に携わる人々の関心を集めたに違いない。 福祉車両市場では、軽自動車や小型車などさまざまなモデルに車いす仕様が設定され、その主流はスロープ仕様である。だが、デイサービスなどの事業用となると、さまざまな体格の利用者や種類が多様化する車いすに対応することは容易ではない。快適さや効率性からミドルサイズのワンボックスが選ばれやすいという。一般ユーザーに人気の高いコンパクトモデルではサイズが不足し、逆にゆとりのスペースを誇るハイエースやキャラバンとなると、取りまわしの観点から大きすぎるということだろう。そこでミドルサイズのミニバンとして絶妙なサイズ感なのが日産セレナである。現在、送迎ドライバーには女性スタッフが多くなっているという背景もあり、スロープタイプのように車いすを押し上げる体力が不要で、リフトの上昇・下降はリモコン操作で行えるリフタータイプの需要は少なくない。リフトの昇降能力は170kg(電動固定装置選択時は160kg)と力強く、リクライニング式の大きめの車いす(全長1245mm、着座全高1180mmまで)や、足が曲げられず座位の角度調整が必要な利用者にも対応できる安心感がある。リフターの突出も1670mmに収められ、スロープタイプの1415mmと比べてもさほど大きくはないのも魅力だ。 初めてでもわかるシンプルな操作方法 まず、後部のフラッパーを手動で開き、ロックを確実に行う。続いて車いすをプラットフォーム中央に載せ、手動式固定装置で4点を締め、乗員には腰ベルトを装着してもらう。そして、このリフタータイプの核となるのが「全自動リフター」である。操作はリモコンで上下の昇降を行い、リフターが上がるとプラットフォームが車内へスライドし、そのまま乗車スペースに移動する。車内へ入ると肩ベルトをして準備完了だ。降車時もこの手順を逆に行えばよく、動きは滑らかでストレスがない。毎日の送迎で繰り返しても負担が少ない操作性は、忙しい送迎の現場では大きなメリットになるはずだ。 価格は、2WDのベーシックモデルが327万5000円で、4WDは350万円台から。そして、e-POWERモデルは370万円台から。福祉車両特有の8ナンバー登録により、自動車税と自動車重量税が軽減され、任意保険が若干安くなる場合もあり、長期的な運用コストは抑えられる点も見逃せない。快適性の高さ、取りまわしのしやすさ、介助者負担の少なさ。セレナのチェアキャブ リフタータイプは、利用者だけでなくドライバーや介助者の負担にも配慮した場合、送迎現場を強力にサポートする実力派モデルとして最適解といえそうだ。 ...
On 2025年12月9日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/11/18(火)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここでは自操式運転補助装置で有名なFUJICONが提案する、車いすユーザーがひとりで車いすの収納、運転ができる室内クレーン仕様車をレポートします。 福祉車両の運転補助装置を語るうえで、FUJICON(フジコン)の名を知らない人はいないだろう。ハンドコントロールレバーやステアリングノブなど、自操式運転補助装置の分野で開発と実装を続けてきた老舗メーカーは、今回ホンダ フリードをベースにした室内クレーン搭載モデルを出展した。 フリードはリヤが電動スライドドアとなっており、そこにアクセスできる車内収納用クレーンを装着。これは、車いすユーザーが介助の手を借りずに自分の力で車いすを車内に収め、運転できるようにするための装置だ。 車いすユーザーの「自分で積み、自分で走る」を実現 クレーンは、Bピラーの内側やルーフフレームにボルトで固定されるため、ユーザーの乗車姿勢や車種に合わせてアームの長さや角度を調整するオーダーメイドとなる。モーター駆動によって車いすを吊り上げる一方で、アームの回転操作は手動とし、軽量でシンプルな仕組みを実現している。最大引き上げ能力は最大30kgで、一般的な手動車いすであれば十分に対応可能だ。 実際の操作手順も明快。ユーザーは車いすで運転席横に進み、シートへ移乗。