文と写真●Believe Japan 2025/10/15(水)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に今年も行ってきました! 今回は、最大270kgの耐荷重を誇る車いす「ECLIPSE Tilt(エクリプス・ティルト)」をレポートします。 会場を歩いていると、日本の製品とは雰囲気の異なる車いすが目に留まった。 太く堅牢なフレームと力強い足まわり、幅広の座面、そして黒を基調とした重厚なデザイン。それが、デンマークの医療機器メーカー COBI REHAB(コビ・リハブ) が展示していた「ECLIPSE Tilt」だ。ヨーロッパでは近年、体格の違いを特異なものではなく“自然な個性”として受け入れる考え方が広がっている。その流れの中で発展したのが、肥満・高体重者向けの医療・介護支援を指す 「バリアトリック(Bariatric)ケア」 だ。 この分野では「どんな体格の人も尊厳を持って生活できる」という視点が重視されている。そして、その思想を象徴する車いすがこのECLIPSE Tiltである。一般的な車いすの耐荷重はおよそ100~130kg前後だが、ECLIPSE Tiltはその2倍以上となる270kgに対応。体格が大きいことを理由に移動を制限されたり、窮屈な姿勢を強いられることがない。 デンマーク流の人間工学設計 COBI REHABは、高体重者や肥満患者のための医療・介護機器を専門に開発するメーカーだ。その設計思想の根底にあるのは、「ユーザーの尊厳を守ること」。ECLIPSE Tiltは、ただ頑丈なだけではない。背もたれと座面を独立して角度調整できる機構を採用し、姿勢保持の快適性に徹底的にこだわっている。これは単なるリクライニングではなく、座面の角度を変えることで体圧を分散し、呼吸や血流への負担を軽減する仕組みだ。また、シートクッションには通気性と耐久性を両立させた高密度フォームを採用。大柄なユーザーでも沈み込みすぎず、しっかりと安定した姿勢を保てる。長時間の着座や介助時の体位変換など、さまざまな場面でユーザーと介助者の双方が快適に動けるよう工夫されている。 実際に触れてみると、介助者側への配慮も随所に感じられた。ハンドルの高さは工具なしで調整でき、ブレーキレバーは大型でしっかり握り込める。フットサポートの高さ調整や取り外しも容易で、乗り降りの安全性が高い。さらに後輪のキャスター構造は、方向安定性と回転の軽さを高いレベルで両立。270kgのユーザーを乗せた状態でも、驚くほど軽やかに方向転換できるという。担当者によれば「重量に耐えるため剛性を上げると操作が重くなりがちですが、支点位置やタイヤ圧まで最適化しています」とのこと。... ...
On 2025年10月15日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2025/10/11(土)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア)」に今年も行ってきました! ここでは折りたたみ式電動車いす VOLKS ROLLI(フォルクスロリ) をレポートします。 軽量かつ折りたたむことができる Fellerhoff MED TEC(フェレルホッフ・メドテック)が開発したVOLKS ROLLIの最大の特徴は、電動車いすながら折りたたたむことができ、その状態でも電動で車輪を動かすことできることだ。ん? どういうこと? と思うかもしれないが、そのメリットは、ハッチバックのフォルクスワーゲンゴルフに装着されたスロープを登っていくVOLKS ROLLIの写真をみればわかるだろう。つまり、車両積載時に折りたたんでコンパクトになった車いすを、スロープを使ってスマートにラゲッジに収納することができるというわけ。車いすを車両に積み込むのは非電動でも面倒な作業で、重量が増す電動車いす場合はなおさら。そして、車両への積載もミニバンタイプじゃないと難しかった。その意味で、この製品は革新的といえる。 VOLKS ROLLIの本体重量はわずか28kgで積載荷重は150kg。最高時速は6km、航続距離は24kmを誇る。バッテリーはフレーム左右にそれぞれ収められているのが特徴。そして、折りたたみ機構もシンプル! アームレストは跳ね上げ可能でフットレストも収納できるため、クルマはもちろん電車移動も可能だ。使いたい場所へ持ち運ぶことができる。 操作はジョイスティックによる前後左右のコントロールで、操作感は軽く直感的。座面の高さ(55~59cm)や幅(49~59cm)は調整可能で、ユーザーの体格や好みに合わせられる。「だれもが気軽に持ち運べる電動車いすをつくる」というメーカーの理念が細部にまで反映されている。 未来のスタンダードへ ドイツ西部のボーフムに本社を置く医療機器メーカー Fellerhoff... ...
