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    福祉車両で乗るネオクラシック!/REHACARE(リハケア)2025 番外編

    文と写真●Believe Japan 2026/1/6(火)配信 2025年も活況を呈した欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」。ここではこれまで紹介しきれなかった「ちょっと変わった」福祉車両をレポートします!  9月17日から20日まで、ドイツ・デュッセルドルフで開催された欧州最大の福祉機器展「REHACARE 2025」は、2025年も世界40カ国から800以上の企業・団体が出展し、88カ国から約3万4,000人が来場する盛況ぶりを見せた。ビリーヴ編集部では、モビリティ分野における注目の最新製品や技術をレポートしてきたが、ここでは少し視点を変え、会場でひときわ異彩を放っていた展示を番外編として紹介したい。   旧車趣味を可能にする運転補助装置  リハケア2025の会場は、先進的な福祉機器やモビリティ支援技術で埋め尽くされていた。電動化や自動化、軽量化、デジタル制御といったキーワードのもと、「より安全に、より効率的に」を追求した製品が並ぶ光景は、この展示会ならではのものだ。その一方で、そうした流れとは明らかに異なる空気をまとった一角があった。福祉車両の改造やコンサルティングを手がけるソーダーマンズ(Automobile Sodermanns)のブースである。そこに広がっていたのは、艶やかで個性的なボディラインをまとったクラシックカー、いわゆるオールドタイマーたちだった。1970年代を中心とする車両が並ぶその光景は、最新技術が主役の会場において強い存在感を放っていた。  さらに驚かされるのは、これらのクラシックカーが単なる展示用の車両ではないという点である。いずれも歩行が困難なドライバーが自ら運転するために改修された、れっきとした実用車なのだ。多くの車両には、下肢を使わずにアクセルとブレーキを操作できるハンドコントロールレバー(ブレーキ・アクセル操作用)や、片手での操舵を可能にするステアリングノブ(操舵補助装置)が備えられている。しかも改修は一人ひとりの身体状況に合わせて丁寧に行われており、オリジナルの外観や雰囲気を損なうことなく、安全かつ快適にクラシックカーを運転できるよう仕上げられている。   カルマンギア  フォルクスワーゲンのシャシーにイタリアンデザイン、ドイツの名門コーチビルダーであるカルマン社の製作技術を組み合わせた、1950年代から70年代を代表する美しいスポーツカー。1970年式のこのクルマは、47馬力を発生する1.6Lエンジンにオートマチックトランスミッションが組み合わされる。室内にはハンドコントロールバーが装着されているが、その質感は内装と自然に調和しており、後付け感を感じさせない。なお、本車両は非売品として参考出展されていた。   クルマの世界観をリスペクト  ドイツ西部ノルトライン=ヴェストファーレン州を拠点とするソーダーマンズは、1996年以来、個々のドライバーの身体状況やライフスタイルに合わせた完全オーダーメイドの福祉車両を手がけてきた。量産車をベースに画一的な仕様を提供するのではなく、一人ひとりの「運転する」という行為そのものに向き合い、車両を仕立て上げていく姿勢が同社の特徴である。代表を務めるフランク・ソーダーマンズ氏は、次のように語る。「我々はクラシックカーに対する強い情熱を持っています。この魅力的な趣味を分かち合い、障害のある方でも自ら運転できるようにすることが、私たちの大きな目標です。そのために、クルマ本来が持つ魅力を損なわない、適切な運転補助装置を装備しています」  現代のクルマとは、クラシックカーが放つたたずまいは明らかに異なる。造形の美しさはもちろん、深みのある塗装の艶やクロームパーツの輝き、重厚なドアが閉まるときの感触と音。さらに、デジタル化が進んだ現代車とは一線を画す、スイッチやボタンを中心としたアナログな操作系も、運転という行為そのものを強く意識させる要素だ。ソーダーマンズが手がけるクラシックカーは、こうした素材感や操作感を大切にしながら、福祉改修が施されている。その仕上がりからは、単なる機能追加ではなく、「運転する歓び」を守ろうとする強い意志が感じ取れる。  ところでドイツでは、登録から30年以上が経過し、良好な状態でオリジナルの雰囲気が保たれている車両に対して付与される「Hプレート(H-Kennzeichen)」が存在する。これはヒストリックカー用の登録制度で、税制面や保険面での優遇措置が受けられる。同社では、こうした制度も踏まえ、歴史的価値を損なわないカスタムを行っている。クラシックカーへのカスタムにかかる費用は、車両の状態や求められる機能などに応じて変動するが、一般的な運転補助装置や手動操作装置の導入であれば、約6000~8000ユーロ(約90万~120万円前後)が目安とされている。 フォルクスワーゲン... ...

