文と写真●Believe Japan 今回のモーターショーで未来の公共交通として新世代のタクシーとバスを発表したトヨタだが、パーソナルモビリティの提案として大きく注目されたのが「コンセプトカー「Concept-愛i RIDE」だ。 「すべてのひとに移動の自由と喜びを」という発想に基づいて開発されたコンセプトカーシリーズ「TOYOTA Concept-愛i」は、車いすを利用する方や高齢者の方なども自由に移動できるパーソナルモビリティだが、なかでもシリーズを代表する非常にコンパクトな四輪モデルがこの「Concept-愛i RIDE」だ。 全長2.5m、全幅1.3m、全高1.5mというミニマムサイズのボディは、一般的なクルマ1台分の駐車スペースに駐停車して、車いすユーザーの乗降が可能だ。目の前にすると本当にコンパクトなのだが、キャビンは車体の前方まで広げられ、大人2名が快適に移動するのに十分な広さが確保されている。そして次に、大きく開くガルウィングドアと左右にも大きくスライドする電動シートによって、車いすからの乗降がとてもスムーズに行える。 ガルウィングドアに備えられたフックに車いすをつけて、ドアの開閉を利用して車いすの積み下ろしを容易にしている。 運転席が横にスライドして、車いすのスペースが作られる。そして、床部分が後方にスライドすることで簡単に後部に収納することができる。多くの車いすユーザーが気軽に乗車し、運転できるように設計されているのだ。 インパネは大型ディスプレイのみのシンプルで未来的なデザインで、「人を理解するエージェント」が搭載されている。これは「人工知能(AI)」がドライバーの感情を認識、推定するもので、人間の気持ちを理解して先回りの提案を行うように設計されている。「人を理解する」技術と先進の自動運転技術を組み合わせることで、ドライバーと乗員に深い安心感を与えてくれる。人を理解するパートナーとして、新しい時代のクルマ像を提案している。 人工知能のエージェントは、車内のディスプレイだけでなく車両フロント部に設置されたディスプレイを使って、周囲のドライバーや歩行者などに向けてメッセージを発信することもできる。たとえば駐車場に同じ車両がたくさん並べられているような状況でも、ドライバーを認識してここに名前を表示して誘導することも可能だ。さらに人工知能は高度な学習機能を持つため、ユーザーに役立つ最新のバリアフリー情報なども自ら提供し、誕生日なども覚えていてくれる。 「運転操作は運転席の肘置きの先端に備えられたジョイスティックで行い、ステアリングやアクセル、ブレーキペダルが不要となり、多くのひとが安心して運転できるクルマとなっています」と説明するトヨタ未来プロジェクト室 TOYOTA... ...
On 2017年11月9日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 超高齢化社会に向かっていく日本では、すでに介護される方も介護する方も共に高齢者という「老老介護」の状況が広まっている。そんななか今回のモーターショーでホンダが発表した電動車いすのコンセプトモデルが、注目を集めていた。 「人と人の触れ合い」をテーマにした電動車いす「ふれモビ Concept」は、1人乗りの電動車いすとほぼ同じサイズで前後2名乗車を可能としている。2人での移動が気軽にできることで、積極的に外出したくなることを目指して開発された。 開発デザイナーがスーパーマーケットで「お年寄りのご婦人が買い物カゴを持ちながら、旦那さんが乗った車いすを押している」光景に出会い、アイデアが生まれたというタンデムスタイルの車いす。年齢を重ねてもパートナー同士が、あらためて一緒にいる安心や幸せを感じられ、「一緒に出かけることが楽しみになる」モビリティとして開発されたという。 2人乗車でも力強く滑らかに走行する。展示車はリモコン操作によって走行し、本体に操作系は見当たらない。方向転換は後輪で行い、将来的には自動運転も視野に入れているという。 後ろへの乗り込みはワンタッチで行える。ステップも低くアクセスがよい。 開発者による初期のスケッチには、明るい表情で一緒の車いすに乗りながら元気に買い物をする老夫婦の姿が描かれている。 デモンストレーションには、コンパクトな電動パーソナルモビリティ「チェアモビ Concept」と、人とコミュニケーションがとれるAIロボット「Ai-Miimo Concept」が登場した。 「チェアモビ Concept」は狭い所の移動もスムーズな小まわり性が特徴で、屋内から屋外まで気兼ねなく使えるチェア型のモビリティ。坂道でも座面を水平に保つ機能、高さ調節機能も備える。さまざまなシーンで歩行者同等のフレキシブルな動きを発揮する。 電動で自走しながら芝刈りをする「Miimo」をベースにAIを搭載した「Ai-Miimo... ...