On 2025年10月11日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2024/7/18(木)配信 介助する側、介助される側、双方の立場になってビリーヴカー(福祉車両)をインプレッション! レポートするのは、介護経験があり自身も福祉車輌取扱士の資格を持つタレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭。今回は特別にスズキ コンセプトモデル「SUZU-RIDE/SUZU-CARGO」に試乗させていただきました!その模様をお届けします。 ...
On 2024年7月18日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2024/7/16(火)配信 介助する側、介助される側、双方の立場になってビリーヴカー(福祉車両)をインプレッション! レポートするのは、介護経験があり自身も福祉車輌取扱士の資格を持つタレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭。今回はスズキ コンセプトモデル「SUZUKI GO!」についてスズキ株式会社の担当者にいろいろ伺いました。その模様をお届けします。 ...
On 2024年7月16日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2024/7/12(金)配信 介助する側、介助される側、双方の立場になってビリーヴカー(福祉車両)をインプレッション! レポートするのは、介護経験があり自身も福祉車輌取扱士の資格を持つタレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭。今回はスズキ セニアカー担当者インタビューを実施!その模様をお届けします。 ...
On 2024年7月12日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2024/7/9(火)配信 介助する側、介助される側、双方の立場になってビリーヴカー(福祉車両)をインプレッション! レポートするのは、介護経験があり自身も福祉車輌取扱士の資格を持つタレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭。今回は特別にコンセプトモデル「SUZUKI GO!」に試乗させていただきました! ...
On 2024年7月9日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 2024/7/5(金)配信 介助する側、介助される側、双方の立場になってビリーヴカー(福祉車両)をインプレッション! レポートするのは、介護経験があり自身も福祉車輌取扱士の資格を持つタレント・モータージャーナリスト 竹岡 圭。今回は、スズキ セニアカー ET4Dを実際に試乗しながらレポートします。 ...
On 2024年7月5日 / By wpmaster文と写真⚫︎大音安弘 2024/1/10(水)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア) 2023」が、2023年9月13日~16日の期間、ドイツ・デュセルドルフで開催された。今年の出展社は700社を超え、来場者の総勢が3万人となる盛況ぶり。その会場で出会った福祉車両やモビリティを紹介したい。 身障者向け車両改造を手がけるMoblicenter zawatzky社は、1962年に創業した業界の老舗のひとつ。運転免許教習所からスタートし、1965年には、世界初となる身障者向けの運転訓練を開始した。さらに1967年には最初の身障者向けの車両を製作し、同教習所での運転訓練に活用するようになった。そこから車両改造のエキスパートの道を歩み始めた。そんな同社は、個別の改造だけでなく独自のコンプリートカーも提供している。 展示車の「プジョーリフターマキシ デュオ」は、日本でも販売されているプジョーの7人乗りMPV「リフターマキシ」をベースにしたもの。外観上は標準車とまったく同じだが、室内を眺めてみると、驚かされる。なんと本来は存在するはずのシートが見当たらず、広々した空間が広がっているためだ。これは電動車いすの利用者がそのまま、乗車かつ運転可能とした仕様なため。身障者ドライバーの乗車口は、テールゲートからとなるが、非常に快適なアクセスが可能。リモコンキーの操作ひとつで、テールゲートと折り畳み式スロープなど全ての動作が行われるからだ。さらにアクセス性を高めるために、後輪のサスペンションには車高調整機能も追加している。ユーザーは、完全にフラット化された車室を移動。ドライバーズエリアに収まると、ドッキングステーションが自動的に電動車いすを固定する。後はハンデキャップに合わせて装着されたドライビングサポートシステムを使い、ドライブに出かけることができる。 同仕様の優れた点は、助手席側シートがドッキングステーション対応仕様なため、自由に切り替えられること。身障者ドライバーが同乗者と運転を変わって欲しい場合、助手席を運転席側にセットすることで可能に。このシステムを活用し、電動車いす利用者が二人揃って快適に出かけることもできるのだ。もちろん、広々した後部空間を乗員スペースとしても活用できるように、2座もしくは4座の折り畳み式シートを装備できる。このため、MPVの強みはそのまま。だから、友人や家族など大人数でのドライブも楽しめるのだ。 130馬力の1.5L直4クリーンディーゼルエンジン搭載の8速AT車をベースにした価格は、79800ユーロからなので、約1250万円から。(※現在のドイツで販売されるリフターはEVのみのため、新車在庫での対応) 同社のコンプリートカーは、車いすのまま乗車可能な介護式車両と電動車いすのまま運転を行える自操式車両に力を入れているため、MPVのみをラインアップしているのが特徴。日本の自操式福祉車両は、車いすから乗り換えるものが基本。車両は高価だが、電動車いすの利用者が移動の自由を手にできる意義の大きさを感じた。 ...
