日産は、ドライバーの脳波を測定し、運転支援を行うという研究を発表した。 この技術は「B2V(Brain-to-Vehicle)」と呼ばれ、ドライバーがヘッドセットを着用することで脳波を検知し、ドライバーのイメージどおりにクルマを動かせるシステムである。 具体的には、ハンドルを回すなどの運転操作に関連する行動準備電位のリアルタイムな検出、さらにドライバーが頭のなかでイメージする運転と実際の運転が違うと感じるときのエラー関連電位の計測が、世界で初めて可能になった。これにより、ドライバーの反応の遅れをクルマがカバーしてくれたり、自動運転モードの際、違和感のない走りを実現できるようになるという。 この研究に対し、日産の副社長であるダニエレ・スキラッチ氏は、「将来の自動運転社会では、人間はクルマをコントロールしないと考える人が多いかもしれません。しかし、この技術はその反対です。ドライバーの脳波を活用して、ドライビングをさらにエキサイティングで楽しいものにしていくのです」と述べている。 また、B2V技術の研究をリードしている同社のルチアン・ギョルゲ氏は、「この技術の適用には大きな可能性があります。この研究が触媒となり、将来、より多くのイノベーションが日産車にもたらされるでしょう」と述べており、今後の自動運転化社会の到来をさらに後押しするものになりそうだ。 なお、同社は今回発表した技術を、ラスベガスで開催される「CES 2018」に出展し、ドライビング・シュミレーターを用いてB2V技術のデモンストレーションを行う予定となっている。 ...
On 2018年1月5日 / By wpmaster2017年の2月末にセレナのライフケアビークル(福祉車両)シリーズにチェアキャブ(車いす仕様)「スロープタイプ」が新たに設定された。今回われわれは、実際に車いすで乗り降りの使い勝手や市街地走行、高速走行を織り交ぜての長距離移動を試し、そのポテンシャルを探ってみることにした。 関連記事:【日産セレナ チェアキャブ スロープタイプ 2017】を試乗でチェック English subtitled movie (英語字幕付き動画) ...
On 2017年7月4日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、日産自動車 ファミリー層から絶大な人気を誇る日産のミニバン「セレナ」が、2016年の8月にフルモデルチェンジを行い、さまざまな新機能を搭載して話題を呼んでいる。 そして、ライフケアビークル(福祉車両)シリーズにチェアキャブ(車いす仕様車)「スロープタイプ」が新たに設定されたのが2017年の2月末。今回我々は、実際の使い勝手に加え、市街地走行と高速走行を織り交ぜた長距離移動を試し、そのポテンシャルを探ってみることにした。 チェックしたのは「セレナ チェアキャブ スロープタイプ 車いす1名セカンド仕様」。2列目に車いすで乗車するタイプだ。新型セレナは運転席から3列目まで、すべてのひとが楽しく快適に移動できることを目標に開発されたという。標準車の資質は、福祉車両にもダイレクトに反映されるから楽しみだ。ちなみにスロープタイプには、そのほか「車いす1名サード仕様(3列目)」、「車いす2名仕様(2、3列目)」、そして専用シートレイアウトや手すり、オートステップを装備した施設送迎向けの「車いす1名送迎仕様(3列目)」の計4タイプが設定されている。 【使い勝手】 まず、車いすで乗り込んでみて、実際の使い勝手を確かめてみた。後輪が油圧式車高調整機構になっていて、ワンタッチで速やかに車高を下げ、スロープの傾斜をゆるやかにすることができる。油圧の車高調整と電動ウインチはなめらかに作動し、車いす固定フックの取り付けや電動ウインチの操作も非常にシンプル。おかげでスムーズな車いす乗車ができた。 開発生産を担当しているのは、日産の関連企業で特装車を手がける「オーテックジャパン」。これまでさまざまなスポーツモデルやカスタムモデルなどを手がけ、その開発力とエンジニアリングで高く評価されているメーカーである。 車いすの乗り降りに関する操作系は、リヤゲートを開けた左側にまとめて配置されている。車高調整のスイッチ(写真右上)、電動ウインチベルトの引き出しや固定、解除のスイッチ(写真右下)は、簡単に操作できる。また、電動ウインチの操作リモコン(写真左)は、介助するひとが車いすの手押しハンドルを支えながらでも持ちやすい形状になっている。ボタンを大きく、また数も少なくすることで押し間違いを防止している。 3列目シートの頭上にあたる部分の天井部は、中央部分が上方向にくぼんでいる。これは、乗り降り時に頭をぶつかりにくくする配慮である。... ...
