文と写真●Believe Japan 【キーパーソンに訊く】 コヤマドライビングスクールのインタビュー。二人目は、二子玉川校でジョイフルコースの教習も担当するインストラクターの森 早穂(もり さほ)さん。 どのくらいの数の方が「ジョイフルコース」を受けられているのでしょうか。 森さん ジョイフルコースはおかげさまで好評をいただき、受講生は増加し続けております。2016年は二子玉川校で35名、全校で57名の方が受講されました。ただ、半身麻痺の方は、簡単な旋回装置を取り付けるだけで運転できる場合もありまして、ジョイフルコースのスタッフがサポートするというカタチで通常のコースを受けられている方もいらっしゃいます。ですので、障がいを持たれている方としては、さらに多くの方にいらしていただいております。 受講者の数がもっとも多い教習所と言われるコヤマドライビングスクール。 どのような方々が受講生されているのでしょうか。 森さん クルマは移動の自由をもたらしてくれて、活動範囲を劇的に広げてくれます。だれにでも便利なものですが、脳梗塞や交通事故で脊髄を損傷されて、麻痺が残ってしまった方などのなかには、以前クルマを運転していて「免許がないと仕事ができない」といった方も多くいらっしゃいます。その切々とした訴え・熱意には、私も思わず涙が出てしまったこともあります。... ...
On 2017年6月21日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 高齢の方や身体の不自由な方にとって、「クルマ」は移動するための手段としてかけがえのない存在だ。近年は公共交通でもバリアフリー化が進んでいるが、近くに駅やバスの停留所がない地域では、自家用車が果たす役割は非常に大きい。 自動車メーカー、福祉機器メーカーなどの努力により、今日、福祉車両のレベルアップとラインアップの拡充はめざましく、家族や介助をするひとが運転するクルマに乗り込むことは容易になっている。とはいえ、だれかの手を煩わせることなく、「好きなときに好きな場所に自分で行ける」クルマがもたらすモビリティの自由度は絶大だ。また、それは十分承知しているが、手足が不自由だから、耳が不自由だから、そのほかさまざまな障がいを理由に「クルマの運転」を諦めているひとが少なくないのも事実だろう。 そんな方たちにお伝えしたいのが、障がいがある方でも「運転免許を取得して、自由に運転ができる」、その可能性が大いにあるということ。今回は東京の二子玉川にある自動車教習所「コヤマドライビングスクール」を訪れ、障がいがある方のための自動車教習についてうかがった。受講者がもっとも多い教習所として、また洗練されたイメージのコヤマドライビングスクールは、「バリアフリーカーライフ」を標榜して、障がいのある方のための自動車運転教習を積極的に展開している。 エコロジーとバリアフリーをテーマにしたユニバーサルデザインの二子玉川校の校舎。 入口のスロープにはじまり洗面所や教室も車いすで快適にアクセスできる。 【キーパーソンに訊く】 まずお話をうかがったのは、株式会社コヤマドライビングスクールの取締役で、障がいのある方の運転教習の立ち上げに携わった野澤 勝(のざわ まさる)氏。 障がいのある方の教習に積極的に取り組むコヤマドライビングスクールの野澤取締役。 校内を見学させていただき、段差がなく、入口や教習コースへのアクセスもなだらかなスロープとなっていることを拝見しました。 野澤氏 ... ...