On 2024年1月10日 / By wpmaster文と写真⚫︎大音安弘 2024/1/9(火)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア) 2023」が、2023年9月13日~16日の期間、ドイツ・デュセルドルフで開催された。今年の出展社は700社を超え、来場者の総勢が3万人となる盛況ぶり。その会場で出会った福祉車両やモビリティを紹介したい。 日本の車いす利用者の多くは、手動車いすを愛用している。もし簡単に電動化できれば、手動式と電動式の両方のメリットが得られ、行動範囲を広げることができる。それを実現させるのが、車いす用電動アタッチメント(電動牽引装置)だ。 イタリアのTRIRIDE社は、車いす用電動アタッチメントに特化したメーカーで、多彩なラインアップを誇る。その電動牽引装置の基本構造は、舵取りが可能な電動駆動式1輪車だ。手動車いすの前方に装着することで、車いす側の前輪がリフトアップし、電動3輪スクーターへと変身させることができるのだ。 用途に合わせた幅広いラインアップを誇り、タイヤサイズだけを見ても、10インチから20インチまでの仕様を用意。そこには子供用のものも含まれる。 同社の電動牽引装置のエントリーモデル「LIGHT」は、最大トルク40Nmを発揮する電気モーターを搭載し、平坦な道なら最大50kmの航続距離を備える。軽さも持ち味で、重量は8.5kgに留められていて運搬性にも優れる。道路状況や用途に合わせて、タイヤサイズを12インチと14インチから選択可能。タイヤの種類も、走行路面に合わせて、シティとクロスが選べる(交換も可能)。そう、TRIRIDEは自転車で走れる未舗装路での走行も可能な性能も有しているのだ。また独立したブレーキシステムなどの独自開発の機能を盛り込むことで、安全性の高い製品に仕上げている。 上記以外にも、LIGHTと同等性能で軽量化を図った10インチタイヤ仕様の「LIGHT 10」、子供向けの「Kids」、50Nmまでパワーアップを図った「SPECIAL LIGHT」、75Nmまで性能を上げた高性能仕様「SPECIAL COMPACT HT」、16インチの大径タイヤによる高い走破性で長距離移動に挑む「SPECIAL HP16」、スポーツ仕様の「Mad Max」、クロスタイヤを装着したオフロード愛好家向けの「T-Rocks」など個性豊かなモデルを展開する。また飛行機での移動を行う人向けに折り畳み機構を備えた「FOLDABLE」は、旅好きなユーザーや忙しいビジネスマンのニーズにも応えてくれる。 TRIRIDEのユニークな製品が、ハンドバイク仕様も用意していること。このハンドバイクとは、足ではなく、手で漕ぐタイプのものだ。こちらも電動牽引装置と同様に、自身の車いすに取り付けて使用することができる。タイヤは、16インチと20インチの2つの仕様を用意。タイヤはチェーン駆動となり、スポーツサイクルのように8段もしくは11段のギアが備わっている。ハンドルもスポーツタイプとなり、もちろんブレーキも装備。これによりエクササイズやツーリングといった楽しみ方も可能だ。さらにTRIRIDEでは、ハイブリッドモデルも設定。そう、手動と電動の切り替えができるモデルが用意されているのだ。機能追加のため、7.5kg~9.5kgのマニュアルモデルよりも重量は増加し12.5kgとなるが、電動アシストモードならば最大100kmまで航続距離を伸ばすことができる。これならツーリングを趣味とした長距離移動も問題なくこなせる。 同社では、車いすに簡単に装着できる後輪用電動駆動システムも用意。愛用の車いすの電動化に加え、TRIRIDEの電動牽引装置やライドバイクとの組み合わせることで、走行性能を高めることができるのもユニーク。これらのシステムを使えば、いつも愛用している車いすが別物に生まれ変わったような体験ができるといっても過言ではないのだ。 ...