    On 2026年1月6日 / By wpmaster
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    MAZDA CX-30 Self-empowerment Driving Vehicle:運転の「楽しさ」を実現した、マツダらしい福祉車両

    文と写真●Believe Japan 2025/12/25(木)配信  車いすユーザー自らがハンドルを握りドライブできる、Self-empowerment Driving Vehicle(セルフエンパワーメント ドライビング ビークル、以下SeDV)。マツダが初めてSeDV仕様を導入したのは2022年、クロスオーバーSUVの「MX-30」だった。そして2025年、より幅広い人たちに応えるべく、「CX-30」にも設定されることとなった。CX-30 SeDVは、頃合いのいいサイズ感と実用性、そして美しいスタイリングをバランスさせたクロスオーバーSUVで、その存在は先ごろのジャパンモビリティショー2025でも多くの注目を集めていた。 リング式アクセルとレバーブレーキがもたらす直感的な操作性  CX-30 SeDVの主役は、ステアリングの内側に配置されたリング式アクセルと、ハンドル左側に設置されたレバーブレーキである。運転操作は、リングを押し込むことで加速。押し込む量に応じて段差感を持たせ、速度の維持や細かな調整がしやすいよう配慮されている。そのため、交差点進入時や駐車時、立体駐車場のスロープなど、繊細なコントロールが求められる場面でも、スムーズで自然な挙動が得られるのが特徴だ。  一方のレバーブレーキは、肘を支点として操作できるようブレーキサポートボードが装備されており、操作の安定性と疲労軽減を両立している。押し込むだけの操作で制動できるため、体幹が弱っている人でも、無理のない姿勢で確かな剛性感と自然な制動フィーリングが得られ、確実なブレーキ操作が行える。  従来の福祉車両で一般的だった「ハンドルにノブを取り付け、片手でハンドル操作、もう片方でレバーによるアクセル&ブレーキ操作」というスタイルとは異なり、両手でハンドルを握ったまま自然に加速操作ができ、よりダイレクトかつ繊細な感覚でブレーキを扱える。このため、通常の運転に近い姿勢で走行でき、違和感の少ないドライビングが可能となる。長時間の運転でも疲れにくく、初めて手動運転装置に触れる人でも短時間で操作に慣れる完成度を備えている。   家族とのシェアができる「手動/通常運転」の簡単切り替え  SeDVの大きな特徴は、手動運転と通常のペダル運転を簡単に切り替えられる点だ。これなら、家族や友人とのドライバー交代も容易である。手動運転モードでは、レバーブレーキを前方へ押し込んでロックし、その状態でイグニッションを入れることでアクセルペダルが無効化され、リング式アクセルによる加速が有効となる。反対に通常運転への切り替えは、フットブレーキを踏み込んだ状態でイグニッションを入れるだけでよく、特別な操作を必要としない。このシンプルな切り替え方式により、手動運転装置は「特定の人だけが使う特殊機能」ではなく、家族全員で共有できる「運転方法のひとつ」として成立している。   車いすは助手席側後席に  車いすは助手席側後席に載せる方式である。まず助手席の背もたれを前方へ倒し、続いて運転席の背もたれを後方へ倒す。この助手席前倒しレバー(オプション)は運転席側から操作できるよう配置されており、乗車位置を変えることなくシート調整が可能。車いすは折り畳んで引き上げ、ドライバーの身体の上を通す形で助手席側後席へ積載する。また、車いす利用者が助手席へ移乗し、他の人が運転する場合を想定し、シート調整レバーは通常どおり助手席側にも備えられている。移乗ボードも助手席側に設置することも可能だ。... ...

    On 2025年12月25日 / By wpmaster
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    【H.C.R.2025 国際福祉機器展】走行用ベルトで段差も怖くない! XSTO(エクスト)が示す全地形対応の電動車いす

