文と写真●Believe Japan 福祉機器の展示会として、いまやアジア最大規模にまで成長した国際福祉機器展は、最新の商品やサービスをいち早く体験できるのはもちろん、各分野の制度改革などを話し合う国際シンポジウムの開催やセミナーなど、福祉の分野を多角的な視点で網羅する催し。本記事では、そんなイベントに展示されていた移動の自由を高めてくれる福祉車両の最新モデルをレポート。年々充実している福祉車両のいまをお届けする。 福祉車両は、車いすでの乗車や乗り降りのサポートからスタートし、さまざまな症状や使い方に対応する多様性へと進化してきた。いまや日本の福祉車両は軽自動車から大型車に至るまで幅広く、世界でも類を見ない豊富なラインアップを誇る。近年では、福祉車両としての使い勝手はもちろんのこと、よりクルマとしての魅力を充実させたものや、ライフスタイルを豊かにしてくれるパートナーとしてつくられたモデルが登場している。その背景にあるのが、クルマそのものを企画・開発する段階から、福祉車両化を見据えた設計を行う自動車メーカーが増えていること。また、医療機関や大学といった研究機関との連携によって、より利用者の視点に立ったアイデアを持つ福祉車両が増えてきているのも近年の傾向といえる。 トヨタブース それでは、会場で注目を集めていた福祉車両を紹介していこう。グループ企業として、合同でブースを展開していたトヨタとダイハツでは、それぞれの強みを活かした幅広いラインアップをディスプレイ。自動車の世界では、電気自動車がひとつのトレンドとなっているが、トヨタではEV技術の活用として「歩行領域EV 車いす連結タイプ」の体験走行を実施していた。これは車いすに取り付けることで、簡易的な電動車いすにするというアイデアで、まだコンセプトモデルの段階ながら、下り坂での速度制御など、EVならではの可能性を感じられた。また、数多くのラインアップにベースモデルの特性を生かした福祉車両を設定したり、車いすそのものを開発するなど多角的なアプローチが光る。 ダイハツブース 小型車を得意とするダイハツでは、主力モデルのタントが人気。タントは、従来どおりの福祉車両に加えて、要介護レベルの低いひとのための新しいジャンルにも挑戦。それがこの「タント ウェルカムターンシート」で、乗降時の負担軽減を最小限のアイテムと費用で実現している。開発には理学療法士などの専門家に加え、実際の高齢者の方々も参加。とくに助手席だけでなく後席への乗り降りをも楽にする「ミラクルオートステップ」、車体各所につける「ラクスマグリップ」は、まさに現場からの声が反映された技アリのアイテムだ。ダイハツらしい「良品廉価」の取り組みといえる。 日産ブース 日産ブースで一際目を引いたのがコンセプトモデル「Adventure Log Cabin 」。これは、「出かける喜びを、一人でも多くの方へ」という思いによって作られており、これまでにも各展示会でお披露目されてきた。最新バージョンでは、クルマへの乗り降りをサポートする助手席スライドアップシートに加えて、車中泊やロングドライブ時の休憩にも使えるベッドキットを装備。障がいを持つひとでもキャンプを楽しめるようになっている。ベッドキットの市販化は未定とのことだが、クルマの持つ楽しさを表現した福祉車両というアイデアに共感するひとが多いのではないだろうか。また、マイナーチェンジしたばかりの新型セレナの福祉車両もお披露目。モーターだけで走行する電動化で、自動運転技術を活用したプロパイロットも搭載している。 ホンダブース 開発段階から福祉車両を見据えた構造とすることで、福祉車両としての使い勝手を高めた好例といえるのが、ホンダの「N-BOX スロープ仕様」だ。すでに多くのユーザーからも選ばれているとおり、軽自動車であることを感じさせない優れた使い勝手を実現している。ヘッドレストをつけたままで格納できるリヤシートは、介助する方にとっても嬉しいポイント。ホンダはこうした福祉車両に加えて、事故や加齢によって運転能力が衰えてしまったドライバーが安全に運転感覚をトレーニングできる簡易型四輪ドライビングシミュレーター「Honda セーフティナビ」も手がけている。また、競技用車いすの展示など、多角的な視点で移動の喜びをサポートしている。 スズキブース シンプルなつくりで価格を抑え、多くのひとに福祉車両を届けているのがスズキ。「車いす移動車」シリーズの中心価格は100万円台後半。助手席への乗り降りをサポートする「昇降シート車」では150万円が中心価格。このように価格を抑えながらも使い勝手や快適性についてもしっかり配慮しており、たとえば最新モデルの「スペーシア... ...