On 2024年1月9日 / By wpmaster文と写真⚫︎大音安弘 2023/12/30(土)配信 欧州最大の福祉機器展「REHACARE(リハケア) 2023」が、2023年9月13日~16日の期間、ドイツ・デュセルドルフで開催された。今年の出展社は700社を超え、来場者の総勢が3万人となる盛況ぶり。その会場で出会った福祉車両やモビリティを紹介したい。 小型スーツケースが、あっという間に電動車いすに変身してしまうというユニークさに驚かされたのが、イスラエルのメーカー「movinglife(ムービングライフ)」社の「ATTO(アトー)」だ。 展示品の「ATTO SPORT」は、「ATTO」の上級モデル。一見、タイヤの大きい小型スーツケースといった印象であり、デザインもお洒落。その存在を知らなければ、きっと電動車いすとは気づかない人がいても不思議ではない。ハンドルも折り畳み可能で、収納時もスペースを取らない。総重量は30kgだが、クルマなどで本体を運ぶ際は、前輪付きのステアリング部(12.5kg)と本体(17.5kg)を分割可能。高さを抑えるだけでなく、持ち上げも容易となる。またハンドル部を傾けて固定できるトロリーモードでは、まさにスーツケース感覚で転がして運べる。さらにスーツケースモードから車いすモードへの展開も、いすとハンドルを引き出すだけと容易。その稼働もスムーズだ。 電動車いすモードでの性能は、最高速度10km/h(※海外仕様の場合)。標準バッテリーで最大20kmの航続距離を確保し、オプションの大型バッテリーを装着すれば、最大40kmまで延長可能。充電時間は、標準バッテリーで4時間~5時間という。モーターは前輪に内蔵されており、ハンドルにあるアクセルレバーで速度調整を行い、ブレーキも装備している。快適なドライビングポジションが得られるように、座面の高さは3段階あり、ハンドルの高さと角度も調整できる。街中の走行で重要となる最低地上高は、12cmを確保している。最大乗員重量は120kgだが、最大136kgまで対応する「ATTO SPORT MAX」もラインアップする。 装備も豪華で、前方を照らす「LEDヘッドライト」、段差の衝撃を吸収する「エアレスタイヤ」、後方に存在を知らせる「LEDテールランプ」、スマホなどが充電可能な「USBポート」などが備わる。走行面では、速度固定が可能な「クルーズコントロール」に加え、ブレーキシステムは、「ディスクブレーキ」を採用。前進と後退が可能で、後退時は警告音を発する。さらにアクセルレバー連動の「自動ブレーキシステム」や急こう配や急旋回時の「自働減速機能」など安全装備も充実している。 オプションアイテムも豊富で、より快適なシートクッション、乗員をサポートするベルト、より大型なバックレスト、シート下を小物入れとするバック、スマートフォンホルダーなどがある。座面に回転機能を設けて条項をサポートするシートアタッチメントまであり、より多くの人が快適に使えるように配慮されている。 同社の創業者は、自身もポリオ患者でありながら、ビジネスマンとしてアクティブに活動をする人物。ストレスなく、どこでも自由に移動できる製品がなかったことから、自身で必要なモビリティを生み出した。このため、クルマのトランクや飛行機の上部収納部にも簡単に収納できるなどの便利な機能が盛り込まれている。販売については、各国にある正規販売店に加え、世界中にオンライン販売も行っているとのことだ。 だれでも受け入れやすいデザインと、スパイの秘密兵器のようなワクワク感もある「ATTO」は、移動に課題を抱えていた多くの人をアクティブにさせる次世代モビリティのひとつといえそうだ。 ...
On 2023年12月30日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.