運転席後方に設置されたクレーンアームを外側へ回転させ、車いすをワイヤーフックで固定する。その後、リモコンのスイッチを押して電動モーターが車いすをゆっくりと吊り上げ、アームを室内側に回転させて収納。この一連の動作がひとりの力で、安全かつ短時間で完結するように設計されている。 従来、車いすを運転席から自力で収納するには、車いすを持ち上げて体の前を通して助手席側に置くタイプや、リフトで車いすを吊り上げて、ルーフ上部に設置された収納ボックスに収めるものなどがあった。ユーザーにとっては、車いすを自力で引き上げて横に移動させたり、大がかりな装置によってコストが高くなったり、また収納までに時間を要するなどの負担があった。今回のFUJICONの装置は、運転席の後ろへ自然かつ短時間で引き込む方法を模索。この商品が誕生した。 ヨーロッパでは以前から同様の室内リフト装置が存在するが、構造がやや大掛かりでコスト面でハードルが高いケースも多い。FUJICONの室内クレーンは、そうした海外製品に比べて小型・軽量・実用的で、日本のユーザーの生活環境に寄り添った提案として注目を集めそうだ。価格は32万円~。 運転席には、同社が長年改良してきた自操式運転補助装置が搭載されている。運転者の身体特性に応じて調整、レイアウトが可能で、操作時の負担を最小限に抑えながらも、「自分で運転している」という実感が持てるように設計されている。 少数精鋭のエンジニアを擁するフジオートは、1970年代から福祉車両の開発、改造に携わってきた国内有数の専門メーカー。FUJICONのブランド名のもと、ハンドコントロールをはじめアクセル・ブレーキ補助、スロットルモジュール、車いす昇降装置など、多岐にわたる製品を自社で設計、製造しており、各製品はすべて国内の道路交通法および車検基準に適合する形で開発されている。安全性と信頼性でユーザーから支持され、多数の納入実績を持つ。今回の室内クレーン搭載モデルは、長い経験を背景に「自分の力で移動したい」というユーザーの願いを現実的に叶える1台となっている。 ...
On 2025年11月18日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/11/14(金)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここではトヨタ アルファードの新しいリフトアップシート(開発中)をレポートします。 今回のトヨタブースでは、開発中の「リフトアップシート コンセプト(2モードタイプ)」を装着したアルファードを発見。これは「助手席リフトアップシート車」(助手席が電動で回転し、車外へ大きくスライドダウン。車いすからの移乗をスムーズにするタイプで、現在はルーミーに設定)と、「リフトアップチルトシート車」(シートが電動で回転して車外へスライドダウン&チルト。立ち上がりや着座をサポートする仕様で、助手席タイプはノアとヴォクシー。サイドタイプはアルファードに設定)の機能をひとつにまとめたもの。 具体的に言うと、現状では高齢の方など足腰に不安があるけど、車いすを使うほどではない方にはチルトシート車。対して車いすの方にはリフトアップシート車の2タイプを用意されているわけだが(助手席ターンチルト車をのぞく)、この2タイプの機能がひとつのシートで実現しようというのが、この2モードタイプというわけだ。 このシートの複雑な動きをひとつのシートで実現できた理由は「リフトアップユニットの薄型化」。現状はリフトアップユニットとチルトユニットは別々なのだが、リフトアップユニットの薄型化することで、2つのユニットをひとつシート下に収めることに成功。ちなみに、シートクッション厚などは従来のままで、乗り心地の悪化はないとのこと。 トヨタでは、チルト/リフトアップの2モードタイプはアルファードのようなスライドドア仕様の車に。またリフトアップモードはさまざまなクルマへの装着をイメージしているという。これは長年福祉車両と向き合っているトヨタらしい、画期的な装備になると思った。正式デビューに期待したい! ...