On 2019年10月22日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 1995年から軽福祉車両をラインアップし、1999年にはインライン生産化。現在では軽福祉車両を6車種(車いす移動車、昇降シート車)展開するダイハツ。今回DNGA第一弾としてフルモデルチェンジしたタントは、標準モデルの魅力を大幅にアップしていることはもちろん、新たな試みとして、標準モデルと福祉車両の間にある「福祉車両は必要ないけれど、高齢者の乗り降りなどで、もう少し便利なクルマがあれば」という需要に注目。すでに超高齢化している日本の現状への回答となる仕様を送り出してきた。 おもしろいのは、この「標準車と福祉車両の垣根をなくす」というコンセプトを実現するにあたり、徹底した「介護予防」を観点にしているところ。従来の福祉車両が比較的介護レベルの高い要介護のユーザーが中心だったことに対し、新たに、フレイル高齢者(加齢とともに運動機能や認知機能が低下してきた状態。要介護にいたる前の状態)、要支援者、軽介護度のユーザーに便利に使ってもらえるような仕様を目指している。これを実現するにあたり、2017年から産学共同研究を実施。理学療法士や大学教授に加え、実際に多くの高齢者の方の協力を得て、下に紹介する仕様のモデルが誕生した。 【ミラクルオートステップ】 助手席と後席両方の乗降性を向上する「ミラクルオートステップ」は、ステップ耐荷重100kgのロングタイプ。ステップ非装着車に比べ股関節の屈曲角度が小さくすみ、高齢の方はもちろん、小さな子供にも便利。ミラクルオープンドアとの組み合わせは、乗降時の負担の少なさでは最高レベルと言える。 【ラクスマグリップ(助手席・運転席/助手席シートバック)】 たかがグリップと侮るなかれ。一度この装備に慣れてしまうと、手放せなくなりそうなのが「ラクスマグリップ」。位置と形状にとことんこだわったというこのグリップは、手を伸ばしたところに自然にある感じで非常に使い勝手がいい。握りやすく滑りにくいといったグリップ形状にもしっかり気が使われている。こちらは乗降時に加え、シートの移動(後席の左シートから右シートへ)にも便利だ。 【ウェルカムターンシート】 助手席ターンシートは、一人での乗り降りをサポート。シートを30度に回転させると、ラクスマグリップ(助手席)を正面でつかむことができ、足腰に不安がある方でも安心して乗り降りができる。 【パワークレーン】 ワンモーションで車いすをラゲッジスペースに収納できるパワークレーン。こちらはクレーン本体が天井部分に装着されるため、ラゲッジの床面部分は標準車と同じように使え、後方視界も妨げない優れもの。当然、クレーン装着部分はボディの剛性も高くなければならず、車両設計の段階からメニューに組み込まれたものだ。また、このクレーンはタント専用のものとなる。 【スローパー】 車いすをそのまま載せられるスローパーも、今回大きく進化している。まずは新開発となるリトラクタブルスロープ。新たにワンタッチでスロープの前傾が可能となり、車いす乗車がない場合はフラットなラゲッジスペースとして活用できることになった。また、車いす乗車スペース幅も20mm拡大し、車いす固定ベルトも操作が少なくてすむように改良が施されている。さらにリヤバンパー部分にはプロテクターモールを装着。こちらはスロープを展開するときにつく傷を防止するもので、万が一傷がついてしまっても、安く交換できる部品となっている。 ... ...
