文と写真●Believe Japan
まるで歩くように、身体を行きたい方向に向けることで移動する「OMEO(オメオ)」は、これまでの電動車いすにはない、新しい体験を与えてくれた。
ドイツのデュッセルドルフで開催された世界有数の規模を誇るリハビリと福祉・介護機器展「REHACARE(リハケア) 2019」には、イノベーティブな福祉機器が数多く展示されていたが、「2KERR(ツーケアー)」(https://www.2kerr.com)の「OMEO」は、そのなかでも非常に目を引く存在だった。
「OMEO」は、セグウェイ社からライセンスを受け、供給されたプラットフォームを使って開発された電動車いす。そのポイントは、ジョイスティックを使わずに、上半身を希望の方向に向けることで操縦するという独特のシステムにある(ジョイスティックによる操作も可能)。
これにより、利用者はハンズフリーで、より自然な感覚で移動できる。そのフィーリングは非常にスポーティで、身体感覚に沿ったもの。
さらに走破性の高さも特筆すべきもので、取材に応じてくれた創始者でディレクター&デザイナーのKevin Halsall氏は、会場に用意された玉砂利の道をいとも簡単に走破するデモンストレーションを披露してくれた。氏によれば、「OMEO」は実用的であるだけでなく、楽しくてスポーティでユニークであることを大事にしたのだとか。
実際に会場を走らせてもらったが、軽快でスピーディに走りたいと思えば、そのとおりに動いてくれる。設定により最高速度を落とすことも可能で、慣れるまではゆっくりとした動きにもできるから安心だ。
会場には「OMEO」のほかにも、身体の状態や使用環境に合わせたバリエーションモデルが展示されていた。また、将来的には、独自プラットフォームに進化させるべく、現在も開発を続けているという。
重心移動によりスピードや進行方向をコントロールする「OMEO」は、電動車いすの世界にファン トゥ ドライブという体験を与えてくれる乗りものだった。
「OMEO」をデモンストレーションする「2KERR」社の創始者でディレクター&デザイナーのKevin Halsall氏
砂浜のような不整地であってもスタックせずに走れ、なおかつコントロールしやすい
曲がりたい方向に身体を傾けることで滑らかにコーナリングする
ハンドルのついたバリエーションモデルも存在する
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