On 2025年11月14日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/11/3(月)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここではトヨタ ノア/ヴォクシーに新たに登場した「ショートスロープ」をレポートします。 現行モデルである3代目シエンタが登場した2022年7月、数あるビリーヴカー(福祉車両)のなかでも画期的といえる1台が加わった。それが「ショートスロープ」だ。このモデルは、車いすの乗り込み時間を大幅に短縮できることから、頻繁に車いすユーザーの送迎を行うデイケアサービスなどで大活躍すると期待がよせられてた。その後、予想どおりプロユースで重宝されることになったわけだが、同時に一般ユーザーの関心も大きく集めることになったという。 そして、今回ノア/ヴォクシーの一部改良(2025年9月2日)の際、「ショートスロープ」が加わったわけだ。対象となるグレードは「ノアタイプI、タイプII(サードシート付き)」、「ヴォクシータイプI(車いす1名仕様)」となる。 車いすを乗せるときに、30%ラクになった 今回ノア/ヴォクシーの「ショートスロープ」は、新たに2段折れのパネルを採用したことがシエンタとの違い。パネルを2段階に展開することによって、後端の高さを150mmにおさえることとなり、乗降時の介助者の負担をより低減することにつながっている。具体的には、スロープに前輪を乗せた後、後輪を乗せるときの力を30%ほど低減することに成功したという。 また、乗降時の作業を手動で行うことに不安なひとに対して、電動ウインチも装着可能(メーカーオプションで設定)。一定の距離をアシストしてくれる「自動モード」も加わった。さらに、リモコンを持ちながら車いす乗車を行う不安を解消するために「リモコンをホルダー」も追加。これはホルダーにリモコンを固定させることで、両手がふさがらずより安心して乗降作業をアシストすることができるようになった。 シエンタの「ショートスロープ」はトヨタとして初の試みであり、プロユースを想定していたが、思いのほか一般ユーザーからの問い合わせが多いことから、今回ノア/ヴォクシーにも車種を拡大したという。 ...
On 2025年11月3日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/10/27(月)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に、今年も行ってきました! ここでは、車いすを一瞬で車両に固定してしまうDAHL ENGINEERING(ダール・エンジニアリング)のドッキングシステム、その最新技術をレポートします。 乗車時の車いす固定に煩わしさを感じるユーザーは少なくない。それをシンプルかつ確実に解決するのが「ドッキングシステム」だ。長年にわたって車いすと車両を安全に接続する技術を磨いてきたヨーロッパ屈指の専門メーカー、DAHL ENGINEERING は、欧州各国の自動車メーカーとも数多くの共同開発実績を持つ。ドッキングシステムの中核は、高強度スチール製のロックユニットと精密なセンサー群。車いす下部のアタッチメントをセンサーが認識すると、自動的に位置を補正し、一定以上の荷重を感知した時点でロックが完全固定される仕組みだ。驚くべきは、この一連の動作が電気的制御ではなく完全な機械構造によって実現されている点。そのため停電やシステム異常が起きても、手動で確実に解除できる設計になっている。また、寒冷地や高湿度などの厳しい環境下でも長年使用されており、耐腐食性とメンテナンス性の高さが実証済みだ。こうした「信頼できる品質」こそが、DAHLブランドの代名詞であり、リハケアの会場でも常連メーカーとして常に注目を集めている。 あらゆる車いすに対応する新技術「MADS」 今回の展示で話題をさらったのが、DAHLが新開発した車いすとドック(受け側)の間に入るアダプター「MADS(Multi Adjustable Docking System)」と床面に設置されるドックの「VarioDock」。MADSは車いすを接続するためのアダプターのようなもので、さまざまな車いすの形状に合わせて、取付角度や高さ・長さを機械的に微調整できるのが特徴だ。従来はドッキングシステムの対象外とされてきた折りたたみ式や手動式の車いすにも対応できる。一方のVarioDockは、モーター駆動による高さ調整機能付き(61~91mmの範囲で可変)で、地上高が異なる車いすの場合でもスムーズに固定できるというもので、この2つの組み合わせで、ほぼすべての車いすを素早く車両に固定することができる。