On 2019年9月16日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 世界的に見ても、日本の自動車メーカーがラインアップする福祉車両(ビリーブカー)は非常に数が多い。しかし、実際に福祉車両が必要になったとき、これまで輸入車に慣れ親しんできたひとなら、「福祉車両でも輸入車を選びたい」と思うことは想像に難しくない。今回取材したヤナセオートシステムズの福祉車両は、そんなユーザーの夢を実現してくれる。 ご存知のように、ヤナセは日本における輸入車市場拡大のきっかけとなった老舗中の老舗で、その歴史は、なんと100年以上におよぶ。その間、数多いブランドの輸入車を取り扱い、現在に至っている。ヤナセで新車、中古車を購入した、あるいは整備をお願いしたなど、お世話になったことのあるひとは思いのほか多いはずだ。 福祉車両への本格参入を発表したのは、2017年9月。それまでは個別にユーザーと相談しながら車両を架装するスタイルをとっていたが、すでに始まっている超高齢化の現状や問い合わせにも対応しやすいように、「バリアフリーな輸入車で、車のある人生をもっと長く」というコンセプトのもと、全国の販売店でサービスを展開している。 今回は、すでに全国の福祉機器展で展示実績のあるデモカー2台を借り出し、実際の使い勝手をチェック、Vクラスは試乗も行った。 1台目はメルセデス・ベンツ Vクラスに車いす用の昇降リフト(イタリアのフィオレラリフト社製)を装着した車両。このクルマのポイントは、耐荷重が360kgあるリフト。国産メーカーの福祉車両では対応しきれないことの多い、重量級の電動車いすをストレスなく載せることができる。 操作方法はいたって簡単。テールゲートを開け、ユニット本体のボタンを押すだけ(詳細は動画にて確認してほしい。また、この仕様は一部手動での作業が必要だが、完全電動のタイプもある)。こちらは付属のリモコンを使って操作することも可能。車いすが入ったら、固定金具で車いすをしっかり固定するだけ。このリフトのいいところは、横に回転させることができ、車いすを載せないときなど、荷物の出し入れが手軽に行えるところが便利。 リフトの使い勝手のよさに加え、このクルマの美点はやはりドイツ車らしい走りだろう。速度無制限区間のあるアウトバーンを連続走行するためには、そもそもクルマがタフでなければ話にならない。筆者も同じVクラスで現地を数千km走りまわった経験があるが、フロア剛性の高さくるしっかり感は、安心感に直結する。それは車いすに乗っていても同じことで、リラックスして乗り続けられることができた。車いすに乗車したスタッフの184cmという身長でも、頭上スペースは問題なし。カップホルダーに加え、エアコン吹き出し口が側にあるのも嬉しいポイントだろう。 続く2台目はメルセデス・ベンツ Cクラス ステーションワゴンに、車いす自動収納装置(イスラエルのTMN社製 R11ロボット)を装着した車両。この装置は運転席からトランクへ、車いすをワンタッチで運んでくれるというもの(こちらも詳細は動画で確認してほしい)。まさに現代のロボット技術がなせる装置で、その華麗な動きに思わず見入ってしまうが、車両の改造範囲が少ない点、後席をそのまま使える点などメリットも大きく、欧州ではすでに2000機の販売実績をもつという。 操作は運転席に移乗し、車いすをアームにセットしたら(少々慣れが必要)、手元のスイッチを押すだけ。この装置は汎用性が高く、車いすを収納できるスペースがあれば装着可能だが、取り付けには詳細な現車確認が必要となる。 こちらは自操式装置(イタリアのKivi srl社)。リング&レバータイプの手動運転装置で、リングでアクセルをコントロール、右のレバーを下げるとブレーキがかかるというもの(実施の商品は黒色)。 今回紹介した2台の仕様以外にも、吊り上げ収納用リフトや着脱式スロープ、補助ステップ、回転シートなどが用意されているヤナセの福祉車両。かつては「いいものだけを世界から」。現在は「クルマはつくらない。クルマのある人生をつくっている」というキャッチフレーズのヤナセ。ヤナセの福祉車両は、たしかな商品を厳選し、それを好きなクルマに装着するという、これまで培ってきたグループの強みが発揮されている。新車はもちろん、ヤナセで販売されている中古車でも装着の相談ができるというから嬉しい。また、上記の車両はH.C.R.2019(第46回... ...