    文と写真●Believe Japan 2025/12/12(金)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今回も行ってきました! ここでは次世代パーソナルモビリティの開発を手がけるXSTO(エクスト)が展示した注目の車いすをレポートします。 段差も坂道も苦にしないハイレベルな走破性  電動車いすにとって最大の障壁となるのは、やはり階段である。近年ではバリアフリー化が進み、駅や施設ではスロープの設置も一般的になってきた。しかし、依然として屋内外ともに階段でしかアクセスできない場所が存在するのが現実だ。これまでもさまざまな電動車いすが階段へのアクセス能力や走行性能の優秀さをアピールしてきたが、ここで紹介する中国メーカー XSTO(エクスト)が展示した最新モデル「X12」は、こうした課題に対して非常に説得力のある解決策を示している。  会場で多くの来場者の目を釘付けにしたのが、X12の大きな特徴である「走行用ゴムベルト」が発揮する段差昇降のパフォーマンスだ。これまで車輪が段差に引っかかりながら昇降するタイプと比べ、途切れることなくベルトが密着して動作するため、より安定感がある印象だ。見た目は一般的な電動車いすのようだが、全地形対応モビリティとされるその走行性能は驚きのレベルである。段差や階段、坂道、砂利道、芝生など、従来では障害となっていたあらゆる地形を難なく走破していく。また、座席が常に水平を保つので利用者の安心感も大きい。  X12は地形に応じた自動切り替え機能を備えており、ユーザーはほとんど意識することなく最適な走行モードで移動できる。舗装路や平地では四輪駆動モードで快適に移動できる一方、砂利道や芝生、坂道などの不整地では走行用ゴムベルトモードに切り替わり、沈み込みや滑りを抑えて安定した走行を実現する。また、階段や段差に差し掛かると自動的に登坂・障害物モードに切り替わり、底盤角度や駆動力を調整しながら座席を水平に保つため、乗車者は安全かつ快適に移動できる。走行用ゴムベルトと四輪四足を組み合わせることで、柔軟性と安定性を両立しているのである。  また、X12の座席には360°セルフバランスダイナミックシートが採用されており、坂道や段差、階段の上り下りの際も自動で水平を維持する。座席は前後に±15°、左右に±8°の範囲で傾きを補正するため、乗降や方向転換も容易で、常に自然な視界を確保しながら移動できるのが大きな特徴だ。  そして操作は、ジョイスティックや専用アプリ、リモコン、ワイヤレスキー、さらには自動追従モードなど、多彩な方法で行える。さらに障害物検知や自動ブレーキ、後方転倒防止機構が搭載されており、傾斜や段差に応じて自動的に駆動力を調整するため、利用者は安心して移動できる。  担当者によると、X12は2025年の年末頃には日本国内での発売が予定されているとのこと。電動強国・中国の最新の電動車いすとして、その革新性は大きな注目を集めるだろう。 主要スペック最高速度:12km/h航続距離:最大35km本体重量:約100kg最大搭乗者荷重:136kg登坂能力:最大40°段差乗り越え:前方150mm/後方220mm階段昇降速度:上り30段/分・下り35段/分操作方式:ジョイスティック、アプリ、リモコン、ワイヤレスキー、自動追従走行モード:履帯/四輪/登坂・障害物自動適応座席:360°セルフバランスダイナミックシート   もう1台の注目モデル  今回、XSTOのX12は総合福祉機器メーカー IMASEN(今仙技術研究所)のブースに展示されていたが、そこにはセルフバランスパワー車いすで、同じくXSTOの「EMC-MR4/M4」も展示されていた。こちらは電動リフト・ティルト機能を搭載しており、座ったまま高い位置の物に手が届き、長時間でも快適な姿勢を保持できる車いすとして人気の高いモデルである。段差乗り越え性能は約50mmで、舗装路から小さな段差まで安定して移動できるため、屋内外の使用に幅広く対応する。本体はコンパクト設計でボディは3分割できる構造で、車両への積み込みや持ち運びを容易にしてくれる。バッテリーも着脱式で、充電や交換が簡単に行え、航続距離は最大15kmと長時間の使用にも対応可能である。  EMC-MR4/M4の製品価格は79万円(非課税)となっているが、介護保険のレンタルによって月4000円ほどで利用するのが一般的とのこと。一方、X12のほうはスタッフによると100万~150万円の間になるとのことで、レンタルは月々1万~1万5000 円程度になるのではないかとの話であった。パフォーマンスを考えると、コスト面でも十分現実的といえるだろう。  広東省に本社を持つXSTOは2014年に設立され、全地形対応型移動ロボットに強みを持ち、世界70カ国以上の国と地域でサービスを提供している。技術力と影響力を発揮し、インテリジェントモバイルコミュニティのグローバルリーダーを目指している。... ...

    On 2025年12月12日 / By wpmaster
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    【H.C.R. 2025 国際福祉機器展】施設送迎を強力にサポートするリフト仕様車 日産セレナ チェアキャブ リフタータイプ