On 2017年6月16日 / By wpmaster文●Believe Japan 写真●Believe Japan、トヨタ自動車 4月20日(木)~22日(土)の日程で、インテックス大阪で開催された総合福祉展「バリアフリー2017」。9万人以上の来場者を集め、盛況のうちに幕を閉じたイベントの主役はまさに福祉車両だった。そのなかでもとくに印象に残ったのが、トヨタブースで展示されていたエスティマハイブリッドの福祉車両「サイドリフトアップシート車」だった。 このサイドリフトアップシートは、回転して、クルマの外へスライドダウンした後に、脱着でき、車いすとして使用できるのが特徴で、介護用の車いすとして使える「手動式」と、自走が可能な「電動式」の2タイプが用意されている。以前からすでに販売されていたが、改良を重ね続け、イベントで展示されるのは今回が初めてだという。ここでは、その優れた機能性を紹介する。 サイドリフトアップシート(脱着タイプ)の魅力 ◎車いすから降りて、シートに移り座る必要がないので、本人も介助の方もラク。 ◎シートの高さや前後スライド位置、リクライニングの角度などが自動メモリーできる。 ◎車いすに座っての乗車よりも座り心地がよく、長時間の移動による負担が大幅に軽減される。 ◎シートはブレーキ付きで、安心して介護用車いすとして利用できる(手動式)。 ◎コントロールパネルやジョイスティックによって、介助なしで自在に操作が行える(電動式)。 車内はもちろん車いすとしても、ゆったりとした座り心地が味わえる脱着タイプのサイドリフトアップシート。電動式の場合、家庭用100V電源でも手軽に充電でき、さらにシート背もたれの裏側にはバッテリー2個(1個使用、1個予備)を積むことができるので、バッテリー切れの心配も少ない。バッテリーの残量が少なくなると、赤ランプが点滅して、ブザーでも警告してくれる。また、状況に応じて手動/電動の切替もできるので便利だ。 最高速度は3.5km/hで、可能走行距離は8km(バッテリー2個)となるので、駐車場所から近くでの用事などには十分だろう。バッテリーの充電時間は1個およそ3時間。ちなみに、じゃり道での走行はできないが、25mmまでの段差を乗り越えられ、ゆるい坂道(8°まで)を登ることもできる。利用者からは概ね好評だというが、大いに納得できる実用性の高さだ。 操作手順(電動式) ①サイドドアを全開にして、操作スイッチを押し続ける。シートが回転を開始する位置まで後ろにスライドして、背もたれの角度が自動的に調整される。 ... ...
On 2017年5月16日 / By wpmaster文と写真●Believe Japan 高齢者や障がいのある方の快適な生活を提案する総合福祉展「バリアフリー2017」が、今年もインテックス大阪で開催された。23回目を迎えるバリアフリー展は、もはや春の風物詩としてすっかり定着し、今年は4月20日(木)~22日(土)の3日間で、のべ9万1356人という多くのひとが来場した。 医療、福祉にまつわるさまざまなデモンストレーションや展示、講演会などが行われたが、やはり福祉車両に対する注目度は高く、自動車メーカーのブースには、連日多くの来場者が訪れて、スタッフに対して熱心に、展示車両の機能や使い勝手などを確認している姿が見られた。各メーカーも注目のニューモデルを大々的に展示し、新しい機能などを積極にアピールした。 最近では、福祉車両を展示して、乗り降りなど実際の使い勝手を試すことができるショールームが増えている。それらは、バリアフリーはもちろん、それぞれの車両のまわりには大きなスペースがあるため、車いすでも自由に移動できるのでとても快適だ。しかし、福祉車両が数多く一堂に会して展示されるという機会は稀で、メーカーの垣根を越えて、気になるモデルを自由に比較できるということは、多くのユーザーにとってもありがたい。 ここでは、とくに関心の高かったモデルをメーカーごとにピックアップして紹介したい。 【トヨタ】 福祉車両をリードするトヨタのブースでは、コンパクトからミニバンまで、多様なラインアップで、終日賑わいを見せていた。そのなかで目立っていたのが、ハイブリッドモデルの人気の高さだった。会場では、福祉車両の燃費の目安について質問する来場者の姿も多く、その熱気の中心にあったのがプリウスPHEVの助手席回転チルトシート車。標準車の注目度の高さは福祉車両でも変わらず、実際に乗り降りを体験するための列ができるほどの人気ぶりだった。 プリウスPHEV 助手席回転チルトシート車 チルトシートは乗り降りされる方の腰の位置が高いことから、立ち上がりやすく、着座時も膝の角度がゆるやかで負担が少ないのが特徴。また、手動式のためスピーディーな操作が可能という手軽さもアピールしていた。 アーティスト大峰直幸氏によるデザインラッピングが施されたシエンタ。トヨタではおよそ30年前から、障害のあるひとの芸術活動を支援している。 【ホンダ】 8台の福祉車両が展示されたホンダのブースでは、「いつでも、どこでも、だれでも用途に応じて思いどおりに使える」というキャッチフレーズの新型コンパクトミニバン「FREED(フリード)」とホンダの福祉車両として高い人気を誇る「N-BOX」が主役だった。コンパクトながらも広大な室内空間を活かし、車いす利用者も含めて最大6名の乗車を可能とした「FREED+(フリード... ...