On 2019年8月30日 / By wpmaster介護経験があり、自身も福祉車輌取扱士スペシャリスト資格を持つ、タレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭のビリーヴカー インプレッションがスタート。介助する側、介助される側、双方の立場になってインプレッションするので、ぜひビリーヴカー(福祉車両)選びの参考にしてください! 関連記事:ホンダ ステップワゴン福祉車両の優れた機能性を実感する ...
On 2019年8月12日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 車いす乗車が可能なホンダの福祉車両は、現在N-BOX、フリード、ステップワゴンの3車種がある。どれも標準車がユーティリティに優れたモデルとして人気を博しているが、今回はそのなかでもっとも大きなステップワゴンにスポットを当ててみたい。試乗したのは専用エクステリアを持つ「スパーダ ホンダセンシング 車いす仕様車(FF) 2列目乗車タイプ」。スパーダは2017年9月のマイナーチェンジで、新しく採用したLEDヘッドライトによりシャープさが増し、フロントグリルもより存在感のあるデザインに一新。テールゲートスポイラーもさらにスポーティになり、現在高い人気を誇っている。 ステップワゴン/ステップワゴンスパーダには、車いす仕様車、サイドリフトアップシート車、助手席リフトアップシート車の3タイプの福祉車両が設定されているが、車いす仕様車に実際に触れて感じるのは「自然な感覚」だ。優れたスペース効率によって広々とした室内空間を持ち、ストレスの少ない車いす乗車を実現している。 秀逸な使い勝手に注目 細部も、ユーザーの使い勝手を重視した工夫が随所に見受けられる。車いす仕様車でもっとも力を要するスロープの展開も、ダンパーアシストによって手軽に行えるようになっている。また今回試乗した2列目乗車タイプは、3列目シートの収納もショルダー部にあるベルトを引くだけで、自動で床下に収納されフラットなフロアとなる。跳ね上げて両サイドに固定するタイプと比べ、スペース効率はもちろん、使い勝手のよさに大きく貢献している。本来は面倒な作業だったことを忘れさせてくれる機能だ。 スムーズな乗車ができるので安心 ここではステップワゴンスパーダの2列目シートへの乗車手順を解説していこう。まずはバックドアを開け、ロックを解除。そしてグリップを持ってアルミスロープを車外へとセットする。この際、ダンパーが付いているので軽々と操作できるのがポイントだ。次に主電源スイッチをオンにし、ベルトフリースイッチを長押ししてウインチベルトを引き出す。続いてリモコン電源をオンに。車いすを押しながら、リモコンの「入」スイッチを押し続けながら電動ウインチを作動させ、車内に引き上げていく。ウインチは力強く静かに作動する。そして、ベルトにたるみがないかをチェックしたら、シートベルトを着用する。手順さえ理解すれば、一連の作業はだれでも簡単に行うことができる。 車いすを載せるときに、介助者が頭をぶつけないような工夫もこらされている。また、大きめの車いすも積載可能だ。 3つの乗車タイプを設定 ステップワゴンの車いす仕様車は、ホンダセンシング標準装備の1.5Lターボ車となり、標準タイプには「2列目乗車タイプ」「3列目乗車タイプ」「2列目&3列目乗車タイプ」の3タイプを、スパーダには小児介護に人気の「2列目乗車タイプ」を設定している。 マイナーチェンジで「歩行者事故低減ステアリング機能」が加わったことで、安全運転支援システムの「ホンダセンシング」が大きくレベルアップした。福祉車両を含めた全グレードに標準装備されることになったのも見逃せない。まさにホンダ福祉車両のベストコンフォートといえる快適さが印象に残るモデルだ。また、今回の「2列目乗車タイプ」の大きな特徴のひとつに、介助者と車いすが横並びで乗れることが挙げられる(左上写真参照)。介助者、車いすの乗員どちらも、安心かつリラックスした移動ができるだろう。 価格 Gホンダセンシング 車いす仕様車 FF... ...