    文と写真●Believe Japan 2025/12/9(火)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今回も行ってきました! ここではデイサービスの現場で車いす利用者を快適に乗降できる日産セレナ チェアキャブ リフタータイプをレポートします。 施設送迎を支える、実用性を突き詰めたモデル  近年、住宅地などでは朝になるとデイサービス施設の送迎車が行き交い、その影響で道路が混雑する光景が当たり前になった。こうした状況において、利用者を安全かつ効率的に迎えに行くための車両に対する需要は確実に高まっている。日産セレナのチェアキャブ リフタータイプは、まさにそうしたニーズに応えてくれる1台だ。  今回の国際福祉機器展では実車が展示され、リフターのデモンストレーションが行われると多くの来場者が足を止めて注視した。スライド式で滑らかに作動するリフト、車内レイアウトの使いやすさ、そして日々の送迎業務を想定した操作のシンプルさなどが、とくに介助・介護の現場に携わる人々の関心を集めたに違いない。  福祉車両市場では、軽自動車や小型車などさまざまなモデルに車いす仕様が設定され、その主流はスロープ仕様である。だが、デイサービスなどの事業用となると、さまざまな体格の利用者や種類が多様化する車いすに対応することは容易ではない。快適さや効率性からミドルサイズのワンボックスが選ばれやすいという。一般ユーザーに人気の高いコンパクトモデルではサイズが不足し、逆にゆとりのスペースを誇るハイエースやキャラバンとなると、取りまわしの観点から大きすぎるということだろう。そこでミドルサイズのミニバンとして絶妙なサイズ感なのが日産セレナである。現在、送迎ドライバーには女性スタッフが多くなっているという背景もあり、スロープタイプのように車いすを押し上げる体力が不要で、リフトの上昇・下降はリモコン操作で行えるリフタータイプの需要は少なくない。リフトの昇降能力は170kg(電動固定装置選択時は160kg)と力強く、リクライニング式の大きめの車いす(全長1245mm、着座全高1180mmまで)や、足が曲げられず座位の角度調整が必要な利用者にも対応できる安心感がある。リフターの突出も1670mmに収められ、スロープタイプの1415mmと比べてもさほど大きくはないのも魅力だ。   初めてでもわかるシンプルな操作方法  まず、後部のフラッパーを手動で開き、ロックを確実に行う。続いて車いすをプラットフォーム中央に載せ、手動式固定装置で4点を締め、乗員には腰ベルトを装着してもらう。そして、このリフタータイプの核となるのが「全自動リフター」である。操作はリモコンで上下の昇降を行い、リフターが上がるとプラットフォームが車内へスライドし、そのまま乗車スペースに移動する。車内へ入ると肩ベルトをして準備完了だ。降車時もこの手順を逆に行えばよく、動きは滑らかでストレスがない。毎日の送迎で繰り返しても負担が少ない操作性は、忙しい送迎の現場では大きなメリットになるはずだ。  価格は、2WDのベーシックモデルが327万5000円で、4WDは350万円台から。そして、e-POWERモデルは370万円台から。福祉車両特有の8ナンバー登録により、自動車税と自動車重量税が軽減され、任意保険が若干安くなる場合もあり、長期的な運用コストは抑えられる点も見逃せない。快適性の高さ、取りまわしのしやすさ、介助者負担の少なさ。セレナのチェアキャブ リフタータイプは、利用者だけでなくドライバーや介助者の負担にも配慮した場合、送迎現場を強力にサポートする実力派モデルとして最適解といえそうだ。 ...

    On 2025年12月9日 / By wpmaster
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    【H.C.R. 2025 国際福祉機器展】介護の現場にJATCOが提案する、移乗機構付き車いす「Lifmy(リフミィ)」

    文と写真●Believe Japan 2025/11/22(土)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここでは自動車部品メーカーのJATCOが開発した移乗機構付き車いすをレポートします。  世界各国の自動車メーカーに対し、主に自動変速機(AT)の開発・製造を手がけてきたパワートレイン専門メーカーであるJATCO(ジヤトコ)が、初めて福祉機器分野に本格参入する。その第一弾が、今回の福祉機器展に出展した移乗機構付き車いす「Lifmy(リフミィ)」である。介護の現場では、車いすやトイレなどへ移動してもらうため、ベッドに横たわる人を抱え上げて立たせるという動作が、肉体的にも精神的にも極めて大きな負担となる。Lifmyは、まさにこの課題に対する有力な解決策として注目を集めている。 移動の難関「立ち上がり」をしっかりサポート  被介護者の方の残存筋力を積極的に活用することを前提に「Lifmy」が立ち上がりをサポート、フレイル予防に貢献する。そして、立位が安定して筋肉の変動も少ないことから、ラクに姿勢を保持できる設計だ。また、利用者は残された筋力を日常的に活用することで、筋力や筋量が低下してしまう筋廃用や身体機能の低下を予防することもできる。JATCOはクルマの「走る技術」からひとを「支える技術」へと視点を広げ、精密制御・高品質管理のノウハウを福祉分野にも応用していく考えで、Lifmyは、介護されるひとと介護するひとの双方に寄り添い、移動の自由を支援する製品とされる。  使い方は簡単で、利用者はまずフットステップに足を乗せ、胸や脇のパッドに身体を預けて固定する。次に車輪をロックし、リモコンの「たつ」を押すことで、ゆっくりと立ち上がる。その後、両サイドのシート部を横にして「すわる」操作を行い、車いすに腰掛けた後に車輪ロックを解除し、移動を開始する。目的の場所に着いたら、再度車輪をロックし、リモコンの「たつ」で立ち上がらせ、「すわる」操作によって着座が完了する。 立ち上がりを科学する  「立ち上がりを科学することをテーマにしました」と語るのは、話を伺ったジヤトコ株式会社 介護機器事業室 プロフェッショナルスタッフ 津田聡彦さん。従来の機器は、被介助者の身体を抱えて、物のように持ち上げて移乗させるタイプだが、Lifmyは「立ち上がりたい」との本人の意思を自然なカタチでサポートすることがコンセプトになっている。また津田さんは「まだ残っている筋力を最大限に活かしながらラクに立ち上がれることを目指し、最も自然で負担の少ない立ち上がり時の身体の軌跡を再現しようとしています」と明かす。そのため、じつは立ち上がりのときと座る時の軌跡が異なっているという。立ち上がりの軌跡に沿って座ろうとすると、身体が後ろのほうに傾いて不安になる、といった体験者の声なども反映されている。  Lifmyは本体重量約27kgと軽量で、全長×全幅×全高が919mm×526mm×1021mmとコンパクトなサイズのLifmyは、入り組んだ施設内や、廊下・ドア周りなど家庭の狭い居住スペースでも取り回しが容易である。充電式リチウムイオン電池を搭載し、最大で約120回の移乗動作が可能とされる。また、身長140cm~170cm、体重75kg以下の利用者を対象としており、在宅・施設を問わず扱いやすい設計となっている。  単なる移動補助機器にとどまらず、自立支援と介助者の負担を軽減することを目指すLifmy。軽量設計やバッテリー稼働回数、幅広い対象利用者なども含め、現場導入のしやすさと安全性が追求されている。2026年初旬の発売が予定され、まずは介護施設向けに展開した後、医療・リハビリ分野への拡大も視野に入れている。また、JATCOの海外拠点に対して、その地域でのニーズや利用者の体格などについての情報集めも行なっているという。利用者の生活の質を支え、向上させることに直結する製品となり得るだろう。 ...