従来の4点ベルト式リトラクターシステムに比べて、固定作業時間は約75%短縮されるという。 MADSブラケット部分は工具不要で取り付け・取り外しができ、折りたたみ式車いすでも日常的に使いやすい設計となっている。日本では軽量な手動式車いすを日常的に使うユーザーが多く、とくに都市部では折りたたみ式の需要が高い。そのような利用環境でも、自分の車いすをそのまま愛車にドッキングできるMADSは、手軽で安全な乗降を実現する革新的技術として大きなニーズが期待される。 VarioDockはまた、車両内で自由に動かしたり脱着したりできる3点式シートベルトを内蔵するタイプの座席にも対応しており、自在に車いすと座席を簡単に入れ替えることができる唯一のシステムでもある。 高い可変性を実現するためには、可動部分のガタつきを最小限に抑えつつ、固定後も十分な強度と安定性を保つ設計が求められる。DAHLはこの課題に対し、可変部材やロック機構に独自の工夫を加え、長期使用にも耐える構造を実現している。このMADS独自の構造は現在特許出願中であり、製品化への期待が高まっている。 DAHL ENGINEERINGは、1987年にデンマークで創業した老舗のモビリティ技術メーカーである。車いす固定システムや車載安全技術を専門とし、欧州の主要自動車メーカーとの技術提携を多数行ってきた。同社の製品は、ドイツのTÜV(テュフ)認証をはじめ、欧州規格ISOおよびクラッシュテスト(衝突試験)をクリアするなど、国際的にも最高水準の安全性を誇る。さらに、DAHLのシステムは単なる製品ではなく、モジュール式の安全プラットフォームとして設計されており、車種や車いすのタイプに応じて柔軟にカスタマイズできるのが大きな特徴だ。メーカーごとに適合した車いすモデル一覧を公開するなど、ユーザーが自由に車を選べる環境づくりにも力を入れている。 ...
On 2025年10月27日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/10/22(水)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に今年も行ってきました! ここでは「ジョイスティックでクルマを自在に操る」未来的な運転システムの「Space Drive」をレポートします。 ジョイスティックで操る「走る自由」 ジョイスティックでクルマを自在に操る。その革新的な操作性に、多くの来場者が足を止めていたのがPARAVAN(パラバン)のブースだった。ここで展示されていたのは、手もとの小型ジョイスティックで走行・停止・旋回を制御できる車両。PARAVANが誇るドライブ・バイ・ワイヤ技術を用いたシステム、「Space Drive II」だ。ドライブ・バイ・ワイヤとは、従来のようにステアリングやペダルをワイヤーや油圧で直接つなぐのではなく、電子信号によって制御する方式。ジョイスティックや音声、アプリ操作によって車両のすべての動きを電気的に操ることができる。 電気信号で「走る・止まる・曲がる」 通常のクルマは、ステアリングやブレーキが機械的に接続されているが、Space Driveではそれらをすべて電子信号で制御。ドライバーのわずかな操作が瞬時に信号へ変換され、モーターがブレーキやステアリングを正確に動かす。操作のインターフェースはジョイスティックだけでなく、小型のタッチパッドや回転ノブ、音声入力装置などにも対応する。小さな力しか出せない人でも運転操作をスムーズに行えるように設計されており、「すべての人に移動の自由を」という理念を体現している。PARAVANの車両にはステアリングも備わっているが、ジョイスティックのみで操作することも可能。ドライバーの身体の状態に応じて、従来のハンドル操作とジョイスティック操作を選べる柔軟性もSpace Driveの大きな魅力だ。 安全性を支える制御システム Space Driveは、ブレーキ及びステアリングを常時監視し、異常を検知した場合には自動的に安全モードへ切り替わるシステムである。担当者は「3重の制御ユニットで構成されており、ひとつが故障しても残り2つが即座に補完する」と説明する。これこそが本システムにおける安全性の中核となっている。PARAVAN社のSpace Driveは、2000年代初頭に登場したドライブ・バイ・ワイヤ技術の先駆者である。初期モデルは試作段階であったが、改良を重ね、第2世代の「Space Drive... ...