On 2019年8月9日 / By wpmasterダイハツは、ペダル踏み間違えなどによる急発進を抑制する後付けの安全装置「つくつく防止」の搭載対象車種を拡大し、7月29日(月)に全国で発売した。 今回新たに5代目「ムーヴ」、初代「ミラ イース」が加わり、7車種8モデルへと拡大したこの装置は、ソナーセンサー、コントローラー、インジケーターを装着し、誤った操作により重大事故の減少を目指すもの。具体的には、車両前後に取り付けたソナーセンサーが前後方3メートル以内にある障害物を検知し、 アクセルペダルを強く踏み込んだ場合、システムがペダル踏み間違いと判断。燃料の供給をカットすることでエンジンの出力を抑制する仕組み。また、室内に取り付けたインジケーターとブザー音で運転者に警告し、急発進を抑制する。さらには、ソナーセンサーで前後方の死角にある障害物を検知し警告する「パーキングセンサー機能」も備えている。 これにより、ダイハツ車の現保有台数(約970万台)のうち、約半数の車両が予防安全機能「スマートアシスト」搭載車、または後付け安全装置の対象車両となる。 価格は、3万4560円[消費税8%税込](5万9508円[標準取付費込]) ...
On 2019年7月29日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan ハンドリムをこぐ力をモーターがアシストすることで、移動の可能性を広げてくれるのが、ヤマハ 電動アシスト車いす「JWスウィング」、そして車いす用電動アシストユニット「JWX-2」だ。 ヤマハといえば、電動アシスト自転車PASでお馴染み。ギヤ付き自転車でも躊躇するような坂道をスイスイと登る姿を見たことがあるだろう。この電動アシスト車いすにも、PASで培った技術を投入することで、スムーズなこぎ出しや上り坂、下り坂での適切な制御を実現。こぐ力が弱い人でも、自分の力で気軽に移動できると高評価を集めている。2017年9月には現在発売されている改良モデルを発表。従来の利用者の声を反映させて開発した走行制御システム「JW Smart Core」を搭載した。これにより、利用者の身体に合わせてアシストする力を調整する「アシスト距離制御」や傾斜した道でも真っ直ぐに走れる「片流れ制御」が追加され、より幅広い人々が安全かつ快適に使えるように進化している。 今回の展示では、「JW Smart Core」の制御を実際に体験できる試乗コーナーも用意されていた。とくに印象的だったのが「片流れ制御」の体験。平地と同じような感覚でこいでいるのに真っ直ぐ進むのは心身ともに負担が少ない。 「JWスウィング」は、ヤマハが独自開発したフレームに「車いす用電動アシストユニット「JWX-2」を搭載したモデル。スポーティタイヤやホイールキャップなどのオプションパーツも用意されている。 ユーザーからの声を反映し、バッテリーは専用のバッグに収納。1充電あたりニッケル水素バッテリーで20km、リチウムイオンバッテリーで40km走行可能。 モーターアシストの大小を切り替えるスイッチ。専用ソフトを用いることで、身体の具合や環境に合わせたアシストの調整が可能。たとえばひとこぎあたりのアシスト距離や、左右バランスも細かく設定できる。また、介助者に押してもらう場合などは、ボタンひとつで手動への切り替えられる。 クルマへの積載性を考えて駆動輪を着脱タイプになっている。なお、「JWスウィング」そのものも折り畳むことで幅は33cmまで小さくなる。 ヤマハ公式ページ ...