On 2017年11月7日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、ダイハツ ダイハツは今回の東京モーターショーで、少子高齢化や働き方の多様化といった、今日の日本社会が直面するさまざまな課題や環境の変化に対応したコンセプトモデルを4台発表した。いずれも車名には「DAIHATSU NEWNESS」の略である「DN」の2文字が付けられているが、ここでとくに注目したいのは、車いすの乗り降りも手軽で幅広い業種や用途に対応できる軽自動車「DNプロカーゴ」。未来の働く人のパートナーとなることを想定した軽自動車規格の商用電気自動車(EV)である。 DNプロカーゴは、電気自動車ならではの低重心やフラットな低床構造によって、拡張性と使い勝手のよさが追求されている。また後部に電動リフトが設置されているので、車いすでの乗り降りがしやすく、重い荷物の昇降もスムーズに行える。床が低いことで車内空間は広く、またフラットなために車いすでも車内での移動、作業が快適に行えるのが特徴だ。 低床のため、車体下部から出てくるリフトですぐに昇降できる。リフトの操作は、車体に付いたボタンで簡単に行える。操作も非常にわかりやすい。 横開きのバックドアは女性やお年寄りでも強い力を入れずに開閉できる。 DNプロカーゴは100%EV(電気自動車)。ダイハツでは「狭い地域を移動するには、自宅や会社などで手軽に充電できるEVのほうが適しており、さらにクルマが電源となることで、さまざまな電子機器を車内で使用することができる」と説明する。実際に軽自動車のサイズを生かして、住宅地の細い路地や農村のあぜ道でも気軽に移動できるだろう。 運転席と助手席の間の床下に電気モーターを置き、バッテリーも床下に平らに敷くことで低床化を実現している。車内の広さに加えて走りの快適さも大幅にアップしているという。 フラットなフロアはウォークスルーも可能で、1600mmの室内高は目的地に着くと部屋やお店として使うことができる。目的に合わせて車内のレイアウトを手軽に交換できる「マルチユニットシステム」が採用され、幅広く「プロ」の要求に応えていくという。DNプロカーゴのコンセプトは「走るお店・オフィス」だ。 車いす2台を搭載して、快適に移動することができる。... ...
On 2017年11月6日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 独創的な造形のコンセプトカーが数多く展示されるモーターショーだが、なかでもでひときわ異彩を放っていたのがトヨタが発表した次世代バスのコンセプトモデル「SORA(そら)」だ。 近未来的なデザインのSORAは、水素を燃料として電気で走行する燃料電池バスで、車いす利用の快適性も大きく高められている先進性が特徴だ。おおよそのサイズは全長10.5m、幅2.5m、高さ3.3m。定員は座席22名、立席56名、運転手1名の計79名となる。 排出されるのが「水」だけという優れた環境性能を誇る。また、コンセプトモデルではあるが、2018年の春先に発売される予定ということで、事実上の完成形ともいえる。 ボディ内外の各部から伝わってくる質感の高さと先進性に、マスメディアだけでなく一般の来場者も興奮の面持ちで車内に乗り込んでは、座席に腰掛けたり熱心に写真を撮影していた。車両中央部は、進行方向左側の一列のみを座席として、車いすやベビーカーでの快適な乗車に対応している。 車いす2台を簡単に固定できる装置が備えられている。手すりや停車ボタンもそれぞれの利用者が使いやすいように配置されている。 大気中から取り込んだ「酸素」とタンクから供給される「水素」を「FCスタック」という発電装置に送り、化学反応によって「電気」と「水」を取り出すのが、燃料電池「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」だ。発生した電気を動力源としてSORAは走行する。水素の充填にかかる時間はガソリンや軽油の給油とほとんど変わらず、EV(電気自動車)の充電と比べてはるかに短い。 SORAは「受け継がれていく街のアイコン」という開発コンセプトによって作られ、「社会の奉仕車」と「人を中心に据えたユニバーサルデザインと機能」という2つのテーマを追求している。開発主査を務めるトヨタ自動車先進技術開発カンパニー BR次世代車両企画室の権藤憲治氏は、「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京都を中心に100台以上のSORAを導入する予定です」と語る。 まず、SORAは「社会に奉仕」する車両として、燃料電池車として走行時にCO2や環境負荷物質を排出しないという優れた環境性能を実現していること、大容量の外部給電システムを搭載し、災害時に電源としての利用が可能となっている。 そして「ユニバーサルデザインと機能」という観点では、以下に挙げるとおり利便性と安全・安心にこだわり、すべての利用者が「乗ってよかった。また乗りたい」と思えるバスを目指している。 車両の内外に配置された8個の高精細カメラが、周囲の歩行者や自転車などの動体を検知して運転手へ音と画像で知らせる周辺監視機能を搭載し、安全性が向上する。 モーター走行のため変速ショックがなく、急加速を抑制して緩やかな発進を可能にする加速制御機能を採用、車内で立っている乗客の安全性にも配慮している。... ...
On 2017年11月4日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.