On 2017年7月4日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 高齢者や障がいのある方の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2017」が、今年もインテックス大阪で開催された。23回目を迎えるバリアフリー展は、もはや春の風物詩としてすっかり定着し、今年は4月20日(木)~22日(土)の3日間で、のべ9万1356人という多くのひとが来場した。 医療、福祉にまつわるさまざまなデモンストレーションや展示、講演会などが行われたが、やはり福祉車両に対する注目度は高く、自動車メーカーのブースには、連日多くの来場者が訪れて、スタッフに対して熱心に、展示車両の機能や使い勝手などを確認している姿が見られた。各メーカーも注目のニューモデルを大々的に展示し、新しい機能などを積極にアピールした。 最近では、福祉車両を展示して、乗り降りなど実際の使い勝手を試すことができるショールームが増えている。それらは、バリアフリーはもちろん、それぞれの車両のまわりには大きなスペースがあるため、車いすでも自由に移動できるのでとても快適だ。しかし、福祉車両が数多く一堂に会して展示されるという機会は稀で、メーカーの垣根を越えて、気になるモデルを自由に比較できるということは、多くのユーザーにとってもありがたい。 ここでは、とくに関心の高かったモデルをメーカーごとにピックアップして紹介したい。 【トヨタ】 福祉車両をリードするトヨタのブースでは、コンパクトからミニバンまで、多様なラインアップで、終日賑わいを見せていた。そのなかで目立っていたのが、ハイブリッドモデルの人気の高さだった。会場では、福祉車両の燃費の目安について質問する来場者の姿も多く、その熱気の中心にあったのがプリウスPHEVの助手席回転チルトシート車。標準車の注目度の高さは福祉車両でも変わらず、実際に乗り降りを体験するための列ができるほどの人気ぶりだった。 プリウスPHEV 助手席回転チルトシート車 チルトシートは乗り降りされる方の腰の位置が高いことから、立ち上がりやすく、着座時も膝の角度がゆるやかで負担が少ないのが特徴。また、手動式のためスピーディーな操作が可能という手軽さもアピールしていた。 アーティスト大峰直幸氏によるデザインラッピングが施されたシエンタ。トヨタではおよそ30年前から、障害のあるひとの芸術活動を支援している。 【ホンダ】 8台の福祉車両が展示されたホンダのブースでは、「いつでも、どこでも、だれでも用途に応じて思いどおりに使える」というキャッチフレーズの新型コンパクトミニバン「FREED(フリード)」とホンダの福祉車両として高い人気を誇る「N-BOX」が主役だった。コンパクトながらも広大な室内空間を活かし、車いす利用者も含めて最大6名の乗車を可能とした「FREED+(フリード... ...