On 2019年5月17日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan スロープ対荷重300kg。アビリティーズが2019年春に輸入販売を開始した「フォルクスワーゲン キャディ マキシ Fスタイル3(600万円〜)」のスペックに、「待ってました!」と快哉を叫ぶユーザーも多いのではないだろうか。 福祉用具の活用による障がい者の自立支援や安全・安心な介護の実現を目指すアビリティーズが、なぜ福祉車両を輸入・販売することになったのか。自動車を輸入し、販売するには障壁が多く、キャディの販売開始までには非常に多くの時間と労力が必要だったという。それでもなお、自社での輸入販売にこだわったのには理由がある。自家用車として愛用できるスタイル、安全性、品質、そして福祉車両としての機能を備えたクルマが日本国内には無いと考えたからだ。 彼らが注目したのは、「対荷重300kg」、「床面収納可能」、「故障リスクの少ない手動式」をクリアするイタリア フォカッチャグループの「ジニアスランプ」。これが取り付け可能で、なおかつ日本国内での使用を考えて総合的に選んだのが、「フォルクスワーゲン キャディ マキシ」だったという。フォカッチャグループは警察車両なども手がけるイタリア最大手の架装メーカーで、車両そのものの完成度はもちろん、車いす固定金具なども世界基準の安全性を満たしていることも選定の理由となった。 近年では、ペルモビール社の電動車いすに代表される高機能な電動車いすが登場して、ユーザーの活動範囲を広げている。だが、そうした高機能電動車いすは重量が重く、日本の福祉車両には搭載することができなかった。乗用車ベースの福祉車両では、スロープの耐荷重が200kgまでというものがほとんどだからだ。 床面が傾斜していて、横幅にも余裕があるため、大型の電動車いすであってもゆとりがある。また、スロープは車いす利用者が乗車しているときにも半分に折って立てかけることも。そのため、ドライバーにとっても後方視界がよく、運転しやすい。「ジニアスランプ」は床面に完全に収納することも可能で、一般的なミニバンとしても活用できる。 車いす乗車時にも2列目シートがそのまま利用可能。車いす利用者を含め、最大で6名が乗車できる。また、2列目シート(取り外し可能)を折りたためば、車いす乗車スペースはさらに広がる。 ベースとなっている「フォクルスワーゲン キャディ マキシ」自体の性能も魅力的だ。全長4878mmというボディサイズで両側スライドドアを採用。エンジンは経済的な2Lディーゼルターボでトランスミッションは6速DSG。インテリアの質感も高く、日本でも運転しやすい右ハンドル仕様となっている。 アビリティーズ公式ページ ...
On 2019年5月14日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 広大なスペースを使って最新の福祉車両を展示し、実際の使い勝手を試すことができたトヨタ・ダイハツのブース。安心と安全をテーマに開発された福祉車両は、ただベースモデルに機能を追加しただけではなく、地域や実際に車両を使うユーザーに寄り添う形で作られている。世界有数の自動車メーカーであるトヨタと小型車専門メーカーであるダイハツが、それぞれの強みを生かしながら、多様性のあるラインアップを構成しているのが特徴。 たとえばこちらのパネルは「シートが回転・昇降、回転・前傾して乗り降りする車両」の一覧が示されたもので、非常に数多くの福祉車両が存在することがわかる。ユーザーの事情や環境に合わせたモデルが選べるということだ。 「ノア ウェルジョイン 助手席リフトアップシート付(270万3000円〜276万6000円)」は、多人数の送迎をより快適にするクルマ。運転手の負担が少ない車両サイズがポイントで、コストを抑えながら3列目にも乗り降りしやすいよう工夫が凝らされている。 福祉車両ではないクルマを、簡単かつ低コストで使いやすくできるのが「サポトヨプラス」と名付けられた用品類。乗り降りを楽にしてくれたり、カーブでの身体を支えるのを手助けしてくれたりするもので、取り付けも簡単。 扱いやすさが人気の「シエンタ 車いす仕様車(213万円〜249万6000円)」には、3タイプの車いす仕様車が用意されている。