    On 2025年11月22日 / By wpmaster
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    【H.C.R.2025 国際福祉機器展】車いすが手軽に収納できる、FUJICONの室内クレーン

    文と写真●Believe Japan 2025/11/18(火)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここでは自操式運転補助装置で有名なFUJICONが提案する、車いすユーザーがひとりで車いすの収納、運転ができる室内クレーン仕様車をレポートします。  福祉車両の運転補助装置を語るうえで、FUJICON(フジコン)の名を知らない人はいないだろう。ハンドコントロールレバーやステアリングノブなど、自操式運転補助装置の分野で開発と実装を続けてきた老舗メーカーは、今回ホンダ フリードをベースにした室内クレーン搭載モデルを出展した。  フリードはリヤが電動スライドドアとなっており、そこにアクセスできる車内収納用クレーンを装着。これは、車いすユーザーが介助の手を借りずに自分の力で車いすを車内に収め、運転できるようにするための装置だ。 車いすユーザーの「自分で積み、自分で走る」を実現  クレーンは、Bピラーの内側やルーフフレームにボルトで固定されるため、ユーザーの乗車姿勢や車種に合わせてアームの長さや角度を調整するオーダーメイドとなる。モーター駆動によって車いすを吊り上げる一方で、アームの回転操作は手動とし、軽量でシンプルな仕組みを実現している。最大引き上げ能力は最大30kgで、一般的な手動車いすであれば十分に対応可能だ。  実際の操作手順も明快。ユーザーは車いすで運転席横に進み、シートへ移乗。運転席後方に設置されたクレーンアームを外側へ回転させ、車いすをワイヤーフックで固定する。その後、リモコンのスイッチを押して電動モーターが車いすをゆっくりと吊り上げ、アームを室内側に回転させて収納。この一連の動作がひとりの力で、安全かつ短時間で完結するように設計されている。  従来、車いすを運転席から自力で収納するには、車いすを持ち上げて体の前を通して助手席側に置くタイプや、リフトで車いすを吊り上げて、ルーフ上部に設置された収納ボックスに収めるものなどがあった。ユーザーにとっては、車いすを自力で引き上げて横に移動させたり、大がかりな装置によってコストが高くなったり、また収納までに時間を要するなどの負担があった。今回のFUJICONの装置は、運転席の後ろへ自然かつ短時間で引き込む方法を模索。この商品が誕生した。  ヨーロッパでは以前から同様の室内リフト装置が存在するが、構造がやや大掛かりでコスト面でハードルが高いケースも多い。FUJICONの室内クレーンは、そうした海外製品に比べて小型・軽量・実用的で、日本のユーザーの生活環境に寄り添った提案として注目を集めそうだ。価格は32万円~。  運転席には、同社が長年改良してきた自操式運転補助装置が搭載されている。運転者の身体特性に応じて調整、レイアウトが可能で、操作時の負担を最小限に抑えながらも、「自分で運転している」という実感が持てるように設計されている。  少数精鋭のエンジニアを擁するフジオートは、1970年代から福祉車両の開発、改造に携わってきた国内有数の専門メーカー。FUJICONのブランド名のもと、ハンドコントロールをはじめアクセル・ブレーキ補助、スロットルモジュール、車いす昇降装置など、多岐にわたる製品を自社で設計、製造しており、各製品はすべて国内の道路交通法および車検基準に適合する形で開発されている。安全性と信頼性でユーザーから支持され、多数の納入実績を持つ。今回の室内クレーン搭載モデルは、長い経験を背景に「自分の力で移動したい」というユーザーの願いを現実的に叶える1台となっている。 ...

