文●Believe Japan 写真●Believe Japan、GOLDEN
今日、電動車いすの普及がめざましい勢いで進んでいる。モーターやバッテリーの軽量スリム化によって手軽に扱えるようになったのもちろん、効率化も進み、1回の充電で走行できる距離が飛躍的に伸び、充電時間も短縮されている。今回のMedtradeでも、電動車いすを試乗する来場者の姿が多く見られた。
ここで紹介したいのは、重量わずか56kgと世界最軽量級の電動車いす「LiteRider Envy(ライトライダー・エンヴィ)」。ペンシルベニア州にある全米最大級の車いす、リフトチェアメーカー「GOLDEN(ゴールデン)」が開発生産する電動車いすで、使い勝手のよさと、クルマ社会アメリカならではの「簡単にクルマに積める」ことが特徴となっている。
分割してクルマに積める
GOLDENではLiteRider Envy(ライトライダー・エンヴィ)を「世界で最も軽く、持ち運びができて操作が簡単な電動車いす」としている。
クルマ移動が一般的なアメリカらしく、わずか10秒ほどで4つのパーツに分割でき、ラゲッジルームの小さなクルマはもちろん、室内のレッグスペースやシートの上にも置くことができる。分割したパーツの最も重い部分の重さはわずか16.8kgで、多くの人がひとりでクルマに積める重さになっている。
まずシートを外して、その下にあるバッテリーを取り外す。
続いてモーター&駆動輪を本体フレームから外す。
すると、この通り。小さな4つのパーツに分割でき、軽々と、狭いスペースに搭載することができる。
「スタジアムスタイル」と呼ばれるシートは、軽量シンプルながら座り心地は快適。また、操作がわかりやすく気軽に扱えるのが大きな魅力となっている。歩くのが困難になってきた高齢の方や「電動車いすは初めて」という方に適しているのが、このLiteRider Envyといえるだろう。
販売部長のジャスティン・ブランチャードさんは「持ち運びも、組み立ても簡単なこの電動車いすがあれば、これまで家族とドライブに出かけて、途中に立ち寄る場所などで、クルマで待っているから、などと言う必要もなくなるでしょう」と語る。クルマ生活に溶け込んだ電動車いすなのだ。
LiteRider Envyは多彩なカラーも楽しめる。標準色の「Paradise Blue」と「Cherry Red」に加えて、限定色の「Envy Green」、「Satin Silver」、「Solar Flare Orange」、「Sunburst Yellow」が設定されている。
持ち運びがラクで、操作が簡単な電動車いすLiteRider Envyは、本体自体は非常にシンプルに作られるものの、さまざまなアクセサリーが用意されている。一般的な歩行器を取り付けて運ぶことができる丈夫な金属製ホルダーがその一例で、その他に酸素タンクのホルダー、買い物などの荷物を入れるためのバスケットなどを使い方に応じて選べる。
リフトチェアメーカーとしてスタートした1985年の設立時から「メイドインUSA」にこだわるGOLDEN。縫製や組み立てなどの製造を、400人以上の職人たちが手作業で行っている。
【LiteRider Envy 仕様】
バッテリー: 22Ah × 2
最大荷重:136kg
航続距離:25km
最低地上高:6.4cm
最小回転半径:66cm
最高速度:5.6km/h
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