車高降下機能を持つ「タイプⅠ」、車いすでの2列目乗車やストレッチャーにも対応する「タイプⅡ」、そして「タイプⅠ」の機能に助手席回転チルトシートを標準装備した「タイプⅢ」。 「エスクァイア 車いす仕様車(304万4000円〜337万9000円)」は、広い室内スペースを生かして多彩なバリエーションを用意している。2列目と3列目への同時乗車を実現した「タイプⅠ」。3列目を生かせる「サードシート付」と8ナンバー仕様の「サードシート無」仕様を用意した「タイプⅡ」。そして先進的な電動車いす「電動ウェルチェア」が標準装備されていて、ワンタッチで固定可能な「タイプⅢ」。 「ヴォクシー 車いす仕様車(290万1000円〜323万6000円)」は、機能やバリエーションは「エスクァイア 車いす仕様車」と同じ。デザインの好みや予算で選ぶことができる。 長距離、長時間でも快適な移動を実現してくれるのが「ヴェルファイア サイドリフトアップシート装着車(356万1000円〜516万8000円)」。乗り降りの際に2列目のシートが電動でスライド&チルト。膝への負担を考えた角度も自慢。 助手席が回転して車外にスライドダウンして乗り降りを助けてくれる「ルーミー 助手席リフトアップシート車(174万5000円〜223万6000円)」。手動で車いすを荷室に固定する「タイプA」と35kgまでの車いすを電動で収納できる「タイプB」が存在。 車いすの方が運転席に乗り降りするのをサポートしてくれる「プリウス... ...
On 2019年5月6日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 軽自動車最大級の後席スペースと荷室の広さ、そして小型車をも凌駕するほどの作り込みで日本でもっとも販売台数の多い軽自動車に成長したホンダ「N-BOX」。その福祉車両である「N-BOX スロープ仕様」も、2018年度で5645台を販売する大ヒットモデルとなった。その理由は、ベース車の魅力に加えて、ユーザーの声を反映して考え抜かれた、使い勝手のよさと快適性の高さにある。 多くのユーザーから支持を集めているホンダの「N-BOX スロープ仕様車(157万5640円〜188万8840円)」。 たとえばテールゲート。福祉車両であっても、できるだけ違和感のない自然なデザインにしてほしいという要望を受けて、新型N-BOX スロープ仕様ではテールゲートを専用に設計した。 リヤシートを床に収納することで、車いす乗車モードでも足元の空間は広々。収納の際にリヤシートのヘッドレストを外す必要がないのも嬉しい。リヤシート背後のパネルを収納するためのポケットも前席のシート背面に用意されている。身体を支えるための手すりも使い勝手にこだわった。 ウインチを小型化して前席シート下に収めるなど、空間効率を高める工夫が随所に見える。 4人乗車モードでは通常のクルマと同じように人と荷物を乗せることができる。 スロープが荷室の床になる設計で、広さも十分。スロープの下も収納スペースとして活用できるため、靴や傘などをしまうのに便利。 また、「ステップワゴン 車いす仕様車(310万8000円〜324万5000円)」も、「このクルマでなければ」という声の上がるモデル。車いすの乗車位置を3タイプから選べるのが特徴。車いす1台を含めて最大7名が乗車できるタイプでも、車いすを乗車する位置を2列目または3列目から選べるなど、利用者の生活や使い勝手に応じた仕様を選べるようになっている。 ストレッチャーやリクライニングした状態での移動が必要な方にとっても、「ステップワゴン 車いす仕様車」はぴったりの選択肢。2列目と3列目のスペースが活用できるからだ。また、2列目、3列目それぞれに車いすを使用することも可能。 フロアを福祉車両専用設計とすることで、介助者が使いやすいフラットな床面を実現。車いすでの見晴らしもよく、快適な空間に仕上げた。 乗り降りの際に少しでも頭上のスペースを稼ぐために、天井も特別仕様になっている。 床はフローリング仕上げとなっている。清潔感があり、手入れもしやすそうだ。... ...
On 2019年5月3日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.