文と写真●Believe Japan
車いすユーザーにとって、旅行で気になるのがトイレと入浴。今日、バリアフリー化が進み「段差がない」、「手すりが設置されている」宿泊施設は多くなっているが、日頃から車いすで浴室やトイレにアクセスしている方にとっては、やはり心配の種だろう。
今回紹介する折り畳み式のバスチェアー「Wheelable(ホイーラブル)」は、そんな不安を解決してくれる製品だ。とても簡単に、コンパクトに折り畳むことができ、狭いバスルームやトイレ内でも移動することができるように考えられている。実際に座ってみると、動きの軽さに驚かされる。
また耐水性で汚れにくい樹脂製なので、ユーザーは水を気にすることなくシャワーを浴びることも可能だ。重さわずか12kg未満だが、体重130kgのユーザーでも使えるように頑丈に設計されているので、安心感も高い。
ところで、ホイーラブルがさらに優れているのは、通常のトイレ(洋式)で、便座に座り変えることなくそのまま使用できること。ホイーラブルがトイレに向かって後退し、トイレの上にそのまま覆いかぶさる格好で使用できるのだ。介助なしにシャワーやトイレを使用できる車いすで、これまで諦めていた旅行もずっと身近になるに違いない。
横幅わずか49cm 。バスルームやトイレなど、スペースの限られた屋内での使用がメインに考えられているので、通常の車いすと比べてスリム。コンパクトに折り畳むために、肘掛けも小さめだ。
座面は通常のものと、バス・トイレ用と簡単に交換が可能。簡単に水洗いできる材質で、サウナでの使用も考えられている。
折り畳んでみる。まずは両側の肘掛けを畳む。
次に背もたれを前に倒し込む。
一体化して薄くなった座面と背もたれを取り外して、タテにして左右両方の車輪の間に置く。
続いて、左右の車輪を外側から押して、本体をスリム化する。
これで軽々と持ち運びができるようになる。
折り畳んだ肘掛けを引き上げれば、キャスターが付いた旅行用スーツケースのように楽に移動させることも可能だ。折り畳んだ幅はわずか23cmという薄さで、 樹脂製のボディは11.6 kgという軽量ぶりだ。
輸送や預け荷物に便利な専用ケースも用意されている。
折り畳まれたホイーラブルを車いすに座ったままの状態で展開するデモンストレーション。
力をかけずに素早く展開される。
車いすからの移乗もとてもスムーズだ。
イスラエルのマーロット・タルシーハにある車いすメーカーSeataraのCEO、Ido Eilam(イド・エイラム)さん。「車いすを使う方には、ぜひホイーラブルの便利さを知ってもらい、不安のない旅行を楽しんでいただきたいですね」と話す。ちなみに、ホイーラブルの小売価格はおよそ1200ドル。
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