文●Believe Japan 写真●Believe Japan、Elbee Mobility
前回のREHACARE(リハケア)でも注目を集めていたが、多くの来場者が集まっていたのがチェコのマイクロカー「Elbee(エルビー)」のブースだった。Elbeeは前方に伸びるスロープから車いすに座ったまま乗り込むことができ、運転操作は手だけで簡単に行える「自律型」のコンパクトモビリティ。いつでも好きなときに「だれの手伝いもなく」出かけていくことができる!
何よりも画期的なのは、乗り降りの簡単さだ。乗車はリモコンキーを操作してフロントドアを開け、ウインチ機能がついたスロープに車いすを後ろ向きにして接続するだけ。スロープを上がり、車内に乗り込む流れとなる。そして、フロントドアを閉じると、そこが運転席となる。乗り降りの動作には無理がなく、介助がなくても自由に出かけることができる。
車いすは、「ISO7176-19(モータービークルの中で使用するための車輪付きモビリティ装置)」の規格に適合しているものであれば、手動式、電動式共に乗り込むことができる。カチッとワンアクションでトレー状のキャリアーに取り付けられると、電動のウインチで車内まで引き上げられる。
Elbeeへの乗り込みのスムーズさはこちらの映像でチェック!
アルミニウムフレームと複合素材により軽量で強固なボディを持ち、300ccのガソリンエンジンを搭載し、最高時速は80㎞。都市部や一般道でのモビリティを想定しているので、十分な性能といえるだろう。また燃費もガソリン4.5Lで100kmを走行できるなど優秀だ。
会場に展示されていた車両はモノトーンのグリーンメタリックだったが、ボディカラーは、上下に分けて選べ、さらにはデザインアクセントなど、それぞれ30色以上から指定することができる。パーソナルなモビリティアイテムなので、カラーリングにも気が配られている。
ドライバーに合わせて、操作系などは細かくカスタマイズすることが可能。
またドアにある緊急リリースレバーは、圧縮空気を使用して簡単にドアを開けることができる。
全長2.5mに満たないコンパクトなボディだが、車いすの後方に折り畳み可能な座席が装備されている。2名乗車が可能で、買い物した荷物を置く便利なスペースとしても活躍してくれそうだ。「製品自体は3年前に開発されていたのですが、マーケティング部門を本格的に立ち上げてリリースしたのは今年になります。すでに20台を販売しています」と語るのは、乗り降りを実演してくれたマーケティング責任者のヤクプ ホラックさん。Elbeeは現在、チェコ、スイス、フランス、イタリア、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの7カ国で販売されているが、今後さらに新たなマーケットを開拓していきたいとしている。またElbeeでは現在、さらなる改良を行なっており、新しいエンジンなどのテストを行なっていることを明らかにした。
Elbee Mobility Elbee
全長×全幅×全高:2479mm×1330mm×1725mm
車内幅:770mm
重量:400 Kg
エンジン排気量:300cc
最高速度:80km/ h
価格:2万2000ユーロ(およそ293万円、2017年11月16日現在)
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