    On 2025年11月18日 / By wpmaster
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    【H.C.R.2025 国際福祉機器展】車いすの電動化ユニット30周年のヤマハ、最新モデルにみる次世代モビリティの新基準

    文と写真●Believe Japan 2025/11/10(月)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここではヤマハが長年開発し続けている手動車いすの電動化ユニット、その30周年を祝う特別展示と最新モデルをレポートします。 追い求めてきた車いすの電動化  二輪車をはじめ、マリン製品や産業用ロボットなどを製造するヤマハ発動機は、1995年から30年にわたって「手動車いすを電動化するユニット」の開発を続けており、後付け可能な簡易型電動車いすのカテゴリーを確立してきた。ブースでは、初代モデルから現在に至るまでの技術進化の軌跡を体系的に紹介。鉛バッテリーからリチウムイオン電池へ、アナログ制御からインテリジェント制御へと進化してきた過程がよくわかる内容だった。  ヤマハは今後「ユニット専業メーカー」へのシフトを明らかにしており、ほかの車いすメーカーとの供給パートナーシップを強化する方針を掲げている。そんなわけで、松永製作所、日進医療器、ミキなど大手メーカーをはじめ、ヤマハの電動化ユニットを採用する多くのメーカーが紹介されていた。来場者は各社のフレーム設計や装着アレンジを間近で確認できた。  そして、長年にわたる開発の集大成として登場したのが、簡易型アシスト「JWX-2」と、フル電動「JWG-1」という2つの電動化ユニットである。どちらも、ほとんどの手動車いすのフレームに装着可能で、利用者の身体機能や生活スタイルに応じて選択できる新しい移動ソリューションといえる。ブースではこれらの試乗体験も行われ、多くの来場者がその進化を実感していた。以下、それぞれを紹介する。 自力走行を活かすアシストタイプ「JWX-2」  利用者がハンドリムを操作し自走する力に応じてモーターがアシストを加えることで、坂道や段差での負担を軽減しつつ自然な操作感を維持するというアシストタイプの電動化ユニットが「JWX-2」である。下り坂では自動的にスピードを制御して安全性を確保し、横に傾いた道では左右輪のアシストレベルを自動で調整して車いすがまっすぐ進むよう補正する。さらに、片方の手や足での操作であっても安定した走行を可能にし、坂道や不整地でも平坦な道を走行しているかのような感覚を生み出す先進の制御技術を備えている。これにより、日常生活での移動負担を大幅に減らしつつ、身体機能の維持にも寄与する。  JWX-2が対象とするユーザーは、日常的に自力走行を維持したい高齢者や筋力低下が少ない人、屋外での移動が多く坂道や段差のある場所にもよく出かける人である。なお、2025年4月1日からは制度改正により、手動車いすから電動車いすへの買い替え時には、原則として簡易型電動アシスト車いすへの移行が推奨されることになった。これは、完全電動では自力操作の機会が減少し、身体機能の低下が懸念されることから、アシストタイプを標準仕様として健康寿命を延ばすねらいがある。  JWX-2のユニット重量は15.6kg(バッテリー含まず)で、耐荷重は130kg。1充電でのアシスト走行距離は36km(リチウムイオンバッテリー)で、価格は補装具費支給制度価格で41万2600円(税抜)となる。 完全自走で自由な移動を実現する「JWG-1」  一方、主要部分を大幅にアップデートした「JWG-1」は、ジョイスティック操作による完全自走を実現したフル電動タイプ。自力操作が困難な人でも独立した移動が可能であり、ほとんどの手動車いすフレームに装着可能。生活スタイルに合わせたカスタマイズにも対応している。  ジョイスティックを中央に戻すと停止する電磁ブレーキを採用し、坂道などでも安心して操作できる。また、専用ソフトによりスピードや感度などを細かく調整することも可能である。操作部のディスプレイは1.7倍に拡大され、バッテリー重量も3.6kgから2.4kgへと軽量化。使い勝手や安全性が格段に向上している。  JWG-1のユニット重量は15.1~16.4kg(16~24インチ、バッテリー含まず)で、耐荷重は160kg。1充電での走行距離は25km(20~24インチ)で、価格は補装具費支給制度価格で39万3900円(税抜)となる。  さらに好評だったのが、ヤマハ製ユニットを使用するユーザーを対象とした無料点検サービス。バッテリー状態のチェックやモーターの点検のほか、技術スタッフによる個別相談も行われ、ユーザーサービスも積極的な一面を垣間見れた。    今回のブース展示は、単なる製品紹介にとどまらず、技術の進化と利用者の体験を融合させた空間であった。アシストタイプの「JWX-2」は自力操作を活かした快適な移動を実現し、フル電動タイプの「JWG-1」は完全自走による独立した移動を可能にする。それぞれが異なるユーザーのニーズに応える存在であり、ヤマハが30年にわたって積み重ねてきた電動化技術の結晶といえる。来場者は試乗を通して、その操作感や制御の精密さを直接体感し、両モデルがもたらす新たなモビリティの形を実感していた。 ...