On 2017年5月5日 / By wpmaster日産のミニバン「セレナ」のライフケアビークル(LV)シリーズに 、新たにチェアキャブ「スロープタイプ」が設定された。 今回登場する「スロープタイプ」は、セレナの持つ室内の広さや使い勝手の良さを生かし、バックドアから車いすのまま車内に乗り込めるよう、手動式のスロープと車いす固定装置を装備している。全4仕様のラインアップとなり、車いす1名を含む7名乗車や車いす2名を含む5名乗車など、高いユーティリティが注目を集める。 車いす1名 セカンド仕様 車いすは2列目左側に乗車し、右側には介助者などが並んで座れる。車いす1名を含めて7名の乗車が可能。 車いす2名仕様 2列目左側と格納した3列目シートの位置に、同時に2名が車いす乗車することができる。車いす2名を含めて5名の乗車が可能。 車いす1名 サード仕様 車いすは3列目シートの左右を格納して乗車し、車いす1名を含めて5名の乗車可能。車いすの方が乗車しない場合は定員7名乗車となる。 車いす1名 送迎仕様 高齢者の乗降に配慮した乗降用手すりやオートステップが備えられ、さらにセカンドシートを専用形状の2人掛けとするなど、3列目シートへのアクセスを容易にした仕様。福祉施設の送迎にも適している。 全仕様とも、車いすの乗車位置を車両の前方に、そして中央寄りにすることで、運転席の近くに車いす乗車できるようになっていて、安心感が高い。また、車いすのスペースは、大きな車いすにも対応できるゆとりが確保されている。さらに、2列目の車いす乗車の位置の横にフルフラットリクライニングできるシートを装備し、停車中はフルフラットにして車いすの使用者をケアすることなども可能となる。 日産では、このスロープタイプのセレナは、家庭はもちろん、福祉施設や病院、福祉タクシーなどの幅広いニーズに対応できると考えている。 【価格帯】 セレナ... ...
On 2017年2月7日 / By wpmaster日産の軽自動車「デイズ」の仕様が一部向上し、合わせて「助手席回転シート」と「助手席スライドアップシート」の各福祉車両の仕様も変更となった(写真は助手席スライドアップシート車)。 今回の仕様変更では、高速巡航時に快適な「クルーズコントロール」がターボグレードに標準装備され、また、ステアリングスイッチやGPSアンテナなどがセットになった「日産オリジナルナビ取付パッケージ」が求めやすい価格で全グレード標準となっている。 そして、新たなボディカラーとして「プレミアムサンシャインオレンジ」と「ブロッサムピンク」が追加され、室内では、細い缶にも対応するカップホルダーが新たに採用されている。 また今日、助手席回転シート車には、「乗降グリップ(助手席&後席右側)」と「運転席シートバックグリップ」がセットになり、施設の送迎などにお薦めのパッケージオプション「送迎パッケージ」が設定された(価格は消費税込みで127万5480円)。 デイズは軽自動車ながらドア開口部にゆとりがあり、福祉車両でも、背の高い方が頭上を気にせずに乗り降りできるとして人気だ。 価格(消費税込み): 助手席回転シート:122万6800円~162万5400円 助手席スライドアップシート:140万1000円~180万円 ...
