文●Believe Japan 写真●Believe Japan、Enhanced Mobility
都市部や建物内で、歩行が困難な高齢者などの移動をサポートするモビリティに求められるのは、何よりも軽量コンパクトであること。また、簡単に素早く折り畳みや展開ができることも必要になる。
Enhanced Mobility(エンハンスド・モビリティ)の電動スクーターは、それらの要望を実現した製品といえるだろう。折り畳み式の電動スクーター「トランスフォーマー」は、電動で折り畳みが可能。折り畳むと、小型のスーツケースのように「手荷物」として、航空機や船舶での移動にも便利なように設計されている。(編集部注:機内への持ち込みについては航空会社へ要確認)
電動で折り畳める
こちらは展開されて、走行できる状態。ハンドルが付き、両足を揃えて乗る「スクータータイプ」の電動モビリティだ。
折り畳みを開始すると、まず電動でフロアのパネルが跳ね上がり、シートは後方に傾いていく。
みるみるうちに折り畳まれコンパクトになっていく。
そして、折り畳み完了。コンパクトに折り畳まれ、スーツケースのように引くことができる。公共の交通機関を利用できるようになり、行動範囲を大きく広げてくれるはずだ。
トランスフォーマーは、重量24kgと非常に軽い。バッテリーは軽量のリチウム電池を使用し、1回の充電でおよそ20kmを走行することが可能。最高速度は6km/hとされている。折り畳み、展開はリモコン操作でも行え、ユーザーひとりでの移動も考慮されている。トランスフォーマーはコンパクトながら、大柄なひとも多いアメリカということもあってか、136kgの最大荷重を誇る。
セールス部門のジョン・ホーランドさんは「折り畳み式のモビリティは、通常ユーザー自身がするのも大変ですし、ほかの人に手伝ってもらうにも、操作や手順を説明しなければなりません。ですが、トランスフォーマーならば、リモコンで簡単に操作できます。ストレスの少ない移動を可能にしてくれます」と、その魅力を語る。
ハンドル部分に集約されたスイッチ類。キースイッチやスピードコントローラー、バッテリーメーター、ホーンと非常にシンプルで、だれもが扱いやすいように設計されている。
Enhance Mobilityは、アメリカ、カナダで折り畳み式電動スクーターを取り扱う販売代理店で、トランスフォーマーの製造は中国企業のSolax(ソラックス)が行っている。北米市場では現在、電動で折り畳めるトランスフォーマーのようなモデルは、ほとんど普及していないという。ホーランドさんは「歩行困難の症状がさほど重くない方、短い距離での移動がメインな方などから、大きな注目を集めるはずです」と、今後の展開に自信をのぞかせる。トランスフォーマーは、アメリカ国内でおよそ24万円で販売されている。
【仕様】
バッテリー: 25.9ボルト、10アンペア
最大荷重:136kg
航続距離:20km
最小回転半径:140cm
最高速度:6.4km/h
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