    On 2025年11月10日 / By wpmaster
  • H.C.R. 2025 レポート 0

    【H.C.R. 2025 国際福祉機器展】トヨタ ノア/ヴォクシーのショートスロープ仕様がついに登場

    文と写真●Believe Japan 2025/11/3(月)配信 日本最大の福祉機器展「H.C.R.(国際福祉機器展)」に今年も行ってきました! ここではトヨタ ノア/ヴォクシーに新たに登場した「ショートスロープ」をレポートします。  現行モデルである3代目シエンタが登場した2022年7月、数あるビリーヴカー(福祉車両)のなかでも画期的といえる1台が加わった。それが「ショートスロープ」だ。このモデルは、車いすの乗り込み時間を大幅に短縮できることから、頻繁に車いすユーザーの送迎を行うデイケアサービスなどで大活躍すると期待がよせられてた。その後、予想どおりプロユースで重宝されることになったわけだが、同時に一般ユーザーの関心も大きく集めることになったという。  そして、今回ノア/ヴォクシーの一部改良(2025年9月2日)の際、「ショートスロープ」が加わったわけだ。対象となるグレードは「ノアタイプI、タイプII(サードシート付き)」、「ヴォクシータイプI(車いす1名仕様)」となる。   車いすを乗せるときに、30%ラクになった  今回ノア/ヴォクシーの「ショートスロープ」は、新たに2段折れのパネルを採用したことがシエンタとの違い。パネルを2段階に展開することによって、後端の高さを150mmにおさえることとなり、乗降時の介助者の負担をより低減することにつながっている。具体的には、スロープに前輪を乗せた後、後輪を乗せるときの力を30%ほど低減することに成功したという。  また、乗降時の作業を手動で行うことに不安なひとに対して、電動ウインチも装着可能(メーカーオプションで設定)。一定の距離をアシストしてくれる「自動モード」も加わった。さらに、リモコンを持ちながら車いす乗車を行う不安を解消するために「リモコンをホルダー」も追加。これはホルダーにリモコンを固定させることで、両手がふさがらずより安心して乗降作業をアシストすることができるようになった。  シエンタの「ショートスロープ」はトヨタとして初の試みであり、プロユースを想定していたが、思いのほか一般ユーザーからの問い合わせが多いことから、今回ノア/ヴォクシーにも車種を拡大したという。 ...

    On 2025年11月3日 / By wpmaster
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    車いすドッキングシステムの新技術「MADS」/REHACARE(リハケア)2025

    文と写真●Believe Japan 2025/10/27(月)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に、今年も行ってきました! ここでは、車いすを一瞬で車両に固定してしまうDAHL ENGINEERING(ダール・エンジニアリング)のドッキングシステム、その最新技術をレポートします。  乗車時の車いす固定に煩わしさを感じるユーザーは少なくない。それをシンプルかつ確実に解決するのが「ドッキングシステム」だ。長年にわたって車いすと車両を安全に接続する技術を磨いてきたヨーロッパ屈指の専門メーカー、DAHL ENGINEERING は、欧州各国の自動車メーカーとも数多くの共同開発実績を持つ。ドッキングシステムの中核は、高強度スチール製のロックユニットと精密なセンサー群。車いす下部のアタッチメントをセンサーが認識すると、自動的に位置を補正し、一定以上の荷重を感知した時点でロックが完全固定される仕組みだ。驚くべきは、この一連の動作が電気的制御ではなく完全な機械構造によって実現されている点。そのため停電やシステム異常が起きても、手動で確実に解除できる設計になっている。また、寒冷地や高湿度などの厳しい環境下でも長年使用されており、耐腐食性とメンテナンス性の高さが実証済みだ。こうした「信頼できる品質」こそが、DAHLブランドの代名詞であり、リハケアの会場でも常連メーカーとして常に注目を集めている。   あらゆる車いすに対応する新技術「MADS」  今回の展示で話題をさらったのが、DAHLが新開発した車いすとドック(受け側)の間に入るアダプター「MADS(Multi Adjustable Docking System)」と床面に設置されるドックの「VarioDock」。MADSは車いすを接続するためのアダプターのようなもので、さまざまな車いすの形状に合わせて、取付角度や高さ・長さを機械的に微調整できるのが特徴だ。従来はドッキングシステムの対象外とされてきた折りたたみ式や手動式の車いすにも対応できる。一方のVarioDockは、モーター駆動による高さ調整機能付き(61~91mmの範囲で可変)で、地上高が異なる車いすの場合でもスムーズに固定できるというもので、この2つの組み合わせで、ほぼすべての車いすを素早く車両に固定することができる。従来の4点ベルト式リトラクターシステムに比べて、固定作業時間は約75%短縮されるという。  MADSブラケット部分は工具不要で取り付け・取り外しができ、折りたたみ式車いすでも日常的に使いやすい設計となっている。日本では軽量な手動式車いすを日常的に使うユーザーが多く、とくに都市部では折りたたみ式の需要が高い。そのような利用環境でも、自分の車いすをそのまま愛車にドッキングできるMADSは、手軽で安全な乗降を実現する革新的技術として大きなニーズが期待される。  VarioDockはまた、車両内で自由に動かしたり脱着したりできる3点式シートベルトを内蔵するタイプの座席にも対応しており、自在に車いすと座席を簡単に入れ替えることができる唯一のシステムでもある。  高い可変性を実現するためには、可動部分のガタつきを最小限に抑えつつ、固定後も十分な強度と安定性を保つ設計が求められる。DAHLはこの課題に対し、可変部材やロック機構に独自の工夫を加え、長期使用にも耐える構造を実現している。このMADS独自の構造は現在特許出願中であり、製品化への期待が高まっている。  DAHL ENGINEERINGは、1987年にデンマークで創業した老舗のモビリティ技術メーカーである。車いす固定システムや車載安全技術を専門とし、欧州の主要自動車メーカーとの技術提携を多数行ってきた。同社の製品は、ドイツのTÜV(テュフ)認証をはじめ、欧州規格ISOおよびクラッシュテスト(衝突試験)をクリアするなど、国際的にも最高水準の安全性を誇る。さらに、DAHLのシステムは単なる製品ではなく、モジュール式の安全プラットフォームとして設計されており、車種や車いすのタイプに応じて柔軟にカスタマイズできるのが大きな特徴だ。メーカーごとに適合した車いすモデル一覧を公開するなど、ユーザーが自由に車を選べる環境づくりにも力を入れている。 ...