On 2025年10月22日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/10/20(月)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に、今年も行ってきました! ここでは、車いす対応にカスタムされたID. Buzzをレポートします。 メーカーではなく、カスタムビルダー 「REHACARE 2025」の広い会場でひときわ大きな注目を集めていたのが、ドイツ西部ノルトライン=ヴェストファーレン州に本拠を置く Sodermanns Automobile(ゼーダーマンス・アウトモビーレ) のブースだ。中央にはフォルクスワーゲンの電動ミニバン「ID. Buzz」をベースにした車いす仕様車が展示され、周囲にはひっきりなしに来場者が集まっていた。 Sodermanns Automobileは、ドイツ国内でも屈指といえる福祉車両のカスタムビルダーだ。特徴的なのは、自社で製品を製造するのではなく、各メーカーの装置を組み合わせ、個々のユーザーに最適化した車両をコーディネートしていくことにある。 Sodermanns Automobileが車いす仕様車として提案しているのは、電動展開スロープ、床面の低床化、センサー連動の車いす固定システム、電子制御ハンドコントロールユニット、回転・昇降式シート、スロープとスライドドア動作の同期、電源強化および複数装置を制御するコントロールユニット、ジョイスティック・呼吸スイッチ等の補助操作インターフェース、フットスペースの拡張、ペダル配置の調整、視界補助カメラ、障害物検知センサー、介助者の操作簡略化機能(プリセット動作)、内装最適化(手すり、滑り止め床材、収納)などと非常に多岐にわたるが、今回展示されたID. Buzzにはその多くが装備されている。まさにフルコーディネートされた究極の車いす仕様車と呼べる1台だ。 なお、Sodermannsでは車両のカスタムだけでなく、運転免許の取得支援や助成金の申請手続き、購入後の乗り心地調整対応、そしてアフターメンテナンスまでを一貫してコーディネートしている。 欧州と日本における福祉車両の違い 欧州では、ユーザーそれぞれの身体条件や生活環境に合わせて装備を柔軟に組み合わせる「コーディネート」が主流だ。Sodermanns... ...
On 2025年10月20日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/10/11(土)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に今年も行ってきました! ここでは折りたたみ式電動車いす VOLKS ROLLI(フォルクスロリ) をレポートします。 軽量かつ折りたたむことができる Fellerhoff MED TEC(フェレルホッフ・メドテック)が開発したVOLKS ROLLIの最大の特徴は、電動車いすながら折りたたたむことができ、その状態でも電動で車輪を動かすことできることだ。ん? どういうこと? と思うかもしれないが、そのメリットは、ハッチバックのフォルクスワーゲンゴルフに装着されたスロープを登っていくVOLKS ROLLIの写真をみればわかるだろう。つまり、車両積載時に折りたたんでコンパクトになった車いすを、スロープを使ってスマートにラゲッジに収納することができるというわけ。車いすを車両に積み込むのは非電動でも面倒な作業で、重量が増す電動車いす場合はなおさら。そして、車両への積載もミニバンタイプじゃないと難しかった。その意味で、この製品は革新的といえる。 VOLKS ROLLIの本体重量はわずか28kgで積載荷重は150kg。最高時速は6km、航続距離は24kmを誇る。バッテリーはフレーム左右にそれぞれ収められているのが特徴。そして、折りたたみ機構もシンプル! アームレストは跳ね上げ可能でフットレストも収納できるため、クルマはもちろん電車移動も可能だ。使いたい場所へ持ち運ぶことができる。 操作はジョイスティックによる前後左右のコントロールで、操作感は軽く直感的。座面の高さ(55~59cm)や幅(49~59cm)は調整可能で、ユーザーの体格や好みに合わせられる。「だれもが気軽に持ち運べる電動車いすをつくる」というメーカーの理念が細部にまで反映されている。 未来のスタンダードへ ドイツ西部のボーフムに本社を置く医療機器メーカー Fellerhoff... ...
On 2025年10月11日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.