On 2017年5月5日 / By wpmasterモータージャーナリスト熊倉重春が「できる!」を視点に、各メーカーの福祉車両の機能や使い勝手を徹底的に探るシリーズ。 今回は、「ダイハツ タントスローパーを試乗する」です。 ・室内の広さや、走行時の乗り心地を体験レポート。 など、熊倉重春氏の目線で語っていただきます。 関連記事:【ダイハツ タント 2017】優れた使い勝手「今どきの軽福祉車両はすごい!」 English subtitled movie (英語字幕付き動画) ...
On 2017年4月12日 / By wpmasterモータージャーナリスト熊倉重春が「できる!」を視点に、各メーカーの福祉車両の機能や使い勝手を徹底的に探るシリーズ。 今回は、「ダイハツ タントスローパーに車いすで乗り込む」です。 ・開口部の広さによる、スムーズな乗り込みを体験レポート。 など、熊倉重春氏の目線で語っていただきます。 関連記事:【ダイハツ タント 2017】優れた使い勝手「今どきの軽福祉車両はすごい!」 English subtitled movie (英語字幕付き動画) ...
On 2017年4月12日 / By wpmaster文と写真 ●Believe Japan 「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」などと言われるが、日本は世界の中でそれほど小さな国でない事はご存知のとおり。だが、山が背骨のように細長い国土を貫き、面積の70%以上が山地になっている。 そこに住み、日々移動するとなると、農村部はもちろん、都市部や住宅地においても狭い道が入り組み、ボディサイズの大きなクルマでは曲がることや対向車とのすれ違いで何かと気を使う場面が多いのが実情だ。こうした地域では、以前から生活の足、日常の移動手段として軽自動車が重宝されてきた。「軽」は日本特有の自動車企画で、税制上の優遇など、コスト面での利点が大きいが、近年は安全性や快適性でのクオリティが著しく向上し、一般のユーザーからも高い人気を集めている。 抜群の使い勝手のよさと維持費の安さ。軽自動車のコストパフォーマンスの高さはもはや言うまでもないだろう。そして今日、福祉車両としもさまざまなモデルを選ぶことができるようになっている。その中心となって積極的なモデル展開を行っているのがダイハツだ。2016年には合計約4600台の福祉車両を販売している。そのなかで圧倒的な主力となっているのが「タント」。助手席が回転する「ウェルカムシート」とリヤハッチを開けてスロープから車いすで乗り込むタイプの「スローパー」というふたつの仕様がある。人気が高いのはスローパーで、販売台数はウェルカムシートの約3倍に上る。 タント「ウェルカムシート」 タント「スローパー」 タントの魅力を簡単にまとめてみると ◎Bピラーがスライドドアに内蔵されていて、大きく開くミラクルオープンドアの圧倒的な利便性。 ◎スロープが短く、狭いスペースでも乗り降りができる。 ◎電動ウインチにより、女性やお年寄りの方でも、簡単に車いすの乗り降りすることができる。 ◎ウェルカムシート(助手席回転)は、助手席が前後にスライドするので余裕の乗り降り。 ◎進化し、車両と歩行者を的確に認識するセイフティ機能「スマートアシストIII」による安心感。 タント最大の特徴は、Bピラーがスライドドアに内蔵されていていること。これは開口部を最大1490mmと大きくすることを可能にし、乗り降りを決定的にラクにしてくれる。また、開口部の「高さ」も1370mmと、こちらも余裕だ。また、ウェルカムシートでは、「ミラクルオープンドア(両側スライドドア)」と車外からも簡単に前後スライドできる助手席と相まって、通常のフロント側からはもちろん、中央部からの乗り降りも可能で、助手席の左右どちらからでも介助できるのが特徴となっている。これはほかにはないタントの大きな美点といえるだろう。 一方のスローパーも、スロープの張り出しがわずか1115mmとなっていて、乗り降り時の「省スペース化」が実現されている。スロープの角度は13度であるが、電動ウィンチによって素早く手軽に、車いすでの乗り降りができる。スローパーの魅力は、試乗動画でもチェックしてほしい。... ...
On 2017年4月12日 / By wpmasterマツダは、SUVのCX-5に「助手席リフトアップシート車」を設定し、2017年3月29日より発売を開始する。 今回発売される「助手席リフトアップシート車」は、先進安全技術を搭載した新型CX-5をベースに、助手席シートが回転・昇降するリフトアップ機構を採用。ワイヤレスリモコンやシート両側のスイッチで簡単に操作が可能で、身体の不自由な方の乗り降りのサポートのみならず、和服を召した方でもスムーズに乗降が可能となっている。 ラインアップは、2.0Lガソリン「SKYACTIV-G」を搭載した「25S」、2.2Lクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」を搭載した「XD」を設定。なお、後者は前輪駆動と四輪駆動の両方が選べる。 ●価格 25S 助手席リフトアップシート車 4WD:305万円 XD 助手席リフトアップシート車 2WD:313万円 XD 助手席リフトアップシート車 4WD:334万円 (価格はすべて消費税非課税。) ...
On 2017年3月29日 / By wpmasterダイハツは、2016年11月に発売された「スマートアシストIII」を搭載する「タント」と福祉車両の「タント・スローパー」および「タント・ウェルカムシート」が、2016年度JNCAP予防安全アセスメントにて、最高評価「ASV++」を獲得したと発表した。 この予防安全性能アセスメントは、国土交通省と独立行政法人の自動車事故対策機構(NASVA)が2014年度から実施しているもので、「被害軽減ブレーキ(対車両)」「車線はみ出し警報」「後方視界情報」に加え、2016年には「被害軽減ブレーキ(対歩行者)」が追加され、これら4つの項目の試験を行う。なお、評価ランクは「ASV」、「ASV+」、「ASV++」の順に高くなる。 ダイハツ車としては「スマートアシストII」を搭載している軽乗用車「ムーヴ」、「キャスト」 が2015年度評価で「ASV+」の認定を受けていたが、今回タントシリーズが同社初となる最高評価「ASV++」の認定を受けたことで、その予防安全性能が高く評価される結果となった。 ...
On 2017年3月14日 / By wpmasterトヨタは、プラグインハイブリッドカー「プリウスPHV」をフルモデルチェンジし、発売した。 プラグインハイブリッドとは、コンセントから差込プラグを用いて直接バッテリーに充電できるハイブリッドカーのことで、大容量バッテリーを搭載し、電気のみで長距離を走行できるモデルも多い。 もともと電気走行はガソリン車と比べてエネルギー効率がよく、燃費が圧倒的に安いのが魅力。また、通常の電気自動車(EV)と違い、バッテリーの電力不足時には非プラグインのハイブリッドカー同様にエンジンを用いて走行できるのは便利で、安心感もある。 今回登場した2代目プリウスPHVは、既存のハイブリッドカー「プリウス」とは異なるデザインを採用し、個性を高めたのが特徴。メカニズム面では、大容量リチウムイオン電池を搭載し、さらにシステムを大幅に効率化したことで、電気エネルギーのみで68.2kmという長距離走行が可能となった。さらに、1.8Lエンジンを搭載し、ハイブリッドモードでの走行は、JC08モードで37.2km/Lという極めて優秀な燃費を実現している。 充電時間は、AC100V/6Aの普通充電時で約14時間(満充電)、200V/16Aで約2時間20分(満充電)、さらに急速充電を使えば約20分(80%充電)と短いのも便利だ。とくにAC100V/6Aは家庭の配線を利用するため、配線工事が不要。さらに、世界初のソーラー充電システム、災害時などに2日程度の電力供給が可能な「HV給電モード」を備えることも新型の特徴となっている。 なお、福祉車両としても、「助手席回転チルトシート車」が2017年の4月にリリースされる予定ということで、大いに注目したい。 価格(消費税非課税): プリウスPHV 助手席回転チルトシート車:326万1600円~422万2800円 ...
On 2017年2月28日 / By wpmaster© 2016-2020 Believe Japan, Inc. All rights reserved.