    On 2025年10月27日 / By wpmaster
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    最小単位をリデザインする社会課題に挑むダイハツ「e-SNEAKER」

    文と写真●Believe Japan 2025/10/24(金)配信  「最小単位から新しいモビリティの未来を作っていく」。ダイハツの「e-SNEAKER」は、いわゆる電動車いすでありながらも、従来の電動車いすとは違ったアプローチで開発された。その新鮮なルックスは、大阪・関西万博でも老若男女を問わず、大好評をもって受け入れられたという。ここでは、「e-SNEAKER」が生まれた背景と、開発におけるこだわりを開発に携わったエンジニアから解説してもらった。 「乗りたくない」を「乗りたい」に変える挑戦 e-SNEAKER最大の挑戦は、電動車いすにまつわる従来のイメージを覆し、「乗りたい!」と思わせることにある。外出と社会への参加を促し、人の心身の衰えを防ぐ取り組みにおいても、移動手段は重要な課題だ。しかし、電動車いすには、歩行が困難な人が仕方なく乗るものというイメージがまだまだ根強く、抵抗感を持つ人が少なくない。e-SNEAKERプロジェクトの取りまとめを行った鐘堂信吾氏は、自身の体験も交えて、電動車いすに対するイメージを変えたかったと語る。  「ダイハツは、モビリティを通じてお客様の生活を支える使命のなかで、運転を引退した後の移動手段まで、生涯にわたる移動をサポートする責任があると考えております。そして、『最小単位』にこだわりものづくりを行ってきたなかで、モビリティの最小単位はなにかと考え電動車いすのカテゴリーへの挑戦が決まりました。かつて私自身が手術を受けたときに車いす生活を送った経験があったのですが、やはり車いすに乗ることには心理的な抵抗がありました。身体の不自由さを象徴するような気がしたからです。だからこそ我々は、お客様が積極的に『これなら乗りたい』と思っていただけるような商品を作りたいと考えたのです」。  そこで辿り着いたのが、歩行する人間と同じ目線になるよう、座る位置(アイポイント)を高くすることだった。 「歩くと同じ目線で移動できることは、乗る人の気分に大きく影響します。これは譲れない必須の要件でした。しかし、重心が高くなると転倒しやすくなるという背反が生まれます。この課題を解決するため、サスペンションで不安定さをカバーし、ホイールベースを広げることで、乗り物としての安定感を確保しました」 シンプルな技術と操作性  e-SNEAKERは、シンプルさにもこだわっている。操作方法についても、アクセルとブレーキ(回生)はグリップをひねるだけ、左右へ曲がる際はハンドルを左右に曲げるだけと、直感的に動かすことができるように設計した。  「みんな何も言わなくてもこうするでしょう。説明や練習がいらないようにしたかったのです」と鐘堂氏。アクセルとブレーキは電気自動車でいうところのワンペダル方式。慣れれば手動ブレーキをほとんど使うことなく、速度を調整できるようにした。もっともよく使う速度域での滑らかな加速・減速にこだわり、慣れない人が急に動かしてしまうことがないよう、特性も調整したという。  e-SNEAKERは、長距離移動を想定していない。最高速度は時速6kmで、1時間乗り続けると6km進むが、市場調査によると一般的な利用シーンは500mから1km程度。まさに移動の最小単位だ。  「ちょっとした買い物や人と話しながら移動するための乗り物です。実際、万博でも一日使ってもバッテリーはなくなりませんでした。行って、遊んで、帰る。こうした乗り物は、本当にちょっとの移動にしか使われないのです」。 長時間の乗車を想定しないからこそ、座面を少し前に倒すなど、快適さを追求した工夫が可能になった。 未来の移動をデザインする  「e-SNEAKER」という名前には、移動の最小単位である「歩く」ことに寄り添った最小のモビリティであるという意味が込められている。同時にそこには世の中のマインドセットを変えたいという願いも含まれている。「身体の不自由な方だけでなく、誰もが気軽に使える最小のモビリティとして、e-SNEAKERという言葉を広く使っていただるようになれば嬉しい」と鐘堂氏。  実際、150台を提供した大阪・関西万博では、多くの人々がe-SNEAKERを「乗りたい」と体験。会場ではe-SNEAKERを描いた絵が1500枚以上も描かれたという。電動車いすから新しい最小単位モビリティへ。ダイハツとe-SNEAKERの挑戦は続く。 ...

    On 2025年10月24日 / By wpmaster
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