On 2017年1月27日 / By wpmaster急な用事や荷物が増えたとき、スマートフォンに、(来てほしい)時間を入れるだけで、無人タクシーが自分のいる場所まで迎えに来てくれる。クルマ自身が、周囲のクルマや歩行者などを捕捉しながら安全に自動走行するので、移動中に家族のお世話だってできる。高速道路に走行しながら充電できる車線が設けられ、EV(電気自動車)に乗りながら、充電や航続距離を気にせずに走り続けられる。 これは、自動車メーカーが真面目に描き出した近未来のモビリティ。どのアイデアも、我々の生活をより便利で快適なものへと大きく変えてくれそうだ。 毎年1月にラスベガスで開催されるハイテク産業の見本市「CES(セス、Consumer Electronics Show)」。そこにおいて日産が発表した未来のクルマ作りの指針「ニッサン・インテリジェント・モビリティ」は、「クルマでの移動をより安全、よりスマートに、より楽しいものとする」ことをスローガンにしたもの。日産は、これからのクルマ作りを「インテリジェンス」にフォーカスして進めていくという。 ニッサン・インテリジェント・モビリティは、クルマが「エネルギーをどのように使い(インテリジェント・パワー)、どのように走り(インテリジェント・ドライビング)、そして社会とどのようにつながっていくのか(インテリジェント・インテグレーション)」を具体的に実現するものとなる。それら「未来のモビリティ」を描く動画も公開された。 すでに、関連した具体的なプロジェクトがいくつも始動していて、たとえば「無人運転車」の開発。日産では、過疎部における無人タクシーサービスの実証実験を重ねる「株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)」と共同で、2017年中に実証実験を行う予定だ。両社はまず、無人運転技術の開発を集中的に取り組み、2020年までには、首都圏や都市部にてモビリティ・サービスでの技術活用の検証を行う見通しを立てている。 また同様に、日産は「シームレス・オートノマス・モビリティ(SAM)」と呼ばれる革新的なシステムも発表している。これはNASA(アメリカ航空宇宙局)の技術をベースに日産が開発したもので、完全自動運転のクルマの市販化に大きく役立つとされている。 そのほかにも、自動運転技術「プロパイロット」を搭載したEV「日産リーフ」の新型車が、近くリリースされることも明らかにするなど、モビリティの未来化を加速させている。 日産は以前から、排出ガスを無くし(ゼロ・エミッション)、事故を無くす(ゼロ・フェイタリティ)ことを最終目標としているが、今回のニッサン・インテリジェント・モビリティが描くクルマの姿は、同時に多くのひとにとってやさしい、バリアフリー的な発想であることが見てとれた。この指標がゴールまでの明確な道しるべとなり、移動の自由がよりあまねく提供されることを期待したい。 完全自動運転だけでなく、周囲の歩行者やドライバーにも気を使ったメッセージを表示。(”After you”は、「お先にどうぞ」の意味。) クルマは、自ら駐車スペースに移動し、ユーザーが呼び出せば速やかにやって来る。 「EVレーン」では、非接触で、走行しながら路面から充電を行うことができる。 無人配送システムが確立され、ユーザーの要望に細かく対応できるようになる。 ...
On 2017年1月20日 / By wpmasterドライバーをサポートして安全な走行を行う運転サポート技術が、乗用車だけでなく産業分野にも活用され始めている。日産は、完成した車両を埠頭まで無人牽引車で搬送するシステム「インテリジェント ビークル トーイング(Intelligent Vehicle Towing)」を追浜(おっぱま)工場に導入したことを明らかにした。 自動運転機能を備えた電気自動車「日産リーフ」が、一度に最大3台の完成車を「無人」で搬送する。従来からの無人搬送台車は、磁気テープやレールを辿って走行していたが、今回のシステムは、こうしたインフラを敷設する必要がないため、生産工程や物流動線の変更に柔軟に対応しながら、経路を設定する事が可能だという。 この牽引車のリーフには、複数のカメラとレーザースキャナーが搭載され、白線や路肩、障害物などの情報と地図データを組み合わせて、目的地までのルートを自動走行する。先行車両や人などに接近した場合には、自動で停止し、一定以上の距離が確保されたと判断すると自ら再発進する。位置、車速、作動状況、バッテリーの残量などは、管制センターでモニタリングすることができるとのことだ。 これまで完成車両は、組立工場から専用埠頭まで専門のドライバーが1台ずつ運転して搬送していたが、この「無人搬送」は、少子高齢化が進む日本における労働人口減少の対策のひとつとされている。1年前から行われ、これまですでに1600回もの走行を実施しているという。そして、この間に得られたデータに基づいて、無人走行によるあらゆるリスクに対応できる安全機能やフューエルセーフ機能、天候といった環境の変化の中でも安定して走行できることを証明してきたという。今後、追浜工場ではさらに技術検証を重ね、将来的には国内外の他工場へも導入も検討していく予定だ。 参照元:日産自動車ニュースルーム ...
On 